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<概要>
 除染設備は、管理区域に入室した者の身体表面または機器等が、放射性物質によって汚染した場合これを除去するため汚染検査室などに設備するもので、中性洗剤、酸化チタンペーストなどの除染剤と手洗い用流し、シャワーなどの洗浄設備がある。
<更新年月>
1998年05月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
1) 管理区域内で作業する場合、身体表面が放射性物質によって汚染しないよう専用の作業服、靴、手袋等を着用し、退出する場合は、管理区域入り口付近に設けられた汚染検査室で、身体表面の放射性汚染の有無をハンドフットモニタまたは表面汚染検査計で検査する。万一、身体表面が放射性物質によって汚染していた場合は、除染剤と洗浄設備を用いてこれを除去し、法令に定める値以下にしたのち管理区域から退出する。また、管理区域に持ち込んだ機器等についても同様に放射性汚染の有無を検査し、汚染があればこれを除去する。

2) 除染設備には、除染剤と洗浄設備がある。
 除染剤としては中性洗剤、酸化チタンペースト、オレンジオイルあるいは酸などの薬品類がある。また、洗浄設備としては手洗い用流し(肘か膝で水栓が開閉できるもの)、シャワー(身体用)、アイシャワー(洗眼用)がある。 表1 に主な除染設備を示す。

3) 一般的に放射性物質で汚染した場合は早期除染が重要である。例えば、身体に付着した放射性汚染を放置すれば、皮ふの被ばく、あるいはその汚染物を経口摂取することによる内部被ばく、などのおそれがある。
 身体表面の放射性汚染を除去する場合、中性洗剤等の除染剤を汚染した箇所にふりかけて、皮ふを傷つけないように注意しながらハンドブラシでこすり、大量の流水で十分に洗い流す。このとき、流水に温水を用いれば汚染の除去効果が高められる。また、傷口の汚染の場合は、直ちに大量の流水で洗い流す、あるいは傷口を開いて血をしぼりだす、などをしてから応急処置をするとともに医師等の診断を求める。なお、除染後は表面汚染検査計などで放射性汚染の無いことを確認することが大切である。

4) この他、管理区域に持ち込んだ小型の機器等が放射性物質によって汚染した場合も、身体除染と同様に除染するが、除染剤としては酸などの薬品類も使用される。また、大型機器等の場合は、専用の施設に運び込んで除染することもある。なお、機器や床等が短半減期の核種で汚染した場合は、汚染拡大防止の処置をしたのち減衰により放射能の消滅をまつこともある。
<図/表>
表1 主な除染設備
表1  主な除染設備

<関連タイトル>
放射線管理基準 (09-04-05-01)
表面汚染検査計 (09-04-03-08)
ハンドフットクロスモニタ (09-04-03-07)
皮膚放射能汚染モニタリング (09-04-07-08)
放射性物質の除染剤 (09-04-10-10)
表面汚染モニタリング (09-04-06-04)
搬出入物品の検査 (09-04-06-08)

<参考文献>
(1) 放射線管理の実際:日本アイソトープ協会(1989)
(2) アイソトープ便覧:日本アイソトープ協会(1970)
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