<大項目> 放射線影響と放射線防護
<中項目> 原子力施設に係わる放射線防護
<小項目> 個人モニタリング
<タイトル>
個人モニタリング (09-04-07-01)

<概要>
 個人モニタリングは、放射線業務従事者被ばく線量線量限度を超えていないことを確認するために、外部被ばく内部被ばく、表面汚染等について、日常モニタリング、特殊モニタリングおよび事故時モニタリング等に区別し、1ヶ月または3ヶ月等の適切な間隔で行う。モニタリングの結果から実効線量が算定され、放射線業務従事者および作業の責任者へ通知され、各事業者から報告された記録は国の指定機関で保存管理されている。
<更新年月>
2004年03月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
1.個人モニタリング
 原子力施設および放射線施設等における作業者は、外部放射線源に起因する外部被ばく放射性物質吸入または経口摂取することによる内部被ばくおよび放射性物質による皮膚汚染を生ずる可能性がある。個人モニタリングの目的は、これらの被ばくによる作業者の被ばく線量が、線量限度(実効線量限度、等価線量限度)を超えていないことを確認することである。具体的には、作業者の着用した線量計等による被ばく線量の測定、作業者の体内または排泄物中の放射性物質の量の測定および表面汚染の測定ならびにそれらの測定値の検討等を個人モニタリングという。これらの結果は、放射線防護の最適化にも有用である。
2.被ばくの形態とモニタリングの方法
 個人モニタリングは、被ばくの形態に対応して以下のように分類され、それぞれに適応するモニタリングを行う。
(1)外部被ばくモニタリング
 施設における漏洩、散乱、透過等の外部放射線源に起因する外部被ばくのモニタリングで、各種の個人線量計を作業者に着用させ、被ばく線量を測定する。個人線量計は、作業環境における放射線の種類とエネルギーを考慮して選択する。また、個人線量計は作業内容たとえば部分被ばくが明らかな作業、特定方向からのビーム状被ばくの作業等を考慮して、適切な場所に必要個数を着用する。
(2)内部被ばくモニタリング
 作業環境中に放射化、飛散、遊離および漏洩等により、非密封状態で存在する放射性物質を経口あるいは吸入摂取する場合の内部被ばくモニタリングで、体内または排泄物中の放射性物質の量を測定する。体内の放射性物質の量を身体外部から測定する方法を体外計測法といい、主にガンマ線放出核種の測定に用いられる。身体全身を計測する全身計測装置(ホールボディカウンタ)、肺に沈着したプルトニウムから放出されるエックス線を測定する肺モニタ甲状腺に沈着したヨウ素を測定する甲状腺モニタ等がある。排泄物中の放射性物質の量の測定法をバイオアッセイ法といい、主に尿を試料とするが被ばくの形態および放射性物資の種類に応じて糞、鼻汁、唾液、痰、呼気等を試料とする場合もある。
(3)皮膚汚染モニタリング
 非密封状態の放射性物質取扱い作業中に、飛散、接触等により皮膚等が汚染する場合のモニタリングで、ハンドフットモニタ、汚染検査用サーベイメータ等により測定する。傷口が汚染された場合には、内部被ばくのモニタリングが必要になる場合もある。
 これらの個人モニタリングのほかに、事故時のモニタリングがある。
3.個人モニタリングのモニタリング期間
 モニタリングの期間は、その目的と被ばくの形態によってそれぞれ異なる。
(1)日常モニタリング
 一般に被ばく線量が低く、定常的な作業の場合に適用される。外部被ばくモニタリングは1ヶ月または3ヶ月、内部被ばくは3ヶ月、皮膚汚染は管理区域の入退域の都度である。なお、外部被ばくモニタリングにおいて、電子式線量計または熱ルミネッセンス線量計により、管理区域の入退域の都度行う場合もある。
(2)特殊モニタリング
  1)作業管理:一連の放射線作業たとえば燃料交換作業とか特定の装置のメインテナンス作業などの作業単位ごとの個人モニタリングを行う場合で、当該作業期間中のモニタリングを行う。
  2)被ばく確認:装置の故障、トラブル等により定常レベル以上の外部被ばくまたは内部被ばくのおそれがある場合に、その都度ごとにモニタリングを行う(内部被ばくモニタリングではこれを特殊モニタリングという場合もある)。
  3)代表者によるモニタリング:外部被ばくについては、一時立入者等で被ばく線量が100マイクロシーベルト以下である場合、内部被ばくについては、被ばくの可能性が低い場合等に、それらのグループの代表者についてだけモニタリングを行う。
4.個人線量の算定と記録の保管
 外部被ばくモニタリングおよび内部被ばくモニタリングによって得られた測定値から、それぞれ実効線量および等価線量および預託線量を算定し合算して作業者の個人線量を求め、線量限度を超えていないことを確認する。これらの記録は事業者が保管するとともに、作業本人、放射線作業の責任者に通知される。また、これらの記録は国の指定する機関(財団法人放射線影響協会)に引渡され、保管管理される。
<関連タイトル>
個人線量計の着用 (09-04-07-03)
個人線量データの管理 (09-04-07-04)
事故時放射線被ばくモニタリング (09-04-07-09)
実効線量のための測定 (09-04-03-17)
線量限度 (09-04-02-13)

<参考文献>
(1)International Atomic Energy Agency, Basic Requirements for Personnel Monitoring, IAEA Safety Series No.14 ( 1980 )
(2)盛光亘他編、外部被曝モニタリング 日本アイソト−プ協会、東京(1986)
(3)International Commission on Radiation Protection, General Principles of Monitoring for Radiation Protection for Workers. ICRP Publication 35 Ann. ICRP 9 (4). ( 1982 )
(4)丸山隆司他編、外部被曝における線量当量の測定評価マニュアル 原子力安全技術センター、東京(1988)
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