<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> エネルギー政策
<小項目> 電力政策
<タイトル>
平成17年度電力供給計画 (01-09-05-22)

<概要>
 電気事業法第29条に基づき、一般電気事業者10社及び卸電気事業者2社は、今後10年間の電気の供給並びに電気工作物の設置及び運用に関する計画(供給計画)を届け出ることになっている。平成17年度電力供給計画の概要は、各事業者から届け出られたこれらの供給計画を資源エネルギー庁で取りまとめたものである。
平成17年度電力供給計画の概要によれば、平成17年度の需要電力量を8541億kWhと見込み、最大電力1億7250万kWに対し供給力1億9450万kW(供給予備率12.8%)を見込んでいる。長期的には、平成26年度に2億1016万kW(供給予備率11.1%)の供給力を確保できるとしている。原子力については、平成26年度までに11基1472万kWが運転開始し、原子力発電の合計は6148.5万kWになると計画されている。
<更新年月>
2005年07月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 今般届け出られた平成17年度供給計画は、電力各社が至近の需要動向、電力自由化の動向、省エネルギーの動向、電源立地の動向、各種燃料の需要・価格動向、広域的な運営等を考慮し、策定したものである。
1.電力需要想定(一般電気事業者の電源対応需要)
 今回の供給計画の前提となった、平成26年度までの需要電力量、最大需要電力(本概要において「最大需要電力」は「最大3日平均電力」のこと。)及び年負荷率の見通しは、それぞれ次のとおりである。
 なお、平成15年度以降の実績は節電の影響等により、最大需要電力の水準が低く算出されている可能性がある。このため、今後、節電の影響や省エネ法改正等の省エネ対策の効果を注視し分析していくことが必要と考えられる。
(1)平成16年度推定実績および平成17年度見通し(短期)
イ.需要電力量
 平成16年度の需要電力量は、生産や設備投資の増加等、緩やかな経済の回復に加え、猛暑の影響による冷房需要の増加等から8,606億kWh、対前年度伸び率は3.2%増(気温・閏補正後1.5%増)の伸びとなる見込みである(表1)。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、以下のとおりである。
・電灯については、需要数の伸びの鈍化や省エネルギー機器の普及による影響があるものの、猛暑の影響による冷房需要の増加や個人消費の増加等から、対前年度伸び率は4.6%増(気温・閏補正後1.4%増)の伸びとなる見込みである。
・低圧電力については、猛暑の影響による冷房需要の増加はあるものの、需要数の減少等から、対前年度伸び率は5.1%増(気温・閏補正後1.0%減)となる見込みである。
 特定規模需要については、緩やかな経済の回復に加え、猛暑の影響による一部業種の生産増の影響等から、業務用需要・産業用需要ともに堅調に推移し、対前年度伸び率は2.5%増(気温・閏補正後1.9%増)の伸びとなる見込みである。
 平成17年度の需要電力量は、生産や設備投資が引き続き増加すること等を背景に、緩やかな経済の回復が継続することが見込まれるものの、前年度の猛暑の影響による冷房需要の反動減や一部業種の生産の反動減等から8,541億kWh、対前年度伸び率は0.8%減(気温補正後0.5%増)となる見込みである。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、以下のとおりである。
・電灯については、住宅着工戸数が低水準で推移することから需要数の伸びが低調と見込まれることに加え、前年の猛暑の影響による冷房需要の反動減も見込まれるものの、個人消費が引き続き増加すること等から、対前年度伸び率は0.0%(気温補正後2.1%増)となる見込みである。
・低圧電力については、需要数の減少や前年の猛暑の影響による冷房需要の反動減等から、対前年度伸び率は5.9%減(気温補正後1.4%減)となる見込みである。
 特定規模需要については、緩やかな経済の回復が継続することが見込まれるものの、前年度の猛暑の影響による一部業種の生産の反動減等から、産業用需要の減少が見込まれ、対前年度伸び率は0.7%減(気温補正後0.1%減)となる見込みである。
ロ.最大需要電力
 平成16年度の最大需要電力(夏季におけるピーク電力)は、夏季の最高気温が平年に比べ大きく上回る猛暑の影響により冷房需要が増加し、電力会社4社で日量の過去最大の記録を更新したものの、最大需要電力の過去最大の記録は更新しなかった。この要因としてはエアコンや冷蔵庫等の省電力型機器の普及増や負荷平準化を目的とした多様な料金メニューの効果が寄与したこと等が考えられる。合成値では1億7,182万kWと、対前年度伸び率は4.8%増(気温補正後2.0%増)の伸びとなった。
 平成17年度の最大需要電力は、引き続き経済の緩やかな回復基調が見込まれるものの、前年度の猛暑の影響による冷房需要の反動減や一部業種の生産の反動減等から、1億7,250万kWと、対前年度伸び率は0.4%増(気温補正後1.2%増)の伸びとなる見込みである。
ハ.年負荷率
 平成16年度の年負荷率は、夏季の猛暑の影響等により60.3%(気温補正後59.9%)と冷夏だった前年度と比べて0.9ポイント減(気温・閏補正後0.6ポイント減)となる見込みである。
 平成17年度の年負荷率は、産業用需要の減少の影響等から59.7%と平成16年度から0.6ポイント減(気温補正後0.2ポイント減)となる見込みである(表1)。
(注:年負荷率とは、最大需要電力に対する年平均需要電力の比率をいう。)
(2)平成26年度までの見通し(長期)
イ.需要電力量
今後の需要電力量については、高齢化の進展、IT化の進展及び電気の持つ利便性等に起因する電力化率の上昇等が増加要因となる一方で、平成18年頃をピークに人口が減少に転じることや省エネルギーの進展等が減少要因となることから増勢の鈍化が予想される。
特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、以下のとおりである。
・電灯は、冷暖房兼用エアコン等の空調機器や温水洗浄便座等の機器の普及拡大、冷蔵庫・テレビ等の大型化等の増加要因に、家電機器の省電力化の着実な進展、人口の減少等による減少要因を織り込んだ結果、平成15年度から平成26年度までの年平均伸び率は1.5%増(気温・閏補正後1.5%増)の伸びとなる見込みである(表2参照)。
・低圧電力は、省エネルギーの進展や電灯契約への移行等が見込まれることから、平成15年度から平成26年度までの年平均伸び率は0.1%減(気温・閏補正後0.3%減)となる見込みである。
 特定規模需要は、サービス産業等の拡大に伴う業務床ビル面積の増加による需要増が見込まれるものの、省エネルギーの進展や電力自由化による新規参入者との競争が予想されること等から、平成15年度から平成26年度までの年平均伸び率は0.9%増(気温・閏補正後0.9%増)の伸びとなる見込みである。
 以上の結果、特定規模需要以外の需要と特定規模需要を合計した需要電力量は、民生用需要の比較的安定した伸びを中心に、平成15年度の8,343億kWhから、平成21年度には8,888億kWh、平成26年度には9,374億kWhとなり、平成15年度から平成26年度までの年平均伸び率は1.1%増(気温・閏補正後1.0%増)の伸びとなる見込みである。
ロ.最大需要電力
 最大需要電力は、これまでの冷房機器の普及拡大に伴う夏季需要の増加により堅調な伸びを示してきている。
 今後の最大需要電力については、サービス産業等の拡大に伴う業務床ビル面積の増加による需要増が見込まれるものの、省電力型機器や蓄熱システムの普及拡大等による負荷平準化対策の推進により、ピークシフト、ピークカット効果が表れるものと見込まれ、平成15年度の1億6,398万kWから、平成21年度に1億7,964万kW、平成26年度には1億8,920万kWとなり、平成15年度から平成26年度までの年平均伸び率は1.3%増(気温補正後1.1%増)の伸びとなる見込みである。
ハ.年負荷率
 年負荷率については、至近の産業用需要の伸びや負荷平準化対策効果等を反映し、緩やかな改善基調を辿り、平成26年度における負荷率は59.8%となる見込み。(平成16年度供給計画では、平成25年度の負荷率は59.1%)
2.供給力の確保
(1)需給バランス
 電力は、需要に応じ安定的に供給する必要があり、かつ、貯蔵することができないという特性を有しているため、常に最大需要電力の増加に対応し得るよう電源設備を計画的に開発していく必要がある。電源設備の開発に当たっては、認可出力から定期検査、水力発電の出力減少等を控除した上で、異常高気温、景気変動等の予期し得ない事態が発生した場合においても電力を安定的に供給することができるように、想定された最大需要電力に対して一定の予備力を加えた供給力を確保する必要がある(表3)。
イ.平成16年度需給実績及び平成17年度需給バランス(短期)
平成16年度は、太平洋高気圧の勢力が日本付近で強く、オホーツク海高気圧も出現しなかったため、北日本から西日本にかけて高気圧に覆われる日が多く高温となった。7月後半は暑さが特に厳しく、東京や甲府等で最高気温の最高値を更新したが、最大電力の記録を更新した地域はなかった。また、平成16年度における10社合成最大電力(発電端)は7月20日の1億7,430万kWであった。
 また、需給バランスを考慮する際の需要側となる最大3日平均電力(送電端)は10社計で1億7,182万kW(平成16年度は7月)となり、平成15年度に比べて4.8%増となった。一方、供給力については、一部に計画外停止があったものの、その他の電源設備がおおむね安定して運転されるとともに、新規の電源が計画通りに運転を開始したこと等から、1億9,409万kWの供給力を確保し、供給予備率は10社計で13.0%であった。
平成17年度は、最大需要電力(最大3日平均電力・送電端)が10社合計で1億7,250万kWと見込まれるのに対し、供給力は、新増設電源等の供給力増加対策を着実に推進すること等により、平成16年度実績に比べ41万kW増の1億9,450万kWを確保し、供給予備率は10社計で12.8%となる見込みである。
ロ.平成26年度までの需給バランス(長期)
 長期的にも、今後10年間の電源の開発及び供給力の適切な調達により、平成21年度には1億9,768万kW、平成26年度には2億1,016万kWの供給力を確保する計画となっている。その結果、最大需要電力に対して、平成21年度で10.0%、平成26年度で11.1%の予備率を有しており、安定供給が確保できる計画となっている(表4)。
 具体的な発電設備は、平成17年3月末現在運転中の2億3,755万kWに加え、建設中の24基1,826万kW及び着工準備中の47基2,873万kWが計画されている。また、平成17年度には345万kWが新たに着工し、294万kWが運転開始する計画である。
(2)電源構成の多様化
 本供給計画が実現した場合の平成26年度末の発電設備の構成は表4および図1、発電電力量の構成は表5および図2に示すとおりである。
 電源構成については、非化石エネルギーの中核として原子力の開発を推進するとともに、電源の多様化の観点から、原子力に加え、石炭火力、LNG火力、水力(一般及び揚水)等についてバランスのとれた開発を計画している。特に、地球環境問題への対応の観点から、燃料転換によりCO2排出原単位の小さい燃料選択を推進することとしている他、一般水力・新エネルギーについても、着実な開発・導入を進めることとしている。
(3)原子力発電所の開発計画
 平成26年度(2014年度)までに11基1,472万kWが運転開始し、同年度末合計で6,148.5万kWになると計画されている。平成27年度以降に運転開始する地点も含め、全体の原子力発電所開発計画は表6のとおり。
<図/表>
表1 用途別需要電カ量見通し(一般電気事業者の電源対応需要:短期)
表2 用途別需要電カ量見通し(一般電気事業者の電源対応需要:長期)
表3 今後の需給バランス(8月需給バランス、送電端)
表4 発電設備構成の推移(一般電気事業用、発電端)
表5 発電電力量構成の推移(一般電気事業用、発電端)
表6 平成17年度電力供給計画における原子力発電所開発計画
図1 発電設備構成の推移(一般電気事業用、発電端)
図2 発電電力量構成の推移(一般電気事業用、発電端)

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<関連タイトル>
各種電源の特徴と位置づけ(1995年度末) (01-04-01-02)
電源別耐用年発電原価試算(1992年度運転開始ベースでの通商産業省の試算) (01-04-01-03)
電力需要の変遷と需要構造 (01-09-05-03)
平成16年度電力供給計画 (01-09-05-21)
日本の発電電力量と2010年度までの電力供給目標(1994年6月) (01-04-01-01)
長期エネルギー需給見通し(2001年7月・総合資源エネルギー調査会) (01-09-09-06)

<参考文献>
(1)経済産業省:平成17年度電力供給計画の概要について(2005年3月31日)

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