<大項目> 国際協力・原子力関連機関
<中項目> わが国の原子力関連機関
<小項目> 民間機関
<タイトル>
日本の主な原子力関連機関一覧 (13-02-02-01)

<概要>
 日本における主な原子力関連機関、すなわち原子力行政機関、国公立研究機関・独立行政法人・大学共同利用機関法人、および公益法人等を選定し、その主な業務について紹介する。ただし、大学については記述から除外した。
 なお、日本の原子力関連機関は、1999年9月に東海村で発生した(株)JCO燃料加工工場における臨界事故以降、原子力安全規制体制の改革、原子炉等規制法の改正、2001年1月の省庁再編成が実施された。また、国の行財政改革の一環として、原子力関連機関の再編、統合、新設、独立行政法人制度が導入された。このような再編は、原子力関連機関全体の業務の質の向上、活性化、効率性の向上、自律的な運営、透明性の向上等を図ることを目的としている。
<更新年月>
2006年01月   

<本文>
 原子力・放射線に係わる研究、開発、調査を実施している機関を示す(2006年1月現在)。
1.原子力行政機関(図1参照)
1.1 内閣府の所管
(1)原子力委員会:1956年に発足、1978年10月に原子力安全委員会を分離した。5名の委員で構成され、委員長には学識経験者が就任する。原子力開発長期計画の立案、原子力の研究、開発および利用に関する政策等の重要事項(安全確保に係わる重要事項を除く)を企画・審議・決定する。
(2)原子力安全委員会:1978年10月に原子力委員会から分離。文部科学省、経済産業省等の規制行政庁からの独立性や中立性と機能の強化を図りながら、活動を行う。原子力施設安全審査、原子力施設の設置許可の後の規制行政庁が行う「後続規制」活動を監視・監査、規制調査の実施、および指針類の整備、原子力災害対策など重要事項を企画・審議・決定。
1.2 各省の所管
(1)文部科学省:2001年1月の省庁再編成により、科学技術庁と文部省が統合。研究用原子炉の技術開発等(研究開発局)、加速器科学、核融合科学を含む先端的科学分野の研究開発等(研究振興局)、安全規制・防災対策等(科学技術・学術政策局)、保障措置実施のための規制、大学等における原子力教育と原子力研究の推進など、原子力関係の行政全般にわたる業務を所管する。(http://www.mext.go.jp/
○放射線審議会:文部科学省に設置。放射線障害の防止に関する技術的基準を定める場合の諮問機関。
○原子力安全規制等懇談会:文部科学省所管の研究炉等に関する試験研究炉等に係る安全確保、放射性同位元素等に係る安全確保、環境放射能対策および原子力防災対策等の検討。
(2)経済産業省:エネルギー全体の需給・調整、管理等を総括、および原子力発電産業と核燃料サイクル産業に関する原子力行政を所管。(http://www.meti.go.jp/
○資源エネルギー庁:経済産業省の外局。エネルギーに関する原子力政策、原子力に係る廃棄の事業の発達、改善及び調整(原子力政策課)、核原料物質及び核燃料物質の安定的かつ効率的な供給の確保、技術開発技術開発(核燃料サイクル産業課)の実施。審議会である総合資源エネルギー調査会は、エネルギー需給の見通し等を審議する需給部会、原子力政策・産業に係る電気事業分科会等で構成される。(http://www.enecho.meti.go.jp/
○原子力安全・保安院(NISA):原子力発電産業と核燃料サイクル産業に対する行政庁審査、規制と検査、保安確保、原子力防災対策の実施など。全国9ヶ所に産業保安監督部、全国21ヶ所に原子力保安検査官事務所を持つ。
(3)国土交通省:放射性物質の船舶、車両、および航空機の輸送に関する安全行政および調査研究、海洋および大気中における放射能調査など。(http://www.mlit.go.jp/
(4)環境省:原子力発電所立地の環境影響評価。(http://www.env.go.jp/
(5)外務省:国際的な核不拡散体制強化のための国際協議に参画、外国の原子力政策、核不拡散防止政策の調査など。(http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
2.国公立研究機関・独立行政法人(独)・大学共同利用機関法人
2.1 文部科学省所管
(1)大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構(KEK):1971年に高エネルギー物理学研究所として設立。「国立大学法人法」の施行で2004年4月に法人化。素粒子原子核研究所と物質構造科学研究所を一体的に運営。大強度陽子加速器(J−PARC)の運営にかかわる基本協力協定を日本原子力研究所(現、日本原子力研究開発機構)との間で締結。(http://www.kek.jp/ja/index.html
(2)大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所(NIFS): 1989年に核融合発電の実現のための核融合プラズマに関する基礎的研究所として創設。2004年4月、国立天文台、分子科学研究所、基礎生物研究所、生理学研究所とともに「大学共同利用機関法人 自然科学研究機構」を発足。(http://www.nifs.ac.jp/index-j.html
(3)大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所:1949年設立。RI放射線を利用した遺伝学研究を行う。2004年4月、国立情報学研究所、統計数理研究所、国立極地研究所とともに 「大学共同利用機関法人情報・システム研究機構」を発足。
(4)(独)理化学研究所(RIKEN):1917年(財)理化学研究所として創設。2003年10月から文部科学省所管の独立行政法人へ。自然科学の総合研究所として、物理学、工学、化学、生物学、医科学等の広い分野で研究を実施。特に加速器研究施設を利用した重イオンビーム研究、RIビームファクトリー計画の遂行。(http://www.rarf.riken.go.jp/rarf/index-j.html
(5)(独)物質・材料研究機構(NIMS):金属材料技術研究所と無機材料研究所が2001年4月に統合。核融合炉の構造材料の研究、軽水炉の構造材料と高経年化の研究など。(http://www.nims.go.jp/jpn/
(6)(独)防災科学技術研究所(NIED):地震加重時の減肉配管の破壊過程解明、緩衝材の地震時加重下における動的特性の研究など。(http://www.bosai.go.jp/index.html
(7)(独)放射線医学総合研究所(放医研、NIRS):放射線による人体の障害・予防・診断・治療、および放射線の生物学的影響の研究。重粒子線によるがん治療臨床試行。放射線の医学的利用に関する調査および技術者の養成。
(8)(独)日本原子力研究開発機構(JAEA):2005年10月に原子力に関する基礎的研究および応用の研究並びに核燃料サイクルを確立するため総合的な原子力研究開発機関として、日本原子力研究所(原研)と核燃料サイクル開発機構(サイクル機構)が統合して設立。
 システム計算科学、核不拡散科学技術、原子力研修、原子力緊急時支援・研修、安全研究、先端基礎研究、原子力基礎工学研究、量子ビーム応用研究、核融合研究開発、次世代原子力システム研究開発、地層処分研究開発部門を持つ。研究開発拠点として、東海、大洗、敦賀、那珂、高崎、関西、幌延、東濃地、人形峠、および海外がある。(http://www.jaea.go.jp/
2.2 経済産業省所管
(1)(独)原子力安全基盤機構(JNES):原子力安全・保安院と連携し、原子力の安全確保に関する専門的・基盤的な業務を実施する機関として 2003年10月設立。原子力施設の検査等、安全性解析・評価、防災支援、安全確保に関する調査・試験・研究・情報提供等を実施。
(2)(独)産業技術総合研究所(AIST):電子総合研究所、地質調査所、機械技術研究所を含む工業技術院傘下15の研究所を2001年4月に再編成。計量の標準や地質の調査、産業基盤技術の研究・開発、エネルギー環境技術の研究。
2.3 国土交通省の所管
(1)(独)海上技術安全研究所:旧船舶技術研究所。放射性物質の海上輸送時安全、および舶用炉の熱水力特性の研究。(http://www.nmri.go.jp/
(2)気象庁気象研究所:放射性物質の大気圏・海洋・地表面環境における挙動の研究。(http://www.mri-jma.go.jp/Welcome-sjis.html
(3)(独)建築研究所:原子力施設の耐震安全性向上に関する研究。(http://www.kenken.go.jp/
2.4 農林水産省の所管
(1)(独)農業生物資源研究所 放射線育種場:農業生物資源研究所と蚕糸・昆虫農業技術研究所が統合。放射線照射による農作物の突然変異および品種改良に関する研究。3つの主要なガンマ線照射施設がある。
(2)(独)農業環境技術研究所:降下放射性物質の土壌中と作物中の移行の研究、放射性同位元素の高精度分析法を開発、RI標識化合物を利用した遺伝子の研究など。
(3)(独)食品総合研究所:放射線照射による農作物と食品保存の研究、および照射食品の安全性研究。
2.5 厚生労働省の所管
(1)国立医薬品食品衛生研究所:照射食品の検知方法、放射線照射による医療材料、放射線照射による微生物毒素低減、突然変異の誘発を促進する蛋白質の構造と機能、放射性医薬品の試験、および放射線リスク評価の研究など。(http://www.nihs.go.jp/index-j.html
(2)国立感染症研究所:旧国立予防衛生研究所。RIを利用した診断薬およびワクチン等の開発研究、ならびに宿主と病原体の相互作用に関する研究、放射線被ばくによる生体影響の評価法の開発など。(http://www.nih.go.jp/niid/index.html
(3)(独)国立健康・栄養研究所:RIトレーサーを利用した脂質代謝機構、放射線による生体老化機構、照射食品の栄養学的健全性の研究など。
2.6 その他
(1)科学警察研究所:内閣府警察庁の所管。放射化学の利用による微量物質の検出、RIと放射線を用いた科学捜査の研究。SPring−8の放射光を利用した蛍光X線分析による微量成分元素の分析(和歌山ヒ素カレー事件)など。 (http://www.nrips.go.jp/
(2)東京都立産業技術研究所、放射線利用施設駒沢庁舎 (TIRI):1970年4月、都立工業技術センターと都立アイソトープ総合研究所が統合して設立。放射線利用による品質改良、放射化分析法などによる公害調査など。
3.公益法人等
 公益法人等については、3.1 文部科学省の所管に10機関、3.2 経済産業省の所管に15機関、3.3 厚生労働省の所管に2機関あり、これを表1−1表1−2に示す。
<図/表>
表1−1 その他省庁所管の公益法人等(1/2)
表1−2 その他省庁所管の公益法人等(2/2)
図1 わが国の原子力行政

・図表を一括してダウンロードする場合は ここをクリックして下さい。


<関連タイトル>
日本における原子力行政の新体制(2001年) (10-04-01-01)
放射線医学総合研究所 (10-04-05-02)
産業技術総合研究所 (10-04-06-03)
日本原子力研究開発機構 (13-02-01-35)

<参考文献>
(1)日本原子力産業会議(編):原子力年鑑2001−2002、日本原子力産業会議(2001年11月)、p.418−452
(2)日本原子力産業会議(編):原子力ポケットブック2001年版、日本原子力産業会議(2001年8月)
(3)中央省庁等改革ホームページ:新体制一覧、http://www.kantei.go.jp/jp/cyuo-syocho/madoguchi.html(2002年1月24日)
(4)総務省、行政管理、独立行政法人・特殊法人、独立行政法人、独立行政法人一覧:http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/pdf/satei2_01_03.pdf
(5)内閣府原子力委員会ホームページ:原子力委員会の役割
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