<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> エネルギー政策
<小項目> 電力政策
<タイトル>
平成18年度電力供給計画 (01-09-05-23)

<概要>
 一般電気事業者10社および卸電気事業者2社は、電気事業法第29条に基づき、今後10年間の電気の供給並びに電気工作物の設置および運用に関する計画(供給計画)を経済産業大臣に届け出ると定められている。「平成18年度電力供給計画の概要」は、各事業者から届け出られたこれらの供給計画を資源エネルギー庁で取りまとめたものである。
 平成18年度電力供給計画の概要によれば、平成18年度の需要電力量を8,697億kWhと見込み、最大電力1億7,256万kWに対し供給力1億9,487万kW(供給予備率12.9%)を見込んでいる。長期的には、平成27年度に2億763万kW(供給予備率11.1%)の供給力を確保できるとしている。原子力については、平成27年度までに9基1,226万kWが運転開始し、原子力発電の合計は6,149万kWになると計画されている。
<更新年月>
2006年09月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 今般届け出られた平成18年度電力供給計画は、電力各社が至近の需要動向、電力自由化の動向、省エネルギーの進展、電源立地の状況、各種燃料の需要・価格等の動向や広域的な運営等を考慮し、策定したものである。
1.電力需要想定(一般電気事業者の電源対応需要)
 今回の供給計画の前提となった、平成27年度までの需要電力量、最大需要電力(注1)および年負荷率(注2)の見通しは、それぞれ次のとおりである。(表1表2参照)
(1)平成17年度推定実績および平成18年度見通し(短期)
イ.需要電力量
 平成17年度の需要電力量は、それまでの輸出・生産等に見られた弱い動きを脱し、景気は緩やかな回復を続けていること、また冬季において全国的に記録的な低温となったため、暖房需要が大幅に増加したこと等から、8,708億kWh、対前年度伸び率は0.6%増(気温補正後(注3)0.7%増)となる見込みである。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、以下のとおりである。
・電灯については、需要数の伸びの鈍化や省エネルギー機器の普及による影響があるものの、雇用・所得環境の緩やかな回復、オール電化住宅の普及拡大および冬季における記録的な低温による暖房需要の大幅な増加の影響等により、対前年度伸び率は1.4%増(気温補正後1.6%増)となる見込みである。
・低圧電力については、中小企業の転廃業に加え、割安な電灯料金メニューへの移行が見られることから、需要数、原単位(注4)とも前年度を割り込み、対前年度伸び率は4.3%減(気温補正後4.5%減)となる見込みである。
 特定規模需要については、緩やかな景気の回復により、業務用需要・産業用需要ともに堅調に推移し、対前年度伸び率は0.7%増(気温補正後0.7%増)となる見込みである。
 平成18年度の需要電力量は、個人消費や設備投資が引き続き増加し、緩やかな経済の回復が継続することが見込まれるものの、前年度の記録的な低温の影響による暖房需要の反動減等から、8,697億kWh、対前年度伸び率は0.1%減(気温補正後0.8%増)となる見通しである。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、以下のとおりである。
・電灯については、前年度の記録的な低温の影響による暖房需要の反動減が見込まれものの、前年に続いて個人消費が緩やかな回復基調で推移し、オール電化住宅の増加等が見込まれることから、対前年度伸び率は0.4%増(気温補正後1.8%増)となる見通しである。
・低圧電力については、中小企業の転廃業や電灯料金メニューへの移行の影響が継続することから、需要数の減少が見込まれ、対前年度伸び率は5.7%減(気温補正後1.7%減)となる見通しである。
 特定規模需要については、緩やかな経済の回復が継続することが見込まれることから、対前年度伸び率は0.1%増(気温補正後0.6%増)となる見通しである。
ロ.最大需要電力
 平成17年度の最大需要電力は、夏季の平均気温は平年を上回ったものの、特に暑い日が続かなかったため、最大需要電力の過去最大の記録を更新したのは、東北電力1社のみだった。一方、冬季における記録的な低温による暖房需要の大幅な増加の影響等により、北海道電力で最大需要電力の過去最大の記録を更新し、電力会社3社で日電力量の過去最大の記録を更新した。10社の合計値では、8月に1億7,024万kW、対前年度伸び率は0.9%減(気温補正後0.9%減)となった。
 平成18年度には、引き続き経済の緩やかな回復基調が見込まれ、最大需要電力は、1億7,256万kW、対前年度伸び率は1.4%増(気温補正後2.2%増)となる見込みである。
ハ.年負荷率
 平成17年度の年負荷率は、夏季の最大需要電力が伸びなかったこと、冬季における記録的な低温の影響による暖房需要の増加やオール電化住宅等の普及により消費電力量が増加したこと等により、61.7%(気温補正後61.5%)と猛暑だった前年度と比べて1.0ポイント増(気温補正後1.0ポイント増)となる見通しである。
 平成18度の年負荷率は、前年度の冬季における記録的な低温の影響による暖房需要の反動減等から60.8%と平成17年度から0.9ポイント減(気温補正後0.7ポイント減)となる見込みである。
(2)平成27年度までの見通し(長期)
イ.需要電力量
 今後の需要電力量については、高齢化の進展、IT化の進展および電気の持つ利便性等に起因する電化率の上昇等が増加要因となる一方で、人口が減少に転じたことや省エネルギーの進展等が減少要因となることから増勢の鈍化が予想される。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、以下のとおりである。
・電灯は、アメニティー指向の高まりによる新型機器の普及拡大等の増加要因はあるものの、人口の減少や家電機器の省エネルギー化等による減少要因を織り込んだ結果、平成16年度から平成27年度までの年平均伸び率は1.2%増(気温補正後1.4%増)となる見通しである。
・低圧電力は、省エネルギーの進展や割安な電灯料金メニューへの移行等が見込まれることから、平成16年度から平成27年度までの年平均伸び率は1.0%減(気温補正後0.6%減)となる見通しである。
 特定規模需要は、サービス産業等の拡大に伴う業務床ビル面積の増加による需要増が見込まれるものの、省エネルギーの進展や電力自由化による新規参入者との競争が予想されること等から、平成16年度から平成27年度までの年平均伸び率は0.7%増(気温補正後0.7%増)となる見通しである。
 以上の結果、特定規模需要以外の需要と特定規模需要を合計した需要電力量は、民生用需要の比較的安定した伸びを中心に、平成16年度の8,654億kWhから、平成22年度には8,982億kWh、平成27年度には9,430億kWhとなり、平成16年度から平成27年度までの年平均伸び率は0.8%増(気温補正後0.9%増)となる見通しである。
ロ.最大需要電力
 今後の最大需要電力については、サービス産業等の拡大に伴う業務床ビル面積の増加による需要増が見込まれるものの、省電力型機器や蓄熱システムの普及拡大等による負荷平準化対策の推進により、ピークシフト、ピークカット効果が表れるものと見込まれ、平成16年度の1億7,182万kWから、平成22年度に1億7,812万kW、平成27年度には1億8,690万kWとなり、平成16年度から平成27年度までの年平均伸び率は0.8%増(気温補正後0.8%増)となる見込みである。
ハ.年負荷率
 年負荷率については、省電力型機器やシステムの普及拡大等による負荷平準化対策効果等を反映し、緩やかな改善基調を辿り、平成16年度の60.5%(気温補正後)から、平成27年度において60.9%となる見込みである。
(注1):最大3日平均電力(送電端)として表記。
(注2):最大需要電力に対する年平均需要電力の比率。
(注3):猛暑(冷夏)、厳冬(暖冬)による冷暖房機器等の稼動増減の影響を除くことにより、平年気温ベースの実態需要の把握するために行うもの。
(注4):契約電力当たりの使用電力量
2.供給力の確保
(1)需給バランス
 電力は、需要に応じ安定的に供給する必要があり、かつ、貯蔵することができないため、常に最大需要電力の増加に対応し得るよう電源設備を計画的に開発していく必要がある。電源設備の開発に当たっては、認可出力から定期検査、水力発電の出力減少等を控除した上で、異常高気温、景気変動等の予期し得ない事態が発生した場合においても電力を安定的に供給することができるように、想定された最大需要電力に対して一定の予備力を加えた供給力を確保する必要がある。(表3参照)
イ.平成17年度需給実績および平成18年度需給バランス(短期)
 平成17年度は、太平洋高気圧の勢力は平年に比べてやや強い程度だったものの、熱帯の海面水温が高く全球的に対流活動が活発だったため、夏の平均気温は全国的に高く、真夏日日数(日最高気温30℃以上)は、ほぼ全国的に平年を上回った。
 また、需給バランス考慮する際の需要側となる最大需用電力は1億7,024万kW(平成17年8月)となり、特に暑い日が続かなかったため、平成16年度に比べ0.9%減となった。一方、供給力については、一部に計画外停止があったものの、その他の電源設備がおおむね安定して運転されるとともに、新規の電源が計画通りに運転を開始したこと等から、1億9,372万kWの供給力を確保し、供給予備率は13.8%であった。
 平成18年度は、最大需要電力は1億7,256万kWと見込まれるのに対し、供給力は、新増設電源等の供給力増加対策を着実に推進すること等により、平成17年度実績に比べ115万kW増の1億9,487万kWを確保し、供給予備率は12.9%となる見込みである。
ロ.平成27年度までの需給バランス(長期)
 長期的にも、電源開発計画の着実な推進および供給力の適切な調達により、平成22年度には1億9,735万kW、平成27年度には2億763万kWの供給力を確保する計画となっている。その結果、最大需要電力に対して、平成22年度で10.8%、平成27年度で11.1%の供給予備率を有しており、安定供給が確保できる計画となっている。
 具体的な電源開発計画は、建設中の24地点1,646万kWおよび着工準備中の53地点2,816万kWが計画されている(表4)。また、平成18年度には508万kWが新たに着工し、約84万kWが運転開始する計画となっている。
(2)電源構成の多様化
 本供給計画が実現した場合の平成27年度末の発電設備の電源構成および発電電力量の電源構成は各々、表5図1、および表6図2に示すとおりである。
 電源構成については、非化石エネルギーの中核として原子力の開発を推進するとともに、電源の多様化の観点から、原子力に加え、石炭火力、LNG火力、水力(一般および揚水)等についてバランスのとれた開発を計画している。特に、地球温暖化対策の観点から、燃料転換によりCO2排出原単位の小さい燃料選択を推進することとしている他、石炭火力、LNG火力については、地球環境問題への対応および省エネルギーの推進の観点から、高効率発電方式を採用し発電効率の向上に努めることとしている。また、国産エネルギーである一般水力・新エネルギーについても、着実な開発・導入を進めることとしている。
(3)原子力発電所の開発計画
 平成27年度(2015年度)までに9基1,226万kWが運転開始し、同年度末合計で63基(注5)(6,149万kW)になると計画されている。また、平成27年度以降に運転開始する地点を含めると13基(約1,723万kW)、合計67基(約6,645万kW)となる。電気事業者の原子力発電所開発計画は表7のとおり。
 (注5):運転中の55基(平成17年3月30日現在)のうち、日本原子力発電(株)敦賀1号機については、平成22年12月に運転を終了する予定。
<図/表>
表1 用途別需要電カ量見通し(一般電気事業者の電源対応需要:短期)
表2 用途別需要電カ量見通し(一般電気事業者の電源対応需要:長期)
表3 今後の需給バランス(8月需給バランス、送電端)
表4 電源開発計画(総括表)
表5 発電設備構成の推移(一般電気事業用、発電端)
表6 発電電力量構成の推移(一般電気事業用、発電端)
表7 原子力発電所開発計画
図1 発電設備構成の推移(一般電気事業用、発電端)
図2 発電電力量構成の推移(一般電気事業用、発電端)

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<関連タイトル>
日本の発電電力量と2010年度までの電力供給目標(1994年6月) (01-04-01-01)
各種電源の特徴と位置づけ(1995年度末) (01-04-01-02)
電源別耐用年発電原価試算(1992年度運転開始ベースでの通商産業省の試算) (01-04-01-03)
電力需要の変遷と需要構造 (01-09-05-03)
平成17年度電力供給計画 (01-09-05-22)
長期エネルギー需給見通し(2001年7月・総合資源エネルギー調査会) (01-09-09-06)

<参考文献>
(1)経済産業省 資源エネルギー庁:平成18年度電力供給計画の概要(平成18年3月30日)
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