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<概要>
 原子力発電の第2番目の敦賀発電所(BWR 型)に4月設置許可がおりる。また東海発電所は9月に営業運転に入った。12月には、関西電力の美浜発電所1号炉及び東京電力の福島第一1号炉の設置許可がおりた。6月に原子力委員会は、動力炉開発のために臨時推進本部を設け、高速増殖炉及び新型転換炉の開発をスタートさせる。米国の核燃料民有化を受けて、わが国でも民有化ができるように原子力委員会は9月に日米原子力協力協定の改訂を決めた。三菱、日立、東芝などは、燃料製造プラントの建設の準備を進める。海外では、フランスでラ・アーグ燃料再処理工場が6月に操業開始、またピエールラットにウラン濃縮工場が完成した。8月には、シノン原子力発電所 EDF-3(48万kw)が送電を開始した。一方、カナダのダグラスポイント原子力発電所(天然ウラン重水減速型、21万kw)も11月に臨界になる。
<更新年月>
1998年03月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
1.内外の原子力関係の出来事
月日 国内 国外
1966年
(昭和41年)
1月   ソ連ノボボロネジ原子力発電所1号炉( PWR)、予定出力(21万kW)を上回る24万kWに成功
1/11 原産開発計画委員会、「電力需要と原子力発電の長期見通し」をまとめる。1985年までの原子力発電開発は4276万kW、今世紀末までに1億6445万kW  
1/28 地質調査所、岐阜県東濃地区のウラン鉱を約300万トンと推定  
1/29 原子力船事業団、米B&W社に第1船用動力炉の予備設計と見積を依頼  
2/2   AEC、濃縮ウランの供給拡大を声明
2/9 原燃プルトニウム燃料開発室,プルトニウム酸化物ペレット製造に成功 英、ドーンレイ高速増殖原型炉(25万kW)の建設を決定
米エジソン電気協会、プルトニウムの軽水炉利用でGE、WH両社に研究委託
2/14 佐藤首相、参議院決算委で、原子力空母の寄港は安全を確認すれば認めると答弁  
3/1   仏シノン原子力発電所EDF−3臨界(天然ウラン黒鉛減速型、48万kW)
3/3   米ピーチボトム原子力発電所臨界(4万kW)
3/22 原研(現日本原子力研究開発機構)JRR−4、2500kW定格出力を達成  
3/29 原子力委、動力炉開発懇談会に動力炉開発方針提示し了承される  
4/22 原子力委原子炉安全審査会、原電敦賀発電所(日本第1号BWR発電炉、32万2000kW)設置許可  
4/25   ENEAドラゴン計画の高温ガス冷却炉、設計熱出力2万kWに到達
4/27 関西電力、美浜発電所1号炉に米WH社の30万kW級2ループPWR採用を決定、日本第1号PWR発電炉  
5/3   東独初の原子力発電所送電開始(PWRR、7万kW)
5/11 東京電力、福島発電所1号炉に米GE社のBWR採用を決定  
5/13 原研JRR−2、わが国で初めて試作された板状燃料5体(90%濃縮ウラン)装荷  
5/14 原電敦賀発電炉、炉本体は米GE社と契約、格納容器・圧力容器は国産  
5/24 電力中研、米APDA(フェルミ炉照射孔借用照射)及び米エジソン電気協会(プルトニウム燃料開発)との協力計画の契約締結  
6/1 東京電力、福島原子力発電所設置の許可申請。12/1許可  
6/2 原子力委、動力炉開発臨時推進本部設置を決定。また下部組織として高速増殖炉、新型転換炉2つのグループを設置  
6/13 関西電力、美浜原子力発電所設置の許可申請。12/1許可  
6/17   米のTVA、110万kW2基の発電炉の採用を決定
6/21 三菱原子力工業、茨城県東海村に「原子燃料製作所」建設の許可申請  
6/22 日立・東芝・米GE合弁の日本ニュクリア・フュエル社の設立で調印  
6/29 電力中研日本フェルミ炉委、米エジソン電気協会との高速増殖炉開発研究計画提携内容を承認、米APDAへ技術者派遣を決定。9/29日本フェルミ炉委APDA派遣研究員第1陣出発  
日本エネルギー経済研究所(理事長有澤廣巳)発足  
6/30   仏のラ・アーグ燃料再処理工場操業開始
6月   仏のビエールラット・ウラン濃縮工場の高濃縮工程完成
6月   米GE社のプルトニウム燃料高速増殖実験炉SEFOR臨界
7/7   ユーロケミック核燃料再処理工場開所
7/14 原子力委、原子力第1船は国内技術を主体とする原子炉を搭載すると発表  
7/25   米AEC、濃縮奨励で新政策発表
8/1 原子力局、原子炉関発課及び技術振興課を新設  
8/5   米のエンリコ・フェルミ原子力発電所、初発電に成功。10/5出力上昇試験中、燃料溶融事故を起し、運転停止
8/9 三菱金属工業、核燃料物質加工事業申請  
8/14   西独グンドレミンゲンのKRB原子力発電所(BWR、25万kW)臨界
8/26   西独ユーリッヒ、AVR原子力発電所の濃縮ウラン高温ガス冷却ペブルベッド炉臨界(1万5000kW)
8/27 京大原子炉、住友電工の成型加工による燃料で臨界  
8月   仏シノンのEDF−3送電開始
9/1 原電東海発電所、営業運転を開始(12万5000kW)  
9/7   英AEA、南ア連邦原子力庁と燃料製造で契約調印
9/8 原子力委、長期計画改訂の基本方針及び同専門部会の設置を決定。9/29設置 スイスのバーゼルで世界初の原子力見本市開催
9/12 原子力委、特殊核物質民有化の方針で日米原子力協定の改訂を決定  
10/3 原研JRR−2、初の国産中空燃料棒1体を装荷、照射試験開始  
10/18   仏・ベルギー共同計画のチューズSENA原子力発電所臨界(フラマトム製PWR、26万6000kW)
11/15 住友原子力工業、東海研究所開所 仏・西独、高中性子束原子炉の共同建設計画協定に調印(仏グルノーブルに建設。建設費50%ずつ負担)
カナダのダグラスポイント原子力発電所臨界(天然ウラン重水減速発電炉CANDU−PHW原型、21万8000kW)
12/1 東京電力福島第一1号炉及び関西電力美浜1号炉の設置許可  
12/9   伊原子力委と国防省、原子力船建造で合意成立(排水量1万8000トン、原子炉は熱出力8万kWのPWR、兵員補給艦)
12/13 原子力委動力炉開発推進本部、高速増殖炉実験炉の研究開発・設計建設計画について高速炉分科会に諮問、同時に新型転換炉原型炉の概念設計の原子力5グループヘの発注分を決定  
12月   ユーラトム委員会、英AEAとドーンレイ高速炉で燃料及び材料の照射実験を行うための協定に調印
12月   米ソで、104番目の元素ラザフォージウム(Rf)の生成に成功


2.社会一般の出来事
月日 国内 国外
1966年
(昭和41年)
2/3   ソ連月ロケット、ルナ9号月面軟着陸に成功
3/16   米の有人人工衛星、35分間のドッキングに成功
4/5 東京大学に大型計算機センター設置(共同利用)  
5/16   中国で文化大革命はじまる
6/2   米サーベイヤー1号、月面軟着陸に成功
7/4 閣議、新東京国際空港の建設地を千葉県成田市三里塚に決定。7/5関係政令公布  
7/20   英首相ウィルソン、ポンド危機打開のための緊縮政策(全税金10%上昇など)を発表
8/4 厚生省(現厚生労働省)公害審議会、中間報告を提出(公害に関する政府と企業の無過失責任の原則を強調)。10/7第1次答申(限度を越えれば企業側に賠償責任)  
8/10 関西電力で夏季最大電力が冬季を上廻る(全国ではじめて)  
8/22 第11回太平洋学術会議(〜9/8)1926年以来40年ぶりに東京で開催(参加国60、参加者5906人、発表論文約2000)  
8/26 閣議、石炭業の長期安定策決定(7/25の石炭鉱業審議会最終答申に基づくもの)  
9/7 石川島播磨横浜工場でタンカー出光丸(20万9000トン)進水  
10/8 岩手県松川で地熱発電所完成、送電開始(9500kw)  
10/31 中教審、「後期中等教育の拡充整備について」最終答申(技能学科・家政高校の設置など多様化を強調)  



<関連タイトル>
沸騰水型原子炉(BWR) (02-01-01-01)
加圧水型原子炉(PWR) (02-01-01-02)
原子力発電技術の開発経緯(PWR) (02-04-01-01)
重水減速沸騰軽水冷却型原子炉 (03-02-02-01)
日本における高速増殖炉開発の経緯 (03-01-06-01)
新型転換炉開発の経緯 (03-02-06-01)


<参考文献>
(1)森 一久編:原子力年表(1934-1985)、日本原子力産業会議(1986年11月18日)、丸ノ内出版(発売)、中央公論事業出版(制作)
(2)原子力委員会(企画)、原子力開発三十年史編集委員会編:原子力開発三十年史、日本原子力文化振興財団(昭和61年10月26日)
(3)森 一久編:原子力は、いま(上巻)−日本の原子力平和利用30年−、日本原子力産業会議(1986年11月18日)、丸ノ内出版(発売)、中央公論事業出版(制作)
(4)科学技術庁原子力局(監修):原子力ポケットブック・1996年版、日本原子力産業会議(1996年4月26日)

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