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<概要>
  原子力施設及び放射性同位元素の取扱い施設においては、床、機器・機具等に放射性核種による汚染が発生する可能性がある。このような放射性汚染は、作業者の被ばく
汚染の拡大を防止するため除染する必要がある。除染を効果的に行うために水、酸、無機塩、キレート形成剤、中性洗剤、石けんなどの除染剤が使用される。除染剤を使用する際の主な留意事項としては、早期除染、浸食性の少ない除染剤の使用、汚染物質の化学的性状に応じた除染剤の選択等が挙げられる。
<更新年月>
1998年05月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
  原子力施設及び放射性同位元素の取扱い施設においては、施設の運転及び非密封放射性物質の取扱い等により、施設の床、機器・機具等に放射性核種による汚染が発生することがある。放射性汚染は、作業者の被ばくと汚染の拡大を防止するために除染する必要があり、除染を効果的に行うために除染剤が使用される。除染剤は、除染対象物の種類及び汚染核種の種類及びその化学的性状等を考慮して選択することになるが、一般に、水、酸、無機塩、キレート形成剤、中性洗剤、石けんなどが用いられる。除染対象物の種類毎の除染剤の代表例を 表1 に示す。
 除染剤の役割は、(イ)汚染した表面を湿潤化し、(ロ)汚染源の放射性核種を固体表面から遊離させ、(ハ)再汚染を防止しながらこの放射性核種を取り除くことである。
  次に、除染剤を使用するに当たっての一般的留意事項を以下に示す。
(1) 汚染発生後短時間のうちに除染を行う。汚染直後の除染の場合、水洗するだけで容易に効果をあげることが多い。汚染後の時間が経過し、乾燥状態になると著しく除染が難しくなる。
(2) 化学的に表面状態を侵すことの少ない除染剤から利用する。例えば、金属元素の放射性核種によって汚染した機器・機具の除染を行うに当たっては、まず、水または薄い中性洗剤溶液で洗う。これで除染できない場合は、キレート形成剤溶液で洗浄し、それでも除染できない場合には10%の硝酸溶液で除染する。ただし、浸食性の強い除洗剤は、物体表面を損傷しやすいので注意が必要である。
(3) 炭素14やヨウ素131 による汚染に対しては、硝酸等の酸性の除染剤では汚染核種がガス化する可能性があるので、使用をさけなければならない。
(4) 汚染の拡大を防止するために、除染剤の使用は最小限とし、汚染核種の存在が確認されたときは、まず、濾紙や布片でふきとってから除染剤を使用する。
(5) 除染作業に使った除染剤、資材などは、放射性廃棄物になるので、あらかじめこれらの廃棄物を散逸させないように別の容器等を準備しておくことが必要である。
<図/表>
表1 除染対象物の種類毎の代表的な除染剤
表1  除染対象物の種類毎の代表的な除染剤

<関連タイトル>
表面汚染モニタリング (09-04-06-04)
皮膚放射能汚染モニタリング (09-04-07-08)
除染設備 (09-04-10-07)
表面汚染検査計 (09-04-03-08)

<参考文献>
(1) 日本アイソトープ協会編:「ラジオアイソトープ 基礎から取扱いまで」(1980)
(2) 日本アイソトープ協会編:「改正2版医療用アイソトープの取扱いと管理」(1980)
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