<大項目> 国際協力・原子力関連機関
<中項目> わが国の原子力関連機関
<小項目> 政府関連機関
<タイトル>
放射線影響協会(REA) (13-02-01-24)

<概要>
 (財)放射線影響協会(REA:以後、「放影協」と略称する。)は、1960年(昭和35年)に放射線量と健康及び環境に及ぼす影響に関する調査研究等を目的に創設された。1977年(昭和52年)には放射線作業従事者の被ばく線量等を管理する「放射線従事者中央登録センター」が設置された。2011年(平成23年)3月時点の原子力利用に関する登録者は約46万人、放射線利用に関する登録者は約5.5万人である。1990年(平成2年)、放射線業務従事者の放射線被ばく線量と健康との関係を調べる「放射線疫学調査センター」が設置された。この調査は、放影協が管理する日本の放射線作業従事者約20万人に関する健康の追跡調査である。調査研究には、計画的な国際放射線防護情報の調査、また国際放射線防護委員会(ICRP)、国際原子力機関(IAEA)等の国際委員会活動に参加して対応方針等の調査がある。これら業務の成果は、広報誌「放影協ニュース」及び放射線の平易な解説書「放射線の影響がわかる本」、「放射線影響・放射線防護用語辞典」を出版し一般の放射線への理解と啓蒙を進めている。
<更新年月>
2011年12月   

<本文>
1.目的と組織
 1960年(昭和35年)、財団法人 放射線影響協会(放影協)(Radiation Effects Association:REA)は、放射線量と健康及び環境に及ぼす影響に関する調査研究とその助成及び関連情報の普及を目的に創設された。本部は東京にある。
 1977年(昭和52年)には原子力発電所等で働く放射線業務従事者を対象に、被ばく線量の一元的な登録管理と記録を保管する「放射線従事者中央登録センター」が設置された。
 さらに1990年(平成2年)、放射線業務従事者の放射線被ばく線量と健康との関係を調べる「放射線疫学調査センター」が設置された。
 図1に組織を示す。2011年度(平成23年)では会長と理事長は非常勤、常勤理事3名である。評議員は20〜25名を置くことができる。「放射線従事者中央登録センター」では、次の二つの法律、放射線障害防止法(RI法)と原子炉等規制法(炉規法)による登録データを管理する。「国際情報調査室」は、主に国際的に放射線量と健康等に関するデータを収集・解析する。「放射線疫学センター」は、主に文部科学省から受託した調査を進める。
2.業務と資金(予算)
2.1 設立の目的を達成するための事業
(1)放射線影響に関する知識の普及啓発
(2)放射線影響に関する調査研究及びそれへの助成
(3)放射線による障害の防止及び放射線の医学的利用に関する調査研究、及びそれへの助成
(4)放射線影響に関する学術集会に対する協力
(5)放射線影響に関する内外の研究機関、団体との連絡及び協力
(6)放射線業務従事者等の放射線被ばく線量等に関する情報の収集、登録及び管理
2.2 事業資金(予算)
 事業は、主に事業に伴う収入と賛助会費で賄われる。図2に2006(平成18年)〜2011(平成23年)年の主な収入を年度ごとに示す。受託金収入は、文部科学省から受託した原子力発電施設等従事者追跡健康調査等委託費及び原子力利用安全対策等委託費で、2006年の446百万円から2011年の240百万円に大幅に低下している。会費収入には賛助会費とICRP会費を合わせ、約16百万円でほぼ横ばい状態である。特別会計は原子力事業分とRI事業分を合わせ2006年の264百万円から2011年の317百万円に増加している。年度別の収入合計額は減少傾向にある。
3.業務実績
 2010年度(平成22年度)の事業報告書を中心に述べる。
3.1 助成・顕彰業務など
(1)助成:放射線の生物や環境への影響、放射線の利用と障害防止等の調査研究への助成金の交付である。1961年(昭和36年)から2010年度の6件を合わせ360件に助成金が交付された。
(2)顕彰:平成22年度は放射線影響研究功績賞1名、放射線影響研究奨励賞2名がある。
そのほか、国際学会等への参加、研究者の招聘等への助成がある。
3.2 ICRP調査・研究業務
 2010年度(平22年度)は、ICRPの「2007年勧告」等について、日本のICRP委員の活動を支援し連絡委員会を3回開催すると共に放射線防護関係者を対象に報告会を1回開催した。報告会の内容や関連資料は報告書にまとめられている。
3.3 被ばく線量登録管理業務
 「放射線従事者中央登録センター」の業務である。原子炉等規制法適用事業所を対象の業務内容を表1に示す。また、放射線障害防止法等適用事業所を対象とした業務内容を表2に示す。
 そのほか、例年被ばく線量登録管理制度推進協議会を開催し、データ評議会を開催して公表データ(標準統計資料)を整理検討し、結果を広報誌「放影協ニュース」で公表している。
3.4 調査研究業務
 文部科学省から受託した調査研究である。
(1)原子力発電施設等従事者等に係る疫学的調査
 この調査は、「放射線疫学調査センター」が担当する日本の放射線作業従事者の約20万人に関する健康の追跡調査である。平成22年は第V期5ヵ年計画の初年度であり、原子力発電施設等放射線業務従事者等追跡健康調査、国際放射線疫学関係情報調査、委員会による検討等によって進められている。
(2)国際放射線防護調査
 日本の放射線管理は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告や、国際原子力機関(IAEA)が策定した国際基準を基にしている。これらは、国の行政、放射線管理等に直接関係することから、適切に情報を整理し対応方針を検討する必要がある。このため、計画的に国際放射線防護情報を調査し、またICRP、IAEA等の国際委員会活動に参加して対応方針等を調査検討する。
3.4 広報活動
 広報誌「放影協ニュース」及び放射線の平易な解説書「放射線の影響がわかる本」、「放射線影響・放射線防護用語辞典」等を出版し一般の放射線への理解と啓蒙を進めている。「放影協ニュース」と「放射線影響・放射線防護用語辞典」は、インターネットのホームページにオンラインで公開されている。
(前回更新:2005年9月)
<図/表>
表1 原子炉等規制法適用事業所が対象の業務内容
表2 放射線障害防止法等適用事業所が対象の業務内容
図1 組織図
図2 年度別収入(2006〜2011年度)

・図表を一括してダウンロードする場合は ここをクリックして下さい。


<関連タイトル>
米国ハンフォード原子力施設従事者の疫学調査 (09-03-01-02)
日本の放射線技師の疫学調査 (09-03-01-03)
個人線量データの管理 (09-04-07-04)
放射線管理手帳 (09-04-07-06)
放射線影響協会・放射線疫学調査センター (13-02-01-25)
放射線影響協会・放射線従事者中央登録センター (13-02-01-26)
放射線影響研究所 (13-02-01-27)

<参考文献>
(1)放射線影響協会、ホームページ、放影協の寄付行為(定款)、

(2)放射線影響協会、ホームページ、事業報告書(平成22年)

(3)放射線影響協会、ホームページ、収支計算書(平成22年度)

JAEA JAEAトップページへ ATOMICA ATOMICAトップページへ