<概要>
搬出物品の検査は、
管理区域で使用した器具、工具等の表面汚染の測定を行い、法令に定められている基準値以下であることを確認することにより一般環境への汚染の拡大を防止することを目的として行っている。また、搬入物品については、本来
汚染検査の必要はないはずであるが、念のため搬入前の汚染をチェックするため、物品等の搬入時にも汚染検査を行う場合もある。
<更新年月>
2004年03月 (本データは原則として更新対象外とします。)
<本文>
(1)一時的に持ち込んだ書類、工具、測定器等の物品を搬出する場合には、法令に定められている基準値以下であることを確認するため、その物品に付着している
放射性物質の
表面密度の測定が行われる。汚染が検出された場合には、その物品の表面密度が法令の持ち出し基準である
表面密度限度の1/10以下になるように汚染を除去し、一般環境への放射性汚染の拡大を防止する。
(2)搬入物品の検査は、放射性物質による汚染が管理区域内で生じたのかどうかを判別するために管理区域搬入前に行うもので、必要に応じて放射性物質輸送容器等について行われる。
(3)放射線作業の種類が多く、検査対象物品が少ない場合はこれらの検査、測定は、管理区域の入り口付近に設けられている
汚染検査室の表面汚染検査用
サーベイメータを用いて行われる。表面汚染検査用サーベイメータにはアルファ線及びベータ線測定用のものがあり、これらのサーベイメータで搬出入物品の表面密度を測定する。
表1に表面汚染検査用サーベイメータの主な性能の例を示す。
(4)
原子力発電所の定期点検作業や施設の解体等で多量の物品の搬出がある場合、汚染検査業務の省力化を目的とした搬出物品自動汚染検査装置(搬出物品モニタ)が用いられる。
<図/表>
<関連タイトル>
表面汚染モニタリング (09-04-06-04)
放射線管理基準 (09-04-05-01)
管理区域 (09-04-05-03)
除染設備 (09-04-10-07)
表面汚染検査計 (09-04-03-08)
<参考文献>
(1)日本アイソトープ協会:新ラジオアイソトープ講義と実習(1989)
(2)原子力安全技術センター:放射性表面汚染の測定・評価マニアル(1988)
(3)辻本 忠、草間朋子:放射線防護の基礎、第3版、日刊工業新聞社,(2001)