被ばく線量

被ばく線量 ひばくせんりょう

 人体が放射線にさらされることを被ばくと呼び、被ばくした放射線の量を被ばく線量という。通常の放射線被ばく管理では、人体の吸収線量を表すグレイ(Gy)に放射線の種類ごとに定められた放射線荷重係数を乗じて算出した等価線量、等価線量に組織や臓器の放射線感受性を考慮した組織荷重係数を乗じて積算した実効線量が用いられ、いずれも単位はシーベルト(Sv)で表す。しかし、事故時などにおいて高線量被ばくによる急性影響に特有な生物学的効果を考慮して影響の程度を表す目的では、ガンマ線相当吸収線量(グレイ・イクイバレント)を用いるときもある。被ばく線量は、体外にある線源による外部被ばく線量と体内に取り込んだ線源による内部被ばく線量に分類され、その様式に応じて影響が評価される。天然放射線による人体の被ばく線量は地域によって異なるが、実効線量で表すと1年間に平均2.4mSvである。また、放射線や放射性物質を扱う場合の職業被ばくは、5年間で100mSv、かつ年間50mSvを限度とすることが放射線障害防止法で定められている。なお、ICRPの1990年勧告の法制度化以降、それまでの用語「線量当量」は「線量」に統一された。


<登録年月> 2007年08月

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