原子力発電所の規模を表す概念であり、単位時間当たりに生産可能な電気エネルギーの量(電気出力、単位はkW、MWなど)で表示する。電気出力には発電機出力で表示した発電端出力(グロス電気出力ともいう)と、発電所内で使用する電気を控除した送電端出力(ネット電気出力ともいう)とがあるが、通常は発電端出力で表示する。わが国では原子炉等規制法により、原子力発電所の設置許可においては原子炉の最大熱出力である定格熱出力を許可対象にすることを定めている。一方、電気出力については電気事業法に基づき、電気事業者は海水温が上昇し発電効率が低下する夏季に定格熱出力で運転した場合に発生しうる電気出力を定格電気出力として届け出ることになっている。従来、発電所では年間を通し定格電気出力を保って運転し、原子炉の熱出力を追従させる「定格電気出力一定運転」方式がとられてきた。しかし、発電設備の有効利用の観点から、欧米では年間を通し定格熱出力を保って運転し、電気出力を追従させる「定格熱出力一定運転」方式が一般化しているため、わが国で導入した場合の安全性に関する検討を行った。その結果を踏まえて、平成14年以降は「定格熱出力一定運転方式」が多くの発電所で行われている。