<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> エネルギー政策
<小項目> 電力政策
<タイトル>
平成14年度電力供給計画 (01-09-05-18)

<概要>
 電気事業法第29条の規定に基づき、一般電気事業者10社及び卸電気事業者3社が、今後10年間の電力需要の見通し、発電所の建設計画等を作成し、毎年3月末までに、電力供給計画として経済産業大臣に届け出ることになっている。平成14年度電力供給計画の概要は、各事業者から届け出られたこれらの供給計画を資源エネルギー庁で取りまとめたものである。
 平成14年度電力供給計画の概要によれば、平成14年度の需要電力量を8,189億kWhと見込み、最大電力1億7,101万kWに対し供給力1億9,271万kW(供給予備率12.7%)を見込んでいる。 長期的には、平成23年度に2億1,704万kW(供給予備率10.1%)の供給力を確保できるとしている。原子力については、平成14年度に6基860.6万kWの電源開発基本計画への組み入れが希望され、また、平成23年度までに13基1,749.7万kWが運転を開始し、23年度末において6,323.9万kWを見込んでいる。
<更新年月>
2002年09月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
1.はじめに
 平成12年(2000年)度の最終エネルギー消費は過去最高となっている。供給面では、原子力については平成13年(2001年)6月に上関地点が電源開発基本計画に組み入れられるなど、原子力立地に一定の進展がみられる一方、原子力立地の長期化が懸念されている状況である。石油については、電力部門向けを中心に石炭、天然ガスの供給が増加したため、一次エネルギー供給に占める石油の比率(石油依存度)が減少している。2000年度の需要電力量は約8,581億kWhで、用途別に見ると、電力需要約70%、電灯需要約30%となっている(図1)。2000年度末の設備容量は約2.3億kW、水力(約20%)、火力(約60%)、原子力(約20%)となっている。環境面やセキュリティ面にすぐれた原子力、水力、地熱の合計設備容量と火力の設備容量の比を見ると、1975年度には約1:2であったが、2000年度には約2:3と原子力等の割合が拡大している( 図2 )。
 エネルギーは経済を支える基盤であり、環境保全や効率化の要請に対応しつつ、安定供給を実現するという基本目標を満たすことが必要となっている。このため総合資源エネルギー調査会(2001年1月5日までは総合エネルギー調査会)は、長期需給見通しについて再検討するため、平成12年(2000年)4月以降、1年以上の検討を経て、平成22年(2010年)度における発電設備容量や発電電力量の見通しを含め、平成13年(2001年)7月に長期エネルギー需給見通しを取りまとめた。
 電力供給計画は、電気事業法第29条に基づき、毎年3月末までに、一般電気事業者10社および卸電気事業者3社から、経済産業大臣に届出が行われるものであり、平成14年(2002年)度供給計画は、電力各社が至近の需要、省エネルギー、電源立地、各種燃料の需要・価格の動向を考慮し、策定したものである。本電力供給計画の概要は、これら供給計画を資源エネルギー庁においてとりまとめたものである。電力各社においては、供給計画に盛り込まれた必要な電源および送変電等の計画的な開発、電源構成ベストミックスの構築、電力供給の効率化や需要側における負荷標準化対策などを、着実に推進していくことが必要であり、その進捗が期待されている。
2.電力需要想定(一般電気事業者の電源対応需要)
 今回の供給計画の前提となった、平成23年(2011年)度までの需要電力量、量大需要電力および年負荷率の見通しは、次の通りである。(表1表2参照)
2.1 平成13年(2001年)度推定実績および平成14年(2002年)度見通し
(1) 需要電力量
 平成13年(2001年)度の需要電力量は8,255億kWh、対前年度1.5%減(気温補正後1.0%減)と、景気の低迷、8月の低気温による冷房需要の減少等を反映して昭和61年(1986年)度以来15年振りに減少となる見込みである。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、電灯については、需要数の伸びは前年並みとなるものの、景気低迷による消費意欲の減退等により、原単位が伸び悩むことから、0.3%増(気温補正後1.0%増)と低い伸びとなる見込みである。
 また、業務用電力については、需要数の増勢が鈍化することに加え、原単位も景気の低迷の影響を受け伸び悩むことから、1.2%増(気温補正後1.9%増)と低調な伸びとなる見込みである。
 小口電力については、景気低迷による生産調整の継続等から、3.1%減(気温補正後2.4%減)と7年振りの減少となる見込みである。
 また、高圧電力Bについても、小口電力と同様に景気低迷の影響を受け、3.2%減の低水準の伸びとなる見込みである。
 特定規模需要については、内需の不振等の影響で、大半を占める産業用需要が減少となるため、3.9%減と各用途中最も低い伸びとなる見込みである。
 平成14年(2002年)度の需要電力量は、景気が引き続き低迷を続けると見込まれること等から、8,189億kWh、対前年度0.8%減(気温補正後0.1%増)と2年続けて前年度の水準を下回る見込みである(表1)。
 特定規模需要以外の需要を用途別に見ると、電灯については、住宅着工戸数が前年水準を下回ると見込まれることから、需要数の伸びが鈍化すると見込まれることに加え、原単位も消費意欲の回復の遅れ等から低水準で推移すると見込まれることなどから、0.3%増(気温補正後1.7%増)の低い伸びとなる見込である。
 また、業務用電力については、需要数の伸びが引き続き鈍化すると見込まれることや、景気回復の遅れる見込み等により原単位が弱含みで推移すると予想されるため、0.7%増(気温補正後2.0%増)の低い伸びとなる見込みである。
 小口電力については、内需が本格的な回復しないと見込まれることから、需要数の減少に加え、原単位も低い伸びとなると見込まれること等から、2.2%減(気温補正後0.9%減)の伸びとなる見込である。
 また、高圧電力Bについても、設備投資の不振や内需の低迷が見込まれること等を背景に、1.6%減の伸びとなる見込みである。
 特定規模需要については、内需の不振による生産減等が予想されることから、2.2%減の伸びとなる見込みである。
(2)最大需要電力
 平成13年(2001年)度最大需要電力(夏季におけるピーク電力、最大3日平均電力)は、産業用需要が低迷したものの、7月下旬における高気温により、冷房需要が大幅に増加したため、7月に1億7499万kWとなり、2000年度に対し、3.0%増(気温補正後では0.2%増)の堅調な伸びとなった。
 平成14年(2002年)度の最大需要電力は、景気の低迷により産業用需要が伸び悩むと見込まれることに加え、冷房需要が急増した前年からの反動減があるため、1億7,101万kWとなり、2001年度に対し、2.3%減(気温補正後0.8%増)の低い伸びとなる見込みである。
2.2 長期見通し
(1) 需要電力量
 今後の需要電力量については、最近年における調整期間の終了後は、内需を中心とした安定的な経済成長が見込まれると考えられること、さらに、経済社会の高度化、アメニティ志向の高まり、高齢化の進展等に加え、電気の持つ利便性・制御性などからの電力化率の増加傾向を反映して(図3)、産業構造の変化、省エネルギーの着実な進展等による減少要因を踏まえても安定した増加が予想される。
 特定需要以外の需要を用途別に見ると、電灯は、家電機器の省電力化の着実な進展、人口の伸び率鈍化等による減少要因はあるものの、アメニティ志向の高まりによる冷暖房兼用エアコン等の暖房機器や温水洗浄便座などの機器の普及拡大、冷蔵庫・テレビ等の大型化等の増加要因を織り込んだ結果、平成12年(2000年)度から平成23年(2011年)度までの年平均増加率(以下同じ)は1.5%(気温閏補正後1.7%)と安定した伸びとなる見込みである。
 また、業務用電力は、省エネルギー型ビルの普及増、労働時間の短縮化等の減少要因はあるものの、サービス経済化・情報化の進展、余暇の拡大、空調需要の増加要因により、年平均増加率は2.6%(気温閏補正後2.7%)と経済成長率を上回る堅調な伸びとなる見込みである。
 小口電力は、非製造部門における生活関連および空調需要の安定した増加が見込まれる一方、省エネルギーの進展、製造部門における生産縮小による需要減が予想されることから、年平均増加率は0.5%(気温閏補正後0.7%)の低い伸びとなる見込みである。
 高圧電力Bは、機械、食料品等の安定した伸びは見込めるものの、経済規模の縮小等による素材型産業の生産規模の縮小や省エネルギーの進展等の減少要因があるため、年平均増加率は0.9%となる見込みである。
 特定規模需要は、経済規模の縮小等から素材型産業の生産減に加え、省エネルギーの進展等も織り込んだ結果、年平均増加率は0.2%の低い伸びが見込まれる。
 以上の結果、特定規模需要以外の需要と特定規模需要を合計した需要電力量は、産業用関連需要が伸び悩むものの電灯、業務用電力等の民生用需要の堅調な増加により、平成12年(2000年)度の8,379億kWhから、平成18年(2006年)度に8,780億kWh、平成23年(2011年)度に9,587億kWhとなり、年平均増加率は、同期間の経済成長率をやや下回る1.2%(気温閏補正後1.4%)となる見込みである。
(2) 最大需要電力
 最大需要電力(夏季におけるピーク電力、最大3日平均電力)は、従来は、主に電灯、業務用電力の冷房空調機器の普及拡大による夏季需要の増加により、気温補正でみれば、堅調な伸びを示してきていたが、近年では負荷平準化対策等により低めの伸びとなっている。今後の最大需要電力については、蓄熱システムの更なる普及拡大、需給調整契約拡充等の負荷平準化対策の推進により、年負荷率(後述)が改善されることから、平成12年(2000年)度の1億6,982万kWから、平成18年(2006年)度に1億8,174万kW、平成23年(2011年)度には1億9,705万kWとなり、年平均増加率は1.4%(気温補正後1.4%)となる見込みである。
(3) 年負荷率
 年負荷率については、負荷平準化対策を講じない場合、負荷率の低い業務用電力需要の割合が増加する一方、負荷率の高い産業用需要の割合が減少する等の需要構造の変化により長期的に低下していくことが予想される。これに対し、本供給計画においては、負荷平準化対策として、夏季ピーク時における需要を他の時期・時間帯にシフトすること等を目的とする需給調整(業務用電力を中心とする蓄熱調整契約、産業用の計画調整契約、蓄熱式自動販売機等)の拡大や深夜電気温水器、冷暖房兼用エアコン等の普及拡大によるボトムアップ対策等の効果が織り込まれている。この結果、年負荷率は、平成12年(2000年)度の58.8%(気温補正後)から、最近年の景気調整期間では一時的に悪化するものの、その後は改善基調を辿り、平成23年(2011年)度には2000年度と同程度の58.8%となることが見込まれる。(注:年負荷率とは、最大需要電力に対する年平均需要電力の比率をいう)( 図4 参照)
3.供給力の確保
3.1 需給バランス
 電力は、需要に応じ安定的に供給する必要があるが、貯蔵することができないという特性を有しているため、常に最大需要電力の増加に対応し得るよう電源設備を計画的に開発しておく必要がある。
(1) 平成13年(2001年)度需給実績および平成14年(2002年)度需給バランス
 平成13年(2001年)度は梅雨明けが早く、7月から北日本を除き猛暑となり、8月に入っても一部では引き続き暑い日が続いたことから、北海道、東北を除く8社で過去最大電力の記録を更新した。また、7月24日に10社合成最大電力が1億8,238万kW(発電端)を記録し、2年連続の記録更新となった。また、需給バランスの基となる最大3日平均電力は10社計で1億7,499万kWとなり、2000年度に比べて3.0%の増となった。これに対し、供給力については、北日本を除く渇水や一部計画外停止があったものの、その他の電源設備がおおむね安定して運転されるとともに新規の電源が計画どおりに運転を開始したことなどから1億9,111万kWの供給力を確保し、供給予備率は10社計で9.2%であった。2002年度は、最大需要電力が10社合計で1億7,101万kWと見込まれるのに対し、供給力としては、新増設電源等の供給力増加対策を着実に推進することなどにより、2001年度実績に比べて160万kW増の1億9,271万kWを確保している。その結果、供給予備率は10社計で12.7%となる見込みである(表3)。
(2) 長期電力需給バランス
 長期的にも、今後10年間の電源の開発および供給力の適切な調達により、平成18年(2006年)度には1億9,980万kW、平成23年(2011年)度には2億1,704万kWの供給力を確保する計画となっている。その結果、最大需要電力に対して、2006年度で9.9%、2011年度で10.1%の予備率を有しており、安定供給が確保できる計画となっている(表4)。
 具体的な供給力としては、現在運転中の2億3,030万kW(平成14年(2002年)3月末現在)に加え、建設中の42基2,617万kWおよび着工準備中の39基3,140万kWが計画されている。さらに、2002年度電源開発基本計画に新規組み入れ9地点865万kW(水力4万kW、原子力861万kW)が希望されている。今後とも、将来の電力の安定供給確保の観点から、2003年度以降電源開発基本計画組み入れが希望されている電源等も含め、電源開発を計画的に遂行する必要がある。
3.2 電源構成の多様化
 本供給計画が実現した場合の平成23年(2011年)度末の発電設備の構成は表5および図5、発電電力量の構成は表6および図6に示すとおりである。
3.3 原子力開発計画
 平成23年(2011年)度までに13基1,749.7万kWが運転開始し、2011年度末において6,323.9万kWになると計画されている。また、平成14年(2002年)度には6基860.6万kWの電源開発基本計画への組み入れが希望されている。2011年度以降に運転開始する地点も含め、全体の原子力開発計画は表7のとおりである。
<図/表>
表1 電力需要見通し(一般電気事業者の電源対応需要)
表2 用途別需要電力量見通し(一般電気事業者の電源対応需要)
表3 平成14年度(2002年度)需給バランス
表4 今後の電源開発量と需給バランス
表5 発電設備構成の推移(一般電気事業用)
表6 発電電力量構成の推移(一般電気事業用)
表7 原子力開発計画
図1 電力需要の推移
図2 電源構成の推移
図3 電力化率の推移
図4 年負荷率の推移
図5 発電設備構成の推移(一般電気事業用)
図6 発電電力量構成の推移(一般電気事業用)

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<関連タイトル>
各種電源の特徴と位置づけ(1995年度末) (01-04-01-02)
電源別耐用年発電原価試算(1992年度運転開始ベースでの通商産業省の試算) (01-04-01-03)
電力需要の変遷と需要構造 (01-09-05-03)
平成13年度電力供給計画 (01-09-05-17)
日本の発電電力量と2010年度までの電力供給目標(1994年6月) (01-04-01-01)
長期エネルギー需給見通し(2001年7月・総合資源エネルギー調査会) (01-09-09-06)

<参考文献>
(1)経済産業省 資源エネルギー庁:平成14年度電力供給計画の概要、(2002年3月)
(2)舟木 隆:平成14年度電力供給計画、エネルギーフォーラム 2002年6月号(2002年6月1日)、pp.54-60
(3) 原子力は12基が運開予定、原子力産業新聞 第2131号、(社)原子力産業会議(2002年4月4日)、p.2
(4) 資源エネルギー庁:平成14年度電力供給計画について、

(5) 資源エネルギー庁:最近の電力需給の動向、電気事業分科会、第5回会合、資料3、http://www.meti.go.jp/policy/electricpower_partialliberalization/bunkakai/5th/5thshiryou3.pdf
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