Thermoluminescence Dosimeter(熱ルミネセンス線量計)の略である。放射線照射された結晶性物質を加熱したときに生ずるルミネセンス(蛍光)を利用した線量計。放射線照射によって結晶内で分離した電子や正孔が、熱刺激によって再結合するときに発光する原理を利用したもの。読み取り装置はTLD素子を400°C付近まで加熱し、熱ルミネセンスの発光量を測定して放射線の照射量(積算線量)を求める。加熱により照射の影響を除かれるので、再使用が可能である。CaSO4、LiF、MgSiO4、CaF2、BeO等が多く用いられ、10−5Svから10Svまで測定できる。個人線量測定器としての需要がもっとも多いが、環境の積算線量測定にも利用される。