<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> エネルギー政策
<小項目> 電力政策
<タイトル>
平成22年度電力供給計画 (01-09-05-25)

<概要>
 一般電気事業者10社及び卸電気事業者2社は、電気事業法第29条第1項に基づき、今後10年間の電気の供給並びに電気工作物の設置及び運用に関する計画(電力供給計画)を策定し、毎年3月末までに経済産業大臣に届け出ている。資源エネルギー庁は各事業者から届けられた平成22年度の計画を「平成22年度電力供給計画の概要」として、取りまとめている。平成22年度電力供給計画の概要によれば、平成22年度の需要電力量を8,756億kWhと見込み、最大需要電力1億6,965万kWに対し供給力1億9,414万kW(供給予備率14.4%)を見込んでいる。長期的には、平成31年度に2億274万kW(供給予備率11.0%)の供給力を確保できるとしている。原子力については、平成31年度までに9基(1,294万kW)が運転開始し、原子力発電の合計は6,170万kWになると計画されている。
<更新年月>
2011年06月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 平成22年度電力供給計画(平成22年度(初年度)から平成31年度(最終年度)までの10年間が記載対象)は、電力各社が至近の需要動向、各種燃料の需要・価格等の動向、地球温暖化問題への対応、電源立地の状況や広域的な運営等を考慮し、策定している。
1.電力需要想定(一般電気事業者の自社需要(注1))
 平成31年度までの需要電力量、最大需要電力(注2)及び年負荷率(注3)の見通しは、それぞれ次のとおりである(表1表2参照)。
(1)平成21年度推定実績及び平成22年度見通し(短期)
イ.需要電力量
 一般電気事業者10社合計の自社需要における平成21年度の需要電力量(推定実績)は、8,587億kWh、対前年度伸び率は3.4%減(気温補正後(注4)3.5%減)と20年度に続き2年連続の減少となる見込みである。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、以下のとおりである。
・電灯については、オール電化住宅の普及等があるものの、夏期の気温が前年に比較し低く推移したことによる冷房需要の減少などから、対前年度増減率は0.8%増(気温補正後0.3%増)となる見込みである。
・低圧電力については、中小企業における転廃業の動きに加え、コンビニエンスストア等の需要家においては、原単位(注5)の高い需要家向けメニュー(電灯)への移行が引き続き見られることから、対前年度伸び率は4.1%減(気温補正後3.3%減)となる見込みである。
 特定規模需要については、今般の世界的な金融危機等の影響によるオフィス需要の低下や自動車産業などの生産活動の急落などから、対前年度伸び率は5.6%減(気温補正後5.5%減)となる見込みである。
 平成22年度の需要電力量は、8,756億kWh、対前年度伸び率は2.0%増(気温補正後2.1%増)となる見込みである。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、以下のとおりである。
・電灯については、オール電化住宅普及拡大などから、対前年度伸び率は1.1%増(気温補正後1.2%増)となる見込みである。
・低圧電力については、原単位の高い需要家向けメニュー(電灯)への移行が一段落するものの、中小企業の転廃業に伴う影響から、需要数、原単位共に前年度を下回ることなどから、対前年度伸び率は2.9%減(気温補正後2.1%減)となる見込みである。
 特定規模需要については、景気の回復による商業用需要の増加、世界経済の回復に伴う輸出の増加などから、対前年度伸び率は2.8%増(気温補正後2.9%増)となる見込みである。
ロ.最大需要電力
 平成21年度の最大需要電力(8月)は、景気低迷の影響で生産活動が低水準で推移したことに加え、8月の最高気温が概ね前年を下回ったこと等により、冷房需要が減少し、10社の合計値では、1億5,512万kW、対前年度伸び率は11.5%減(気温補正後5.0%減)となった。
 また、冬季の最大需要電力は、気温が前年に比べて低めに推移したことや世界経済の回復による生産活動の増加などにより、対前年度伸び率は増加となる見込みである。
 平成22年度の最大需要電力(8月)は、景気の回復による影響などから、1億6,965万kW、対前年度伸び率は9.4%増(気温補正後2.2%増)となる見込みである。
ハ.年負荷率
 平成21年度の年負荷率は、夏季の最大需要電力の減少幅が需要電力量の減少幅を大きく上回る見込みであることなどから、前年度より5.6ポイント上昇(気温補正後1.0ポイントの上昇)し66.7%(気温補正後62.2%)となる見込みである。
 平成22度の年負荷率は、景気の回復により需要電力量が増加するものの夏期の最大需要電力を下回る増加幅となる見込みから、平成21年度から4.5ポイント減(気温補正後は横這い)の62.2%となる見込みである。
(2)平成31年度までの見通し(長期)
イ.需要電力量
 一般電気事業者10社合計の自社需要における今後の需要電力量については、平成20年度(実績)の8,889億kWhから、平成26年度に9,210億kWh、平成31年度には9,712億kWhとなり、平成20年度から平成31年度までの年平均伸び率は0.8%増(気温補正後0.8%増)と緩やかな伸びが予想される。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、以下のとおりである。
・電灯は、人口の減少による需要口数の伸びの鈍化やトップランナー制度等による省エネルギー家電機器の普及による原単位の伸び悩み等があるものの、オール電化住宅等の増加による電化率の上昇等が見込まれることから、平成20年度から平成31年度までの年平均伸び率は1.1%増(気温補正後1.1%増)となる見込みである。
・低圧電力は、省エネルギーの推進や、小規模の商店・工場等の転廃業等の影響が見込まれることから、平成20年度から平成31年度までの年平均伸び率は1.4%減(気温補正後1.2%減)となる見込みである。
 特定規模需要は、足元の世界的な金融危機等の影響を受けた生産調整等により大幅な減少があるものの、中長期的には、サービス経済化(注6)やIT化の進展等、内需・外需の回復に伴う生産水準の緩やかな上昇が見込まれることから、平成20年度から平成31年度までの年平均伸び率は0.8%増(気温補正後0.8%増)となる見込みである。
ロ.最大需要電力
 最大需要電力については、今後、サービス経済化やIT化の進展、経済規模の拡大に伴うベース需要の増加等を背景に安定した伸びが見込まれるものの、空調機器等の省エネルギーの進展や蓄熱システムの導入等に加え、新規参入事業者との競争等による影響が見込まれることから、平成20年度(実績)の1億7,521万kWから、平成26年度に1億7,603万kW、平成31年度には1億8,257万kWとなり、平成20年度から平成31年度までの年平均伸び率は0.4%増(気温補正後0.4%増)となる見込みである。
ハ.年負荷率
 年負荷率については、オール電化住宅等の普及拡大等による負荷平準化対策の効果に加え、空調機器等の省エネルギーの進展による最大需要電力の伸びの鈍化などが見込まれることから、平成20年度の61.1%(気温補正後61.2%)から、平成31年度において64.1%となる見込みである。
(注1):一般電気事業者が自らの顧客に対して供給する需要。いわゆる電源対応需要。
(注2):最大3日平均電力(送電端)として表記。
(注3):最大需要電力に対する年平均需要電力の比率。
(注4):猛暑(冷夏)、厳冬(暖冬)による冷暖房機器等の稼動増減の影響を除くことにより、平年気温ベースの実態需要の把握するために行うもの。
(注5):契約電力当たりの使用電力量。
(注6):商業施設の増加や高齢化社会の進展に伴う医療、福祉関連の需要増加。
2.供給力の確保
(1)需給バランス(8月)
 電力は、需要に応じ安定的に供給する必要があり、かつ、貯蔵することができないという特性を有しているため、常に最大需要電力の増加に対応し得るよう電源設備を計画的に開発していく必要がある。これを実現するためには、定期検査水力発電の出力減少等を控除した上で、異常高気温、景気変動等の予期し得ない事態が発生した場合においても電力を安定的に供給することができるように、想定された最大需要電力に対して一定の予備力を加えた供給力を確保する必要がある(表3参照)。
イ.平成21年度需給実績及び平成22年度需給バランス(短期)
 一般電気事業者10社合計の平成21年度の最大需要電力(8月)は、景気低迷の影響で生産活動が低水準で推移したことに加え、8月の最高気温が概ね前年を下回ったこと等により、冷房需要が減少し、1億5,512万kW、対前年度伸び率は11.5%減(気温補正後5.0%減)となった。
 一方、10社合計の供給力については、1億9,540万kWの供給力を確保し、8月の最大需要電力に対して、供給予備率は26.0%であった。
 平成22年度は、最大需要電力が1億6,965万kWと見込まれるのに対し、供給力は、平成21年度実績に比べ125万kW減の1億9,414万kWを確保し、供給予備率は14.4%となる見込みである。
ロ.平成31年度までの需給バランス(長期)
 長期的にも、電源開発計画の着実な推進及び供給力の適切な調達により、平成26年度には1億9,507万kW、平成31年度には2億274万kWの供給力を確保する計画となっている。その結果、最大需要電力に対して、平成26年度で10.8%、平成31年度で11.0%の供給予備率を有しており、安定供給が確保できる計画となっている。
 具体的な電源開発計画は、建設中の48基1,648万kW及び着工準備中の94基3,087万kWが計画されている(表4)。また、平成22年度には主要電源として約738万kWが新たに着工し、約325万kWが運転開始する計画となっている。
(2)電源構成の多様化
 本供給計画が実現した場合の平成31年度末の発電設備の電源構成及び発電電力量の電源構成は各々、表5図1、及び表6図2に示すとおりである。
 電源構成については、基幹電源として原子力の開発を推進するとともに、電源の多様化の観点から、原子力に加え、LNG火力、石炭火力、水力(一般及び揚水)等についてバランスのとれた開発を計画している。特に、地球温暖化対策の観点から、CO2排出原単位の小さい燃料への転換が計画されている他、省エネルギーの観点も含め、新設火力については、熱効率の高いものを採用し発電効率の向上に努めることとしている。
 また、国産エネルギーである一般水力・新エネルギー等についても、維持流量発電や設備更新に合わせた水力のリパワリングに加え、太陽光・風力発電や石炭火力へのバイオマス混焼等の着実な開発・導入を進めることとしている。
(3)原子力発電所の開発計画
 平成31年度(2019年度)までに9基(約1,294万kW)が運転開始し、現在運転中のものも含めると同年度末合計で62基(注7)(約6,170万kW)になると計画されている。また、平成31年度以降に運転開始する地点を含めると14基(約1,931万kW)、合計67基(約6,806万kW)となる。電気事業者の原子力発電所開発計画は表7のとおり。
(注7):運転中の54基(平成22年3月31日現在)のうち、日本原子力発電(株)敦賀1号機については、平成28年に運転を終了する計画となっている。
<図/表>
表1 用途別需要電カ量見通し(一般電気事業者の自社需要:短期)
表2 用途別需要電カ量見通し(一般電気事業者の自社需要:長期)
表3 今後の需給バランス(8月需給バランス、送電端)
表4 電源開発計画(総括表)
表5 発電設備構成の推移(一般電気事業用、発電端)
表6 発電電力量構成の推移(一般電気事業用、発電端)
表7 原子力発電所の開発計画
図1 発電設備構成の推移(一般電気事業用、発電端)
図2 発電電力量構成の推移(一般電気事業用、発電端)

・図表を一括してダウンロードする場合は ここをクリックして下さい。


<関連タイトル>
各種電源の特徴と位置づけ(1995年度末) (01-04-01-02)
電源別耐用年発電原価試算(1992年度運転開始ベースでの通商産業省の試算) (01-04-01-03)
原子力発電および他の電源の発電原価試算(1999年・資源エネルギー庁) (01-04-01-11)
電力需要の変遷と需要構造 (01-09-05-03)
平成19年度電力供給計画 (01-09-05-24)
長期エネルギー需給見通し(2005年3月・総合資源エネルギー調査会需給部会) (01-09-09-08)

<参考文献>
(1)経済産業省 資源エネルギー庁:平成22年度電力供給計画の概要(平成22年3月)
JAEA JAEAトップページへ ATOMICA ATOMICAトップページへ