<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> 日本の二次エネルギー
<小項目> 電力
<タイトル>
日本の発電電力量と2010年度までの電力供給目標(1994年6月) (01-04-01-01)

<概要>
 電力の有するクリーン性、安全性、利便性等の優れた特性から、電力の安全供給は戦後の日本の経済発展を支える原動力としての役割を果たしてきた。1993年度の年間発電電力量は、4,060億kWhで、1992年度の電力化率は39%に達している。電気事業審議会需給部会(当時)は、1994年6月に、2000年度および2010年度における長期電力需給見通しについて中間報告をまとめた。報告では、発電電力量については、2000年および2010年で、それぞれ3,080億kWh、4,780億kWhが見込まれるとしている。
<更新年月>
1998年03月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
1.電力需要の推移と発電電力量
 わが国では、戦後の経済の高度成長に対応して電力需要が急速に増大するなかで、これまで安定的な電気の供給により、電力は経済発展を支える原動力としての役割を果たしてきた。 図1 に日本の一次エネルギー供給実績を、 図2 に電力需要の推移と見通しを示す。過去のエネルギー供給実績および電力需要の推移をみると、経済成長を反映して需要が増大してきたのみならず、電力の有するクリーン性、安全性、利便性等の優れた特性を反映して、エネルギー供給に占める電力供給の位置付けは増大してきており、 図3 に示すとおり電力化率(一次エネルギー供給に占める電力の割合)は、1970年度に26%であったものが、1992年度には39%まで上昇した。これにより、電気事業者による年間発電電力量は、 図4 に示すとおり1973年度の4,060億kWhから1993年度の7,957億kWhへと大幅に増加した。こうした需要増大への対応と同時に、わが国は1973年(昭和48年)と1979年(昭和54年)の二度の石油危機を経て、電力の長期安定供給を確保するための基盤整備として石油代替エネルギーへの転換に努めてきた。これにより、電気事業の石油依存度は1973年度の71%から1992年度の28%へと低下してきた。一方、国民生活を支える基礎的エネルギー供給として、送配電ネットワークが全国津々浦々にまで整備され、全国のどこでも電力供給サービスをほぼ同等のレベルで受けられるようになった。また、停電時間の短縮や周波数の安定という点でも世界最高の水準を達成してきた。
 1951年(昭和26年)度から1993年(平成5年)度までの主要電源についての年間発電電力量の推移および1965年(昭和40年)度から1993年(平成5年)度までの年間発電電力量の推移を、それぞれ 表1表2 および図1図4に示す。また、発電電力量に占める石油火力の割合の推移を 図5 に示す。戦後増加した電力需要に対応し、1950年代前半までは大規模水力発電が中心である。1950年代後半からは高能率大容量火力発電が徐々に主流を占め、1960年代にかけては水主火從から火主水從となり、さらに炭主油從から油主炭從へと大きく変化している。1973年(昭和48年)の第一次石油危機により、発電用燃料の供給不足と高価格化によって、原子力、石炭火力、LNG火力、水力、地熱など、電源の多様化が進んだ。1993年(平成5年)度には、水力発電が12.3%、火力発電が56.5%(石油が19.1%、石炭が12.0%、LNGが22.2%、その他が3.2%)、原子力が31.2%となっている。
2.2010年までの電力供給目標
 電気事業審議会需給部会(当時)では、総合エネルギー調査会需給部会(現総合資源エネルギー調査会需給部会)における長期エネルギー需給見通しの検証作業に合わせ、1990年6月に策定した「2000年度および2010年度における長期電力の需給見通し」の見直しを行い、1994年(平成6年)6月に中間報告をまとめた。この報告によれば、今後の電力需要の動向を見通すと、短期的な景気変動による影響はあるものの、長期的には着実に増加することが見込まれることから、今後とも、供給力の確保へ向けた努力が引き続き必要であるとしている。 表3 に中間報告での2010年まで電力供給目標を示す。
 電力供給目標によれば、発電電力量については、2000年度末に9,460億kWh、2010年度末に11,330億kWhを目標にしている。発電電力量の構成比は原子力の比重が高く、2000年度末で33%で、3,080億kWhになり、2010年度末で42%で4,780億kWhとなる。再生可能なエネルギーについては、一般水力発電は2000年度末で8%で、800億kWh、2010年度末で9%で、990億kWhであり、開発すべき電源が少なくなっていることが分かる。新エネルギー(廃棄物、太陽光、風力)は、2000年度末で0.1%、10億kWh、2010年度末で0.4%になり、50億kWhとしている。
<図/表>
表1 年間発電電力量の推移(電気事業用、1951年〜1975年)
表2 年間発電電力量の推移(電気事業用、1965年〜1993年)
表3 電力供給目標(発電電力量)
図1 日本の一次エネルギー供給実績
図2 電力需要の推移及び見通し
図3 電力化率の推移
図4 年間発電電力量の推移(電気事業用)
図5 発電電力量に占める石油火力の割合

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<関連タイトル>
各種電源の特徴と位置づけ(1995年度末) (01-04-01-02)
平成8年度電力供給計画(「電源開発の概要」から) (01-09-05-01)
電力需要の変遷と需要構造 (01-09-05-03)
電源別耐用年発電原価試算(1992年度運転開始ベースでの通商産業省の試算) (01-04-01-03)

<参考文献>
(1)資源エネルギー庁(監修):電力産業のリエンジニアリング−競争の時代へ向けて−、電気事業審議会需給部会中間報告、株式会社電力新報社(1994年9月)
(2)通商産業省資源エネルギー庁公益事業部(監修)、電気事業連合会統計委員会(編):平成6年版電気事業便覧、(社)日本電気協会(1994年9月)
(3)資源エネルギー庁(監修):1995/96年版資源エネルギー年鑑、(株)通産資料調査会(1995年2月)
(4)資源エネルギー庁長官官房企画調査課(編):総合エネルギー統計(平成5年度版)通商産業研究社(1994年3月)
(5)通商産業省資源エネルギー庁公益事業部(編):電源開発の概要−その計画と基礎資料−、奥村印刷(株)(1994年9月)
(6)科学技術庁原子力局(監修):原子力ポケットブック1994年版、(社)日本原子力産業会議(1994年3月)
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