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<概要>
人形峠事業所における、昭和53年度〜平成10年度(1978年度〜1999年度)に亘る各年度毎の放射線業務従事者の平均被ばく線量は、線量限度を下回っている。
<更新年月>
2001年03月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃」という:元、核燃料サイクル開発機構(現日本原子力研究開発機構))の人形峠事業所製錬転換施設は、試験製錬所をもとにして昭和54年に建設工事が始まり、57年の運転開始と同時に施設内の放射線モニタリングおよび非定常作業に伴う放射線管理を開始した。管理区域で作業する放射線業務従事者(随時立ち入り者を含む)を対象として、被ばく線量の測定、管理をおこなった。外部被ばく線量の管理は、フィルムバッジを使用してきたが、昭和54年度からは精度の良い熱蛍光線量計TLD)に移行した。
 当該施設は製錬事業者として、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」に基づく昭和35年告示に定める許容被ばく線量( 3レム/3月、5レム/年)、及び、平成元年度告示の線量限度(1年間につき50ミリシーベルト)を超えないように管理することが義務付けられている。
 表1-1 には、昭和53年度から昭和63年度までの各年度毎の被ばく線量を、表1-2には、平成元年度から平成10年度までの各年度毎の被ばく線量を、放射線管理報告書に基づき一覧表にまとめたものである。
 取りまとめた結果、当該施設における昭和53年度から平成10年度の放射線業務従事者の被ばく実績は、いずれも線量限度を下回っていた。表の見方は次の通りである。
 1)「自社員」は当該事業所の職員及び研修員等を表し、「自社員外」は請負業者を表す。
 2)「総被ばく線量」については、「自社員」等それぞれの項目について小数点以下第一位を四捨五入して集計した。したがって、一部で「自社員」と「自社員外」との和が一致しないものがあるが、これは集計上の誤差である。
 3)平均被ばく線量については小数点以下第三位を四捨五入して集計した。
 4)本表における「0 」、「0.00」の意味は、それぞれ以下の通りである。
  総被ばく線量  「0 」  : 0 又は 0.5 未満
  平均被ばく線量 「0 」  : 0 
          「0.00」 : 0.005 未満
 なお、人形峠事業所(現、人形峠環境技術センター)の製錬施設は平成10年から解体工事に入っている。
<図/表>
表1-1 動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所における放射線業務従事者被ばく線量一覧(昭和53年度〜昭和63年度)
表1-1  動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所における放射線業務従事者被ばく線量一覧(昭和53年度〜昭和63年度)
表1-2 動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所における放射線業務従事者被ばく線量一覧(平成元年度〜平成10年度)
表1-2  動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所における放射線業務従事者被ばく線量一覧(平成元年度〜平成10年度)

<関連タイトル>
人形峠のウラン濃縮施設 (04-05-02-01)
動力炉・核燃料開発事業団(PNC) (13-02-01-12)

<参考文献>
(1) 科学技術庁 原子力安全局(編):原子力安全委員会月報、昭和54年10月
(2) 科学技術庁 原子力安全局(編):原子力安全委員会月報、昭和55年10月
(3) 科学技術庁 原子力安全局(編):原子力安全委員会月報、昭和56年11月
(4) 科学技術庁 原子力安全局(編):原子力安全委員会月報、昭和57年11月
(5) 科学技術庁 原子力安全局(編):原子力安全委員会月報、昭和58年 9月
(6) 科学技術庁 原子力安全局(編):原子力安全委員会月報、昭和59年 9月
(7) 科学技術庁 原子力安全局(編):原子力安全委員会月報、昭和60年 6月
(8) 科学技術庁 原子力安全局(編):原子力安全委員会月報、昭和61年 6月
(9) 科学技術庁 原子力安全局(編):原子力安全委員会月報、昭和62年 7月
(10)動力炉・核燃料開発事業団:動燃二十年史、1988年10月2日。
(11)原子力安全委員会(編):平成元年板 原子力安全白書、大蔵省印刷局(1989)
(12)原子力安全委員会(編):平成2年板 原子力安全白書、大蔵省印刷局(1991)
(13)原子力安全委員会(編):平成3年板 原子力安全白書、大蔵省印刷局(1992)
(14)原子力安全委員会(編):平成4年板 原子力安全白書、大蔵省印刷局(1993)
(15)原子力安全委員会(編):平成5年板 原子力安全白書、大蔵省印刷局(1994)
(16)原子力安全委員会(編):平成6年板 原子力安全白書、大蔵省印刷局(1995)
(17)原子力安全委員会(編):平成7年版 原子力安全白書、大蔵省印刷局(1996)
(18)原子力安全委員会(編):平成9年板 原子力安全白書、大蔵省印刷局(1998)
(19)原子力安全委員会(編):平成10年板 原子力安全白書、大蔵省印刷局(1999)
(20)原子力安全委員会(編):平成11年版 原子力安全白書、大蔵省印刷局(2000)
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