<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> エネルギー政策
<小項目> 電力政策
<タイトル>
平成19年度電力供給計画 (01-09-05-24)

<概要>
 一般電気事業者10社および卸電気事業者2社は、電気事業法第29条に基づき、今後10年間の電気の供給並びに電気工作物の設置および運用に関する計画(供給計画)を経済産業大臣に届け出ると定められている。「平成19年度電力供給計画の概要」は、各事業者から届け出られたこれらの供給計画を資源エネルギー庁で取りまとめたものである。
 平成19年度電力供給計画の概要によれば、平成19年度の需要電力量を9,030億kWhと見込み、最大電力1億7,466万kWに対し供給力1億9,345万kW(供給予備率10.8%)を見込んでいる。長期的には、平成28年度に2億680万kW(供給予備率10.7%)の供給力を確保できるとしている。原子力については、平成28年度までに9基1,226.2万kWが運転開始し、原子力発電の合計は6,149万kWになると計画されている。
<更新年月>
2007年08月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 今般届け出られた平成19年度電力供給計画は、電力各社が至近の需要動向、電力自由化の動向、省エネルギーの進展、電源立地の状況、各種燃料の需要・価格等の動向や広域的な運営等を考慮し、策定したものである。
1.電力需要想定(一般電気事業者の電源対応需要)
 今回の供給計画の前提となった、平成28年度までの需要電力量、最大需要電力(注1)および年負荷率(注2)の見通しは、それぞれ次のとおりである(表1表2参照)。
(1)平成18年度推定実績および平成19年度見通し(短期)
イ.需要電力量
 平成18年度の需要電力量は、緩やかな景気の回復と海外経済の拡大等により内外需が増加したこと等から、8,929億kWh、対前年度伸び率は1.2%増(気温補正後(注3)2.1%増)となる見込みである。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、以下のとおりである。
・電灯については、前年度の強い寒気による全国的な低温による暖房需要の反動減はあるものの、住宅着工戸数の増加やオール電化住宅の普及などから、対前年度増減率は0.1%増(気温補正後1.8%増)となる見込みである。
・低圧電力については、中小企業における転廃業の動きに加え、一部の会社において割安な電灯料金メニューへの移行が見られることから、需要数および原単位とも前年度を割り込み、対前年度増減率は5.7%減(気温補正後2.7%減)となる見込みである。
 特定規模需要については、景気の緩やかな回復を背景にした設備投資や海外経済の拡大などによる内外需の増加も加わり高水準な生産が続いていることから、対前年度増減率は2.3%増(気温補正後2.8%増)となる見込みである。
 平成19年度の需要電力量は、個人消費や設備投資が引き続き増加し、緩やかな景気の回復が継続することが見込まれること等から、9,030億kWh、対前年度伸び率は1.1%増(気温・うるう補正後1.4%増)となる見込みである。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、以下のとおりである。
・電灯については、住宅着工戸数は前年並みの水準ではあるものの、オール電化住宅普及拡大などから、対前年度増減率は1.4%増(気温・うるう補正後2.0%増)となる見込みである。
・低圧電力については、新メニュー(電灯)への移行が一段落することから減少幅は縮小するものの、中小企業における転廃業による影響から、需要数、原単位については前年度を下回り、対前年度増減率は3.4%減(気温・うるう補正後1.3%減)となる見込みである。
 特定規模需要については、前年度の高水準の生産活動の反動から伸び率が鈍化するものの、引き続き民需主導の緩やかな景気回復が続くことなどから、対前年度増減率は1.4%増(気温・うるう補正後1.4%増)となる見込みである。
ロ.最大需要電力
 平成18年度の最大需要電力は、夏季の気温が西日本では概ね高めに推移したのに対し、東日本では一部の地域を除き高気温の日が連続しなかったため、冷房需要が伸び悩み、10社の合計値では、8月の1億7,022万kW、対前年度増減率は0.0%減(気温補正後1.6%増)となった。
 また、冬季の最大需要電力は、記録的な暖冬の影響で暖房需要が大幅に減少していることから、対前年度伸び率はマイナスとなる見込みである。
 平成19年度には、緩やかな景気の回復が継続することが見込まれることや、冷房需要の反動増等から、最大電力需要は1億7,466万kW、対前年度増減率は2.6%増(気温補正後1.8%増)となる見込みである。
ハ.年負荷率
 平成18年度の年負荷率は、夏季の最大需要電力が伸び悩んだことに加え、オール電化住宅等の普及拡大や高水準の生産活動の影響等により需要電力量が増加したことから、前年度比0.8ポイント増(気温補正後0.4ポイント増)の63.2%(気温補正後62.3%)となる見込みである。
 平成19度の年負荷率は、需要電力量の伸びの鈍化と夏季の最大需要電力の反動増等から、平成18年度から1.0ポイント減(気温補正後0.1ポイント減)の62.2%となる見込みである。
(2)平成28年度までの見通し(長期)
イ.需要電力量
 今後の需要電力量については、高齢化の進展、IT化の進展および電気の持つ利便性等に起因する電化率の上昇等が増加要因となるものの、人口の減少に加え、省エネルギーの進展等が減少要因となることから引き続き緩やかな伸びが予想される。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、以下のとおりである。
・電灯は、人口の減少による需要口数の増加率鈍化やトップランナー制度等による省エネ家電機器の普及増による原単位の伸び悩み等があるものの、デジタル関連の新型機器等の普及拡大やオール電化住宅の増加による電化率の上昇等が見込まれることから、平成17年度から平成28年度までの年平均伸び率は1.1%増(気温補正後1.4%増)となる見込みである。
・低圧電力は、省エネルギーの進展や割安な電灯料金メニューへの移行等が見込まれることから、平成17年度から平成28年度までの年平均伸び率は1.1%減(気温補正後0.6%減)となる見込みである。
 特定規模需要は、省エネルギーの進展や電力自由化による新規参入者との競争等が予想されるものの、サービス経済化・情報化の進展による需要増が見込まれることから、平成17年度から平成28年度までの年平均伸び率は0.8%増(気温補正後0.9%増)となる見込みである。
 以上の結果、特定規模需要以外の需要と特定規模需要を合計した需要電力量は、平成17年度の8,826億kWhから、平成23年度に9,265億kWh、平成28年度には9,634億kWhとなり、平成17年度から平成28年度までの年平均伸び率は0.8%増(気温補正後0.9%増)となる見込みである。
ロ.最大需要電力
 今後の最大需要電力については、冷房機器等の普及拡大、業務用電力の増加等の負荷率低下要因があるものの、省電力型機器の普及拡大とともに、蓄熱システムやオール電化住宅の普及拡大等による負荷平準化対策の推進等により、ピークシフト、ピークカット効果が表れるものと見込まれ、平成17年度の1億7,024万kWから、平成23年度に1億7,958万kW、平成28年度には1億8,681万kWとなり、平成17年度から平成28年度までの年平均伸び率は0.8%増(気温補正後0.9%増)となる見込みである。
ハ.年負荷率
 年負荷率については、省電力型機器や蓄熱システムの普及拡大等による負荷平準化対策効果等が見込まれるものの、負荷率の低い電力需要の割合が増加していくと想定されることから、平成17年度の62.4%(気温補正後61.9%)から、平成28年度において62.2%となる見込みである。
(注1):最大3日平均電力(送電端)として表記。
(注2):最大需要電力に対する年平均需要電力の比率。
(注3):猛暑(冷夏)、厳冬(暖冬)による冷暖房機器等の稼動増減の影響を除くことにより、平年気温ベースの実態需要の把握するために行うもの。
2.供給力の確保
(1)需給バランス
 電力は、需要に応じ安定的に供給する必要があり、かつ、貯蔵することができないという特性を有しているため、常に最大需要電力の増加に対応し得るよう電源設備を計画的に開発していく必要がある。これらに対応するためには、定期検査水力発電の出力減少等を控除した上で、異常高気温、景気変動等の予期し得ない事態が発生した場合においても電力を安定的に供給することができるように、想定された最大需要電力に対して一定の予備力を加えた供給力を確保する必要がある(表3参照)。
イ.平成18年度需給実績および平成19年度需給バランス(短期)
 平成18年度の最大需要電力は、夏季の気温が西日本では概ね高めに推移したのに対し、東日本では一部の地域を除き高気温の日が連続しなかったため、冷房需要が伸び悩み、10社の合計値では、8月の1億7,022万kW、対前年度増減率は0.0%減(気温補正後1.6%増)となった。
 一方、供給力については、一部に計画外停止があったものの、その他の電源設備がおおむね安定して運転されるとともに、新規の電源が計画通りに運転を開始したこと等から、1億9,262万kWの供給力を確保し、供給予備率は13.2%であった。
 平成19年度は、最大需要電力は1億7,466万kWと見込まれるのに対し、供給力は、新設電源等の供給力増加対策を着実に推進すること等により、平成18年度実績に比べ83万kW増の1億9,345万kWを確保し、供給予備率は10.8%となる見込みである。
ロ.平成28年度までの需給バランス(長期)
 長期的にも、電源開発計画の着実な推進および供給力の適切な調達により、平成23年度には1億9,875万kW、平成28年度には2億680万kWの供給力を確保する計画となっている。その結果、最大需要電力に対して、平成23年度で10.7%、平成28年度で10.7%の供給予備率を有しており、安定供給が確保できる計画となっている。
 具体的な電源開発計画は、建設中の28基1,960万kWおよび着工準備中の46基2,464万kWが計画されている(表4)。また、平成19年度には約215万kWが新たに着工し、約80万kWが運転開始する計画となっている。
(2)電源構成の多様化
 本供給計画が実現した場合の平成28年度末の発電設備の電源構成および発電電力量の電源構成は各々、表5図1、および表6図2に示すとおりである。
 電源構成については、基幹電源として原子力の開発を推進するとともに、電源の多様化の観点から、原子力に加え、石炭火力、LNG火力、水力(一般および揚水)等についてバランスのとれた開発を計画している。特に、地球温暖化対策の観点から、燃料転換によりCO2排出原単位の小さい燃料選択を推進することとしている他、石炭火力、LNG火力については、地球環境問題への対応および省エネルギーの推進の観点から、高効率発電方式を採用し発電効率の向上に努めることとしている。また、国産エネルギーである一般水力・新エネルギーについても、着実な開発・導入を進めることとしている。
(3)原子力発電所の開発計画
 平成28年度(2016年度)までに9基(約1,226.2万kW)が運転開始し、同年度末合計で63基(注5)(約6,149万kW)になると計画されている。また、平成29年度以降に運転開始する地点を含めると13基(約1,723万kW)、合計67基(約6,645万kW)となる。電気事業者の原子力発電所開発計画は表7のとおり。
(注5):運転中の55基(平成19年3月30日現在)のうち、日本原子力発電(株)敦賀1号機については、平成22年12月に運転を終了する予定。
<図/表>
表1 用途別需要電カ量見通し(一般電気事業者の電源対応需要:短期)
表2 用途別需要電カ量見通し(一般電気事業者の電源対応需要:長期)
表3 今後の需給バランス(8月需給バランス、送電端)
表4 電源開発計画(総括表)
表5 発電設備構成の推移(一般電気事業用、発電端)
表6 発電電力量構成の推移(一般電気事業用、発電端)
表7 原子力発電所開発計画
図1 発電設備構成の推移(一般電気事業用、発電端)
図2 発電電力量構成の推移(一般電気事業用、発電端)

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<関連タイトル>
日本の発電電力量と2010年度までの電力供給目標(1994年6月) (01-04-01-01)
各種電源の特徴と位置づけ(1995年度末) (01-04-01-02)
電源別耐用年発電原価試算(1992年度運転開始ベースでの通商産業省の試算) (01-04-01-03)
電力需要の変遷と需要構造 (01-09-05-03)
平成18年度電力供給計画 (01-09-05-23)
長期エネルギー需給見通し(2001年7月・総合資源エネルギー調査会) (01-09-09-06)

<参考文献>
(1)経済産業省資源エネルギー庁:平成19年度電力供給計画の概要について(平成19年3月30日)
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