<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> 日本の二次エネルギー
<小項目> 電力
<タイトル>
日本の発電電力量と電力供給目標(2006年) (01-04-01-20)

<概要>
 クリーン性、安全性、利便性等の優れた特性のため、電力は戦後の日本の経済発展を支える原動力としての役割を果たしてきた。経済発展に伴って電力消費は一貫して伸びており、電力の経済発展を支えるという役割は変わっていない。平成19(2007)年3月に資源エネルギー庁が取りまとめた「平成19年度電力供給計画」によれば、需要電力量は、2011年度に9,265億kWh、2016年度に9,634億kWhを見込み、2005年度から2016年度までの年平均増加率は0.8%になるとして、この需要を満たす供給力を確保する計画を策定している。供給力は、今後10年間の電源の開発および供給力の適切な調達により、2016年度には2億680万kWの供給力を確保する計画となっている。これは当該年度の最大需要電力1億8681万kWに対して、10.7%の供給予備率を有しており、安定供給が確保できる計画となっている。
<更新年月>
2008年01月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
1.電力需要の推移と発電電力量
 戦後の経済の高度成長に対応して電力需要の急速な増大の中で、わが国ではこれまで安定的な供給により、電力は経済発展を支える原動力としての役割を果たしてきた。表1および図1に日本の一次エネルギー供給実績を、表2および図2に電灯・電力需要の推移を示す。過去のエネルギー供給実績および電力需要の推移をみると、経済成長を反映して需要が増大してきたのみならず、電力の有するクリーン性、安全性、利便性等の優れた特性を反映して、エネルギー供給に占める電力供給の位置付けは増大してきている。図3に示すとおり電力化率(一次エネルギー供給に占める電力の割合)は、1970年度に26%であったものが、1990年代後半には40%を超えてそれ以降はほぼ一定している。電気事業者による年間発電電力量の推移を表3図4に示す。発電電力量は、1980年度の4,850億kWhから2005年度の9,889億kWhへと大幅に増加した(図4)。こうした需要増大への対応と同時に、わが国は1973年(昭和48年)と1979年(昭和54年)の二度の石油危機を経て、電力の長期安定供給を確保するための基盤整備として石油代替エネルギーへの転換に努めてきた。これにより、電気事業の石油依存度は1975年度の62.1%から2004年度の8.2%へと低下している(図5)。一方、国民生活を支える基礎的エネルギー供給として、送配電ネットワークが全国津々浦々にまで整備され、全国のどこでも電力供給サービスをほぼ同等のレベルで受けられるようになった。また、停電時間の短縮や周波数の安定という点でも世界最高の水準を達成した。
 電源構成については、供給安定性、経済性、環境特性等を考慮して、特定の電源のみに依存することなく、多様化の観点からバランスの取れた電源の開発をすることとなっており、2005年度の電源構成は、水力発電が8%、火力発電が61%(石炭25%、LNG24%、石油11%、その他1%)、原子力が31%となっている(図4)。
2.2007年度電力供給計画の概要
 2007年度電力供給計画は、電気事業法第29条第1項に基づき、2007年3月末までに、一般電気事業者10社および卸電気事業者2社から、経済産業大臣に届出が行われた。これらの供給計画は、電力各社が至近の需要動向、電力自由化の動向、省エネルギーの進展、電源立地の状況、各種燃料の需要・価格等の動向や広域的な運営等を考慮し、策定された。2007年度電力供給計画の概要は、各事業者から届け出られたこれらの供給計画を資源エネルギー庁が取りまとめたものである。
2.1 電力需要想定(一般電気事業用)
2.1.1 需要電力量
 今後の需要電力量については、高齢化の進展、IT化の進展および電気の持つ利便性等に起因する電化率の上昇等が増加要因となるものの、人口の減少に加え、省エネルギーの進展等が減少要因となることから引き続き緩やかな伸びが予想され、2005年度の8,826億kWhから、2011年度には9,265億kWh、2016年度には9,634億kWhとなり、2005年度から2016年度の年平均増加率は、0.8%(気温閏補正後0.9%)となる見込みである。
2.1.2 最大需要電力
 今後の最大需要電力については、冷房機器等の普及拡大、業務用電力の増加等の負荷率低下要因があるものの、省電力型機器の普及拡大とともに、蓄熱システムやオール電化住宅の普及拡大等による負荷平準化対策の推進により、ピークシフト、ピークカット効果が表れるものと見込まれることから、最大需要電力は、2005年度の1億7,024万kWから、2011年度には1億7,958万kW、2016年度には1億8,681万kWとなり、2005年度から2016年度の年平均増加率は0.8%(気温補正後0.9%増)となる見込みである(表4-1表4-2図6)。
2.1.3 年負荷率
 年負荷率については、省電力型機器や蓄熱システムの普及拡大等による負荷平準化対策効果等が見込まれるものの、負荷率の低い電力需要の割合が増加していくと想定されることから、2005年度の62.4%(気温閏補正後61.9%)から、2016年度には62.2%となる見込みである(表4-1表4-2図7)。(注:年負荷率とは、最大需要電力に対する年平均需要電力の比率をいう)
2.2 供給力の確保
2.2.1 需給バランス
 電力は、需要に応じ安定的に供給する必要があり、かつ、貯蔵することができないという特性を有しているため、常に最大需要電力の増加に対応し得るよう電源設備を計画的に開発していく必要がある。これらに対応するためには、定期検査、水力発電の出力減少等を控除した上で、異常高気温、景気変動等の予期し得ない事態が発生した場合においても電力を安定的に供給することができるように、想定される最大需要電力に対して一定の予備力を加えた供給力を確保する必要がある(表5)。
2.2.2 長期電力需給バランス
 供給力は、長期的にも、電源開発計画の着実な推進および供給力の適切な調達により、2011年度には1億9,875万kW、2016年度には2億680万kWの供給力を確保する計画である。その結果、最大需要電力に対して、2011年度で10.7%、2016年度で10.7%の供給予備率を有しており、安定供給が確保できる計画となっている。
2.2.3 電源構成の多様化
 電源構成については、基幹電源として原子力の開発を推進するとともに、電源の多様化の観点から、原子力に加え、石炭火力、LNG火力、水力(一般および揚水)等についてバランスのとれた開発を計画している。特に、地球温暖化対策の観点から、燃料転換によりCO2排出原単位の小さい燃料選択を推進することとしている他、石炭火力、LNG火力については、地球環境問題への対応および省エネルギーの推進の観点から、高効率発電方式を採用し発電効率の向上に努めることとしている。また、国産エネルギーである一般水力・新エネルギーについても、着実な開発・導入を進めることとしている。
2.2.4 原子力発電所の開発計画
 原子力発電は、2016年度までに9基(約1,226.2万kW)が運転開始し、同年度末合計で63基(約6,149万kW)になると計画されている。また、2017年度以降に運転開始する地点を含めると13基(約1,723万kW)、合計67基(約6,645万kW)となる。
3.長期エネルギー需給見通しについて
 (「2030年のエネルギー需給展望」2005年3月総合資源エネルギー調査会需給部会報告書)
 資源エネルギー庁では、エネルギー政策の立案・展開等の基礎資料として、中長期に渡るわが国のエネルギー需給構造の将来像についての見通しを、概ね3年に1度のペースで示している。
 直近では、2005年3月公表の「2030年のエネルギー需給展望」では、短期(2010年)長期(2030年)におけるわが国のエネルギー需給構造の見通しを示し、さらに2006年5月に昨今の世界におけるエネルギー需給構造の変化に対応するために「新国家エネルギー戦略」を策定した。
 「2030年のエネルギー需給展望」では、2030年の見通しとして、人口減少や産業構造の変化を受け、エネルギー需要が2021年度に頭打ちとなり減少に転じると予測している。部門別に見ると、産業部門は横這い、貨物部門は漸減、民生家庭部門、民生業務部門、旅客部門は引き続き増加するが、長期的には伸び率は鈍化し減少に転じる見込みである。一方、エネルギー供給構造では、原子力は引き続き安定的なシェアが維持され、石油は依然として約4割程度を占める重要なエネルギー源であるとされたが、分散型電源が総発電電力量の約2割程度まで拡大し、一次供給ベースで再生可能エネルギー・新エネルギーが約10%を占める可能性もあるとの予測が示された。
 このような見通しを踏まえた中長期的なエネルギー戦略の方向性として(1)アジアのエネルギー需要増加を視野に入れた国際エネルギー戦略の確立、(2)国民や産業界の省エネルギー・環境対応努力の好循環の実現、(3)エネルギー供給の分散と多様化による変化への対応力強化、(4)これまでのエネルギー産業の業態の垣根を超えた柔軟なエネルギー供給システムの実現、の4点を提唱している。また、京都議定書目標達成計画策定にあたっての基本的な考え方や対策内容の検討結果も明らかにされており、達成計画の考え方としては、「技術開発や効率的システム導入を対策の基本に据えつつ、主体間連携や経済社会システム変革も重視していく」との内容が示されている。発電電力量の見通しとして、2000年の9,396億KWhに対し、2010年のレファレンスケースは10,287億KWh(現行対策ケース9,744億KWh、追加対策ケース9,454億KWh、さらに2030年12,200億KWh程度を見込んでいる(表6)。
<図/表>
表1 一次エネルギー総供給の推移
表2 電灯電力需要の推移
表3 年間発電電力量の推移
表4-1 用途別需要電力量見通し(一般電気事業者の電源対応需要:短期)
表4-2 用途別需要電力量見通し(一般電気事業者の電源対応需要:長期)
表5 今後の需給バランス(8月需給バランス、送電端)
表6 2010年までの発電電力量(電気事業者)の見通し
図1 一次エネルギー総供給の推移
図2 電灯電力需要の推移
図3 電力化率の推移
図4 年間発電電力量の推移と見通し
図5 発電の化石燃料依存度
図6 最大電力(9電力会社平均)の推移
図7 年負荷率(9電力会社平均)の推移

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<関連タイトル>
各種電源の特徴と位置づけ(1995年度末) (01-04-01-02)
電源別耐用年発電原価試算(1992年度運転開始ベースでの通商産業省の試算) (01-04-01-03)
電力需要の変遷と需要構造 (01-09-05-03)
平成13年度電力供給計画 (01-09-05-17)
長期エネルギー需給見通し(2001年7月・総合資源エネルギー調査会) (01-09-09-06)

<参考文献>
(1)資源エネルギー庁(編):エネルギー2004、エネルギーフォーラム(2004年1月21日)、p.165-172、p.265、p.267
(2)(財)日本エネルギー経済研究所計量分析ユニット(編):EDMC/エネルギー・経済統計要覧2007年版、(財)省エネルギーセンター(2007年2月15日)
(3)経済産業省 資源エネルギー庁:平成19年度電力供給計画の概要(平成19年3月)、1/40−20/40
(4)経済産業省 資源エネルギー庁:平成18年度(2006年度)エネルギー需給実績(速報)(平成19年11月5日)
(5)総合資源エネルギー調査会 需給部会:2030年のエネルギー需給展望(平成17年3月)
(6)(財)日本原子力文化振興財団:「原子力・エネルギー」図面集 2007、第1章 世界および日本のエネルギー情勢(2007年2月)、電気事業連合会:
(7)経済産業省:エネルギー白書2006年版(平成18年6月30日)
(8)資源エネルギー庁:パンフレット「日本のエネルギー2007」
(9)資源エネルギー庁HP:よくある質問とその回答、電力・ガス関係、「Q3.日本の発電電力の構成について教えて下さい。」
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