放射化

放射化 ほうしゃか

 中性子等の照射を受けた物質が放射性物質に変化すること。高エネルギーの中性子、陽子、重陽子、α粒子などの粒子線あるいはガンマ線が安定な物質の原子核と相互作用(吸収、散乱等)を行うと、放射性核種が生成し、物質は放射化する。特に、原子炉内の核分裂反応で生まれる中性子は電荷を持たず、物質の原子核と相互作用をしやすいので、照射された物質のほとんどは放射化される。放射化のしやすさと、放射化の後に放出する放射線は物質の構成元素ごとに異なっているため、この性質を応用した元素分析が行われている。この方法は放射化分析と呼ばれており、試料に原子炉あるいは加速器からの中性子や荷電粒子を照射し、放射化した物質の放出する放射線を分析することによって、試料中の微量な構成元素の特定を行うものである。


<登録年月> 2012年08月

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