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<概要>
 核燃料サイクル開発機構、東海事業所(現日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所)再処理施設からの1977年度から2002年度における放射性液体廃棄物の放出量はいずれも放出基準以下であった。高放射性濃縮廃液は高放射性濃縮廃液貯槽に保管し、一部、ガラス固化処理技術開発の開発運転で使用している。また、低放射性廃液は各種貯槽に保管している。
<更新年月>
2004年05月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
1.核燃料サイクル開発機構(旧、動力炉・核燃料開発事業団(現日本原子力研究開発機構)または旧、動燃)の東海事業所の再処理施設における放射性液体廃棄物の放出は、同施設の保安規定に定める放出基準を超えないよう放出管理をすることにしている。放射性液体廃棄物のうち高放射性濃縮廃液については、高放射性廃液貯槽に保管し、1995年12月から一部、ガラス固化処理技術の開発運転で使用している。また、低放射性濃縮廃液、スラッジおよび廃溶媒については、各種貯槽に保管している。
2.東海事業所の再処理施設における1977年度〜2002年度の放射性廃棄物管理状況は、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」に基づく放射線管理報告書等よりとりまとめた。
 1977年度〜2002年度における放射性液体廃棄物の放出量を表1-1表1-2及び表1-3に示す。これらの結果によると、同施設からの放射性液体廃棄物の放出量は、いずれも放出基準以下であった。また、放射性液体廃棄物の貯蔵量を表2に示す。
3.再処理施設の放射性廃棄物の管理状況を示した表中の語句・記号等の意味は、以下の通りである。
 1)放出される放射性液体廃棄物の放射能は、全α放射能測定法、全β放射能測定法、液体シンチレーション法、γ線スベクトロメトリー等によって測定した値である。
 2)表中のN.D.は検出限界値以下を示す。
 3)なお、現在の再処理施設の運転状況および環境放射線の監視状況は核燃料サイクル開発機構ホームページで公開されている。
4.東海事業所再処理施設において、同施設が使用済燃料を用いて運転を開始した1977年から2003年までの処理量を図1にとりまとめた。
5.東海事業所再処理施設は、同施設内で低レベル廃液の固化処理を行ってきたアスファルト固化処理施設において、1997年3月11日に火災爆発事故が発生し、運転を中断した。その後、科学技術庁(現文部科学省)は、改革検討委員会を設置し、安全確保および情報公開のための改革検討を進めた結果、平成10(1998年)年10月1日、動力炉・核燃料開発事業団(現日本原子力研究開発機構)は新に核燃料サイク開発機構(JNC)として発足した。なお、再処理施設は2000年11月20日から再処理運転を再開している。
<図/表>
表1-1 放射性液体廃棄物の放出実績(1977年度〜1988年度)
表1-1  放射性液体廃棄物の放出実績(1977年度〜1988年度)
表1-2 放射性液体廃棄物の放出実績(1989年度〜1998年度)
表1-2  放射性液体廃棄物の放出実績(1989年度〜1998年度)
表1-3 放射性液体廃棄物の放出実績(2000年度〜2002年度)
表1-3  放射性液体廃棄物の放出実績(2000年度〜2002年度)
表2 放射性液体廃棄物貯蔵量
表2  放射性液体廃棄物貯蔵量
図1 東海事業所再処理施設の運転実績(1977年〜2003年)
図1  東海事業所再処理施設の運転実績(1977年〜2003年)

<関連タイトル>
東海再処理工場 (04-07-03-06)
東海再処理工場における火災爆発事故 (04-10-02-01)
東海再処理施設における放射性気体廃棄物管理状況(1977年度〜2002年度) (12-04-01-01)
東海再処理施設における放射性固体廃棄物管理状況(1977年度〜2002年度) (12-04-01-03)
動力炉・核燃料開発事業団(PNC) (13-02-01-12)

<参考文献>
(1)動力炉・核燃料開発事業団:動燃30年史、再処理工場の運転実績
(2)原子力安全委員会(編):平成7年版−平成14年版 原子力安全白書
(3)経済産業省原子力安全・保安院原子力安全技術基盤課(編):原子力施設運転管理年報 平成13年版−平成15年版、(社)火力原子力発電技術協会
(4)核燃料サイクル開発機構:
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