<大項目> 原子力発電
<中項目> 海外の原子力発電所
<小項目> 海外の原子力発電所(概況)
<タイトル>
海外の原子力発電所の現状(2000年) (02-06-01-04)

<概要>
 世界の原子力発電所は、2000年12月31日現在、運転中の原子力発電所は430基(合計出力:36,334万kW)、建設中は43基(4,144万kW)、計画中は41基(3,134万kW)で、総計514基、合計出力は43,612万kWであった。
 2000年に新たに8基(インド4基、フランス2基、スロバキア、パキスタン各1基)が営業運転を開始し、4基が閉鎖した。過去5年間についてみると、営業運転開始基数は減少傾向を示していたが、2000年は久し振りに上昇に転じた。また、建設中も含めるとインドの躍進が目立った。
<更新年月>
2001年09月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 日本原子力産業会議(現日本原子力産業協会(原産))は、世界の原子力発電所の動向調査を毎年「世界の原子力発電開発の動向」として取りまとめている。今回の調査は、原産が世界31か国・地域の70の電力会社等から得たアンケートの回答にもとづき、2000年末現在のデータを集計したものである。それによると運転中が430基(36,334万kW)、建設中が43基(4,144万kW)、計画中が41基(3,134万kW)で、合計514基(43,612万kW)である。
 現在の主な原子力発電所の現状として、 表1 に世界の原子力発電開発の現状を、 表2−1表2−2 および 表2−3 に世界の炉型別原子力発電設備容量(運転中、建設中、計画中)を、 図1 に世界の原子力発電設備容量を、 図2 に世界の運転中原子力発電設備容量の推移を示す。
 原子力発電所(運転中)の設備容量と基数を国別に見ると、米国が1位、ついでフランス、日本、ドイツ、ロシア、韓国、英国、ウクライナ、カナダ)、スウェーデンの順で、韓国は6位に一つ上がった。中国は18位から20位に下がった(表1および図1参照)。
 一方、IAEAが発表している世界の原子力発電所の設備容量ネット電気出力)および発電電力量を 表3 に示す。この表には、原子力発電の総発電に占める割合が記されている。フランスにおける原子力発電の占める割合は76.4%で一位、ついでリトアニア(73.7%)、ベルギー(56.8%)、スロバキア(53.4%)、ウクライナ(47.3%)の順で、日本は33.8%で12位である。比較的東欧諸国において、原子力発電の占める割合が大きい。全体を見渡して、原子力発電によって供給される電力が総電力量の25%を上廻っている国が16ある。
1.営業運転開始および新規着工
 2000年に新たに営業運転を開始した原子力発電所は、インドのカイガ1,2号機(PHWR、各22万kW)およびラジャスタン3、4号機(同)、フランスのショーB1、2号機(PWR、各151万6000kW)、スロバキアのモホフチェ2号機(VVER、44万kW)、パキスタンのチャシュマ(PWR、32万5000kW)の8基。8基のうち5基をアジアが占めた。また、過去5年間をみると営業運転を始める基数は減少傾向を示していたが,久し振りに上昇に転じた。
 着工についても、アジア地域がほぼ独占した形になった。2000年に新たに着工した5基は、朝鮮半島エネルギー開発機構KEDO)が北朝鮮で建設を進めている韓国標準型炉2基(PWR、各100万kW)、インドのタラプール3、4号機(PHWR、各100万kW)、中国の田湾2号機(PWR、106万kW)である。
2.閉鎖および運転休止
 今回の調査で閉鎖を確認したのは、ウクライナのチェルノブイル3号機(LWGR、100万kW)、英国のヒンクリーポイントA1、2号機(GCR、32万1000kW)、ドイツのミュルハイム・ケールリッヒ(PWR、130万2000kW)の4基。1986年に起きたチェルノブイル4号機の事故後、運転を続けていた同3号機が閉鎖されたことにより、同発電所にあった原子炉4基すべてが閉鎖されたことになる。英国のヒンクリーポイントA1、2号機は、英国原子燃料公社(BNFL)が2000年5月に打ち出したガス炉閉鎖計画に基づき閉鎖された。また、訴訟により10年以上運転を休止していたドイツのミュルハイム・ケールリッヒが正式に閉鎖された。2000年6月に連邦政府と大手電力が運転中の原子力発電所に発電電力量の制限を設けることで合意した際に、休止中の同機にも発電電力量を割り当てることとひきかえに、閉鎖することになっていた。
3.欧米における原子力発電所建設の機運
 電力市場の自由化が加速する欧米で、競争力の強化をめざした吸収合併が相次ぎ、米エクセロン・ジェネレーション社、独RWEパワー社、E.ONエネルギー社を代表とする巨大企業が誕生した。
 フィンランドで、2000年11月に新規原子力発電所の建設が政府に申請された。申請元のTVO社は、原子力発電の供給安定性や経済性を評価しており、自由化された北欧市場では原子力を最適な電源と位置付けている。
 米国でも原子力発電所の運転実績が着実に向上しており、2000年の平均設備利用率は89.6%を記録し、過去最高を更新した。また、平均生産コストも他電源をおさえトップになるなど、各種指標にも大きな改善が見られるため、原子力発電所に対する評価が高まってきている。既存の原子力発電所の運転認可を60年に延長しようという動きも出てきており、これまでにカルバート1、2号機、オコニー1、2、3号機の5基が20年の延長を認められている。この他に、9基の原子力発電所が2000年にNRCに運転認可の更新を申請または表明している。さらに、認可更新を予定している原子力発電所は計28基に及んでいる。
<図/表>
表1 世界の原子力発電設備容量
表2−1 世界の炉型別原子力発電設備容量(運転中)(1/3)
表2−2 世界の炉型別原子力発電設備容量(建設中)(2/3)
表2−3 世界の炉型別原子力発電設備容量(計画中)(3/3)
表3 世界の運転中および建設中の原子力発電所(2000年)
図1 世界の原子力発電設備容量
図2 世界の運転中原子力発電設備容量の推移

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<関連タイトル>
世界の原子力発電の動向・アジア(2005年) (01-07-05-02)
世界の原子力発電の動向・中東(2005年) (01-07-05-03)
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世界の原子力発電の動向・西欧州(2005年) (01-07-05-07)
日本の原子力発電所の現状(1999年) (02-05-01-03)
海外の原子力発電所の現状(1998年) (02-06-01-03)

<参考文献>
(1) (社)日本原子力産業会議(編集発行):世界の原子力発電開発の動向 2000年次報告(2001年6月)
(2) IAEA Press Centre:ホームページ
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