<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> エネルギー政策
<小項目> 電力政策
<タイトル>
平成16年度電力供給計画 (01-09-05-21)

<概要>
 電気事業法第29条の規定に基づき、毎年3月末までに、一般電気事業者10社及び卸電気事業者3社が、今後10年間の電力需要の見通し、発電所の建設計画等を作成し、電力供給計画として経済産業大臣に届け出ることになっている。平成16年度電力供給計画の概要は、各事業者から届け出られたこれらの供給計画を資源エネルギー庁で取りまとめたものである。
 平成16年度電力供給計画の概要によれば、平成16年度の需要電力量を8407億kWhと見込み、最大電力1億7264万kWに対し供給力1億9670万kW(供給予備率12.2%)を見込んでいる。長期的には、平成25年度に2億1208万kW(供給予備率10.2%)の供給力を確保できるとしている。原子力については、平成25年度までに11基1456.2万kWが運転開始し、原子力発電の合計は5995万kWになると計画されている。
<更新年月>
2004年06月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
1.はじめに
 電力供給計画は、電気事業法第29条に基づき、毎年3月末までに、一般電気事業者10社及び卸電気事業者2社から、経済産業大臣に届出が行われるものであり、今般届け出られた平成16年度供給計画は、電力各社が至近の需要動向、省エネルギーの動向、電源立地の動向、各種燃料の需要・価格動向、広域的な運営等を考慮し、策定したものである。「平成16年度電力供給計画の概要」は、各事業者から届け出られたこれらの平成16年度供給計画をとりまとめたものである。なお、平成16年度供給計画の記載対象年度は、平成16年度(2004年度)(初年度)から平成25年度(2013年度)(最終年度)の10年間となっている。
2.電力需要想定(一般電気事業者の電源対応需要)
 今回の供給計画の前提となった、平成25年度(2013年度)までの需要電力量、最大需要電力及び年負荷率の見通しは、次の通りである(表2)。
2.1 平成15年度推定実績および平成16年度見通し
(1)需要電力量
 平成15年度の需要電力量は、緩やかな経済の回復を反映した需要増要因がある一方、冷夏による影響で産業用需要が減少したことなどから、8337億kWh、対前年度増加率は0.9%減(気温・閏補正後0.1%)となる見込みである(表1)。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、電灯については、契約口数の伸びの鈍化や、冷夏による冷房需要の減少があり、結果として対前年度増加率は0.9%減(気温・閏補正後1.2%増)となる見込みである。
 業務用電力については、契約口数は安定した伸びで推移したが、冷夏による冷房需要の減少により、対前年度増加率は0.0%%増(気温・閏補正後1.3%増)となる見込みである。
 小口電力については、契約口数の減少及び冷夏の影響による一部業種の生産減の影響により、対前年度増加率は1.9%減(気温・閏補正後0.4%減)となる見込みである。
 高圧電力Bについては、省エネルギーの進展などから、対前年度増加率は0.9%減(閏補正後1.2%減)となる見込みである。
 特定規模需要についても、大半を占める産業用需要が高圧電力Bと同様の傾向で推移していることから、対前年度増加率は0.9%減(閏補正後1.2%減)となる見込みである。
 平成16年度の需要電力量は、緩やかな経済の回復基調が継続するとの見込みを背景に、8407億kWh、対前年度増加率は0.8%増(気温・閏補正後0.9%増)となる見込みである(表1)。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、電灯については、住宅着工戸数が引き続き低水準で推移するため、契約口数の伸びの鈍化が見込まれるものの、雇用者報酬が改善に転じるなどにより原単位の伸びがプラスとなることが見込まれることから、対前年度増加率は2.1%増(気温・閏補正後2.0%増)と2年ぶりにプラスの伸びとなる見込みである。
 業務用電力については、契約口数の伸びが15年度に引き続き安定した伸びとなることや経済の緩やかな回復を背景に原単位の回復が見込まれることから、対前年度増加率は1.8%増(気温・閏補正後2.0%増)と前年度を上回る伸びとなる見込みである。
 小口電力については、経済は緩やかな回復基調にあるものの、契約口数の減少などもあり、0.0%増(気温・閏補正後0.2%増)となる見込みである。
 特定規模需要については、鉱工業生産の拡大などが見込まれることから、対前年度増加率は0.1%減(閏補正後0.1%増)と前年度の減少傾向が解消される見込みである。
(2)最大需要電力
 平成15年度の最大需要電力は、夏季の最高気温が平年に比べ大きく下回るなどの影響で冷房需要が減少し、1億6398万kWと平成14年度に対し、5.7%減(気温補正2.1%減)と大幅な減少となった。
 平成16年度の最大需要電力は、経済の緩やかな回復基調が見込まれることから1億7264万kWとなり、平成15年度に対し、前年度の低気温の反動から、5.3%増(気温補正後3.3%増)と前年度の水準を上回る見込みである。
2.2 長期見通し
(1)需要電力量
 今後の需要電力量については、高齢化の進展及び電気の利便性などに起因する電力化率の上昇などが増加要因となる一方で、省エネルギーの進展等から増勢の鈍化が予想される。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、電灯は、冷暖房兼用エアコン等の暖房機器や温水洗浄便座などの機器の普及拡大、冷蔵庫・テレビ等の大型化等の増加要因に、家電機器の省電力化の着実な進展、人口の減少等による減少要因を織り込んだ結果、平成14年度からの年平均増加率は1.3%増(気温補正後1.5%増)となる見込みである。
 低圧電力は、空調需要の安定した増加が見込まれるものの、省エネルギーの進展等が見込まれることから、平成14年度からの年平均増加率は0.4%減(気温補正後0.1%増)となる見込みである。
 特定規模需要は、省エネルギーの進展や電力自由化により多様な供給主体からの供給が見込まれることなどから、平成14年度からの年平均増加率は0.9%増と低水準の伸びとなる見込みである。
 以上の結果、特定規模需要以外の需要と特定規模需要を合計した需要電力量は、電灯、業務用電力等の民生用需要は比較的安定して増加するものの、産業用関連需要が伸び悩み、平成14年度の8415億kWhから、平成20年度には8810億kWh、平成25年度には9411億kWhとなり、平成14年度から25年度の年平均増加率は1.0%増(気温補正後1.1%増)となる見込みである(表2)。
(2)最大需要電力
 最大需要電力(夏季におけるピーク電力)は、これまで主に電灯、業務用電力の冷房空調機器の普及拡大による夏季需要の増加により堅調な伸びを示してきている。
 今後の最大需要電力については、蓄熱システムの普及拡大、需給調整契約の拡充等の負荷平準化対策の推進により、ピークシフト、ピークカット効果が表れることから、平成14年度の1億7392万kWから、平成20年度に1億8069万kW、平成25年度には1億9242万kWとなり、平成14年度から25年度の年平均増加率は0.9%増(気温補正後1.1%増)と電力量の伸びを下回る見込みである(表1)。
(3)年負荷率
 年負荷率については、負荷平準化対策を講じない場合、負荷率の低い業務用電力需要の割合が増加する一方、負荷率の高い産業用需要の割合が減少する等の需要構造の変化により長期的に低下していくことが予想される(図4参照)。
 これに対し、本供給計画においては、負荷平準化対策として、夏季ピーク時における需要を他の時期・時間帯にシフトすること等を目的とする需給調整契約(空調負荷などを夜間に移行する蓄熱システムによる蓄熱調整契約、工場の操業を調整することによる計画調整契約等)の拡大、また、夜間電力を利用した高効率給湯器の普及によるボトムアップ対策等の効果が織り込まれている。
 具体的には平成9年12月の電気事業審議会負荷平準化検討小委員会(当時)の中間報告を受け、見直し・拡充が図られた電力会社における料金制度の多様化・弾力化、奨励金の導入や国における蓄熱空調システム導入促進を目的とする普及・広報等の効果を引き続き16年度計画に織り込むことにより、ピークシフト効果が寄与するものと見込んでいる。この結果、年負荷率は、平成14年度の58.8%(気温補正後)から、平成25年度には59.1%となり、0.3ポイントの改善が見込まれている(表1)。
(注:年負荷率とは、最大需要電力に対する年平均需要電力の比率をいう)
3.供給力の確保
3.1 需給バランス
 電力は、需要に応じ安定的に供給する必要があり、かつ、貯蔵することができないという特性を有しているため、常に最大需要電力の増加に対応し得るよう電源設備を計画的に開発していく必要がある。電源設備の開発に当たっては、認可出力から定期検査、水力発電の出力減少等を控除した上で、異常高気温、景気変動等の予期し得ない事態が発生した場合においても電力を安定的に供給することができるように、想定された最大需要電力に対して一定の予備力を加えた供給力を確保する必要がある。
(1)平成15年度需給実績及び平成16年度需給バランス
 平成15年度は、太平洋高気圧の北への張り出しが弱く、7,8月は全国的に低気温で経過し、8月下旬から9月上旬にかけ厳しい残暑となったものの、最高気温が持続せず、沖縄地域を除き、最大電力の記録を更新した地域はなかった。また、平成15年度における10社合成最大電力(発電端)は8月5日の1億6727万kWであった(表1)。
 また、需給バランスの基となる最大3日平均電力(送電端、「最大需要電力」と同意)は10社計で1億6398万kWとなり、平成14年度に比べて5.7%減となった。このため、供給力については、一部の原子炉が計画外停止したものの、その他の電源設備がおおむね安定して運転されるとともに、新規の電源が計画通りに運転を開始したことなどから、1億8890万kWの供給力を確保し、供給予備率は10社計で15.2%であった。
 平成16年度は、最大需要電力が10社合計で1億7264万kWと見込まれるのに対し、供給力としては、新増設電源等の供給力増加対策を着実に推進することなどにより、平成15年度実績に比べ780万kW増の1億9670万kWを確保している。その結果、供給予備率は10社計で13.9%となる見込みである(表3)。
(2)長期電力需給バランス
 長期的にも、今後10年間の電源の開発及び供給力の適切な調達により、平成20年度には1億9829万kW、平成25年度には2億1208万kWの供給力を確保する計画となっている。その結果、最大需要電力に対して、平成20年度で9.7%、平成25年度で10.2%の予備率を有しており、安定供給が確保できる計画となっている(表4)。
 具体的な供給力としては、現在運転中の2億3472万kW(平成16年3月末現在)に加え、建設中の30基2141万kW及び着工準備中の53基3288万kWが計画されており、平成16年度には139万kWが新たに着工する計画である。今後とも、将来の電力の安定供給確保の観点から、平成17年度以降開発が予定されている電源等も含め、電源開発を計画的に遂行する必要がある。
3.2 電源構成の多様化
 本供給計画が実現した場合の平成25年度末の発電設備の構成は表5および図1、発電電力量の構成は表6および図2に示すとおりである。
 電源構成については、非化石エネルギーの中核として原子力の開発を推進するとともに、電源の多様化の観点から、原子力に加え、石炭火力、LNG火力、水力(一般及び揚水)等についてバランスのとれた開発を計画している。特に、地球環境問題への対応の観点から、燃料転換によりCO2排出原単位の小さい燃料選択を推進することとしている他、石炭火力、LNG火力については、地球環境問題への対応及び省エネルギーの推進の観点から、高効率発電方式を採用し発電効率の向上に努めることとしている。また、国産エネルギーである一般水力・新エネルギーも、着実な開発・導入を進めることとしている。
3.3 原子力開発計画
・平成22年度(2010年度)までに運転開始する原子力は、平成15年度供給計画では7基となっていたが、東京電力福島第一8号及び中国電力島根3号の運転開始が1年遅れることにより、平成16年度供給計画では5基約613万kWとなっている。
・平成25年度(2013年度)までに運転開始する原子力は、上記5基に東京電力福島第一8号など6基約843万kWを加えた11基約1456万kWであり、同年度末合計で5,995万kWになると計画されている。
・全体の原子力開発計画としては、表7に示すように、平成25年度より後に運転開始する原子力計5基約651万kWを加えた16基約2107万kWとなっている。
<図/表>
表1 電力需要見通し(一般電気事業者の電源対応需要)
表2 用途別需要電力量見通し(一般電気事業者の電源対応需要:実績)
表3 平成16年度需給バランス
表4 今後の電源開発量と需給バランス
表5 発電設備構成の推移(一般電気事業用)
表6 発電電力量構成の推移(一般電気事業用)
表7 平成16年度電力供給計画における原子力開発計画
図1 発電設備構成の推移
図2 発電電力量構成の推移

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<関連タイトル>
各種電源の特徴と位置づけ(1995年度末) (01-04-01-02)
電源別耐用年発電原価試算(1992年度運転開始ベースでの通商産業省の試算) (01-04-01-03)
電力需要の変遷と需要構造 (01-09-05-03)
平成14年度電力供給計画 (01-09-05-18)
日本の発電電力量と2010年度までの電力供給目標(1994年6月) (01-04-01-01)
長期エネルギー需給見通し(2001年7月・総合資源エネルギー調査会) (01-09-09-06)

<参考文献>
(1)経済産業省 資源エネルギー庁:平成16年度供給計画の概要(2004年3月)
(2)資源エネルギー庁:平成16年度電力供給計画について(2004年3月31日)
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