放射線育種場

放射線育種場 ほうしゃせんいくしゅじょう

 放射線により誘発された突然変異を利用した作物の品種改良及びその効率的誘発のための基礎研究を行う施設をいう。新品種の育成に貢献する一方、突然変異誘発機構の解明・突然変異誘発技術の開発などの基礎的な研究を行っている。さらに、依頼を受けて照射を行うとともに、共同研究も進めている。放射線育種には、その作物には存在しない新形質の創出、目的形質のみの改良、交配の難しい作物の改良ができる等の利点がある。日本には農林水産省の放射線育種場が茨城県常陸大宮市にある。この施設は、2つの主要なガンマ線照射施設を備え、 ガンマフィールドは農作物及び果樹・林木等の植物に対して自然条件化でガンマ線を照射することを目的とした半径100mの円形圃場を有し、中央に88.8TBqの60Co線源を装備した照射塔があり、周囲を高さ8mの防護用の土堤で囲まれた野外緩照射用施設である。ガンマルームは室内急照射用の施設で、種子・球根・穂木などを短時間で照射するのに使われる。


<登録年月> 2011年10月

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