消費地に近接する場所に設置された太陽光発電、風力発電、燃料電池、ガスタービン発電などの小型の発電設備を分散型電源と呼んでいる。2003年10月に閣議決定された「エネルギー基本計画」の中で、この分散型電源を用いてエネルギーを供給するシステム(分散型エネルギーシステム、マイクログリッドともいう)の構築がうたわれた。分散型電源は、消費地に立地していることから送電ロスがほとんどなく、生産工程と密着して熱電併給を行うなど、エネルギー効率の観点からも極めて優れた特性を有している。また、稼働率調整による負荷平準化効果など電力系統全体の効率的運用にも寄与する。個別の分散型電源には、(1)適正電圧の維持、(2)高調波の抑制、(3)故障が配電系統に波及しないこと、(4)系統の電力を受けていない状態で運転を防止することなどのガイドラインが決められている。