<本文>
1.核燃料サイクル開発機構(旧、
動力炉・核燃料開発事業団(現日本原子力研究開発機構)または旧、動燃)の東海事業所の再処理施設における放射性気体廃棄物の放出は、同施設の
保安規定に定める放出基準を超えないよう
放出管理をすることにしている。
2.東海事業所の再処理施設における1977年度より2002年度までの放射性気体廃棄物管理状況は、「
核原料物質、核燃料物質及び
原子炉の規制に関する法律」に基づく放射線管理報告書等よりとりまとめた。なお、1977年より2004年現在までの
使用済燃料の再処理量累計は約1042トンであった。
1977年度より2002年度までの放射性気体廃棄物の放出量を
表1に示す。これらの結果によると、同施設からの放射性気体廃棄物の放出量は、いずれも放出基準以下であった。
3.再処理施設の
放射性廃棄物の管理状況を示した表中の語句・記号等の意味は、以下の通りである。
1)放出される放射性気体廃棄物の
放射能は、全α放射能測定法、全β放射能測定法、液体シンチレーション法、γ線スベクトロメトリー等によって測定した値である。
2)表中のN.D.は検出限界値以下を示す。
3)なお、現在の再処理施設の運転状況、処理施設から放出されるクリプトン85の監視情報および
環境放射線の監視状況は核燃料サイクル開発機構ホームページで公開されている。
4.東海事業所再処理施設において、運転を開始した1977年度以降2003年度までの使用済燃料の再処理量を
図1に示す。
5.東海事業所再処理施設は、同施設内で低レベル廃液の
固化処理を行ってきたアスファルト固化処理施設において、1997年3月11日に火災爆発事故が発生し、運転を中断した。その後、科学技術庁(現文部科学省)は、改革検討委員会を設置し、安全確保および情報公開のための改革検討を進めた結果、平成10(1998年)年10月1日、動力炉・核燃料開発事業団(現日本原子力研究開発機構)は新たに核燃料サイクル開発機構(JNC)として発足した。なお、再処理施設は2000年11月20日から再処理運転を再開している。
<図/表>
<関連タイトル>
東海再処理工場 (04-07-03-06)
東海再処理工場における火災爆発事故 (04-10-02-01)
東海再処理施設における放射性液体廃棄物管理状況(1977年度〜2002年度) (12-04-01-02)
東海再処理施設における放射性固体廃棄物管理状況(1977年度〜2002年度) (12-04-01-03)
動力炉・核燃料開発事業団(PNC) (13-02-01-12)
<参考文献>
(1)動力炉・核燃料開発事業団:動燃30年史、再処理工場の運転実績、p.407
(2)原子力安全委員会(編):平成11年版−平成14年版 原子力安全白書、国立印刷局
(3)経済産業省原子力安全・保安院原子力安全技術基盤課(編):原子力施設運転管理年報 平成13年版−平成15年版、(社)火力原子力発電技術協会
(4)核燃料サイクル開発機構: