原子力発電

原子力発電 げんしりょくはつでん

 nuclear power generation. 原子炉内で燃料中のウラン、プルトニウムの核分裂によって生成する熱エネルギーで高圧水蒸気を発生させ、タービン発電機を駆動して行う発電。原子炉のタイプとしては燃料に濃縮ウラン(またはMOX燃料)を用いる軽水炉が最も一般的であるが、天然ウランを用いる重水減速・軽水冷却炉、黒鉛減速・ガス冷却炉などもある。火力発電と比べた場合の原子力発電の長所は、発電電力量当たりで使用する燃料が少なく燃料備蓄が容易であること、運転中に二酸化炭素等の温室効果ガス、その他大気汚染物質を出さないこと、燃料資源の供給安定性が高く、また燃料費の比率が小さいために価格高騰の影響が小さいこと、高速増殖炉の実用化でウラン資源の有効利用を行えば、資源的な制約から事実上解放されることなどが挙げられる。他方、原子力発電の短所としては、小規模な発電所の場合には経済性の確保が難しいこと、需要の変動に応じた運転(負荷追従運転)を行うと設備利用率が低下するため経済性が悪くなること、放射性廃棄物の長期にわたる管理を必要とすること等が挙げられる。


<登録年月> 2010年09月

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