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<概要>
 平成12年度(2000年度)の実用発電用原子炉(原子力発電所)および研究開発段階にある発電の用に供する原子炉施設(発電用研究開発段階炉)における放射性廃棄物管理の状況を、放射性気体廃棄物放射性液体廃棄物及び放射性固体廃棄物についてまとめた。
 平成12年度の気体、液体廃棄物の放出量は、全ての原子力発電所(商業用)において放出管理目標値を下回っている。また、ふげん発電所および「もんじゅ」の両施設についても同様である。
 平成12年度末の全ての原子力発電所(商業用)における保管量は、ドラム缶換算で貯蔵設備容量845,600相当に対し約519,800本相当となっている。貯蔵設備容量に対する貯蔵割合は、61.5%である。また、ふげん発電所および「もんじゅ」の両施設における保管量は、ドラム缶換算で貯蔵設備容量23,000本相当に対し約1,900本相当となっている。
<更新年月>
2003年03月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
1.気体、液体廃棄物の放出量
(1) 実用発電用原子炉施設
 放射性気体廃棄物および放射性液体廃棄物の放出量は、全ての原子力発電所において「発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に関する指針」に従い、施設周辺の公衆の受ける線量目標値(年間50マイクロシーベルト)を達成するために安全審査の段階で評価され、そのときの放出量を年間放出管理目標値として保安規定に定め、これを超えないように管理されている。
 平成12年度の放出量は、全ての発電所において放出管理目標値を下回っている( 表1-1 および 表1-2 )。
 なお、一般公衆の実効線量については、「発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に対する評価指針」等に基づき評価を行った結果、年間1マイクロシーベルト未満であった。
(2) 研究開発段階にある発電の用に供する原子炉施設
 放射性気体廃棄物および放射性液体廃棄物の放出量は、原子炉設置許可時の審査の際に用いられた放出量を年間放出管理目標値として保安規定に定め、これを超えないように管理されている。
 平成12年度の放出量は、「ふげん発電所」および「もんじゅ」の両施設について、いずれも放出管理目標値を下回っている( 表2 )。
 なお、一般公衆の実効線量については、「発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に対する評価指針」等に基づき評価を行った結果、年間1マイクロシーベルト未満であった。
2.固体廃棄物の管理状況
 平成12年度の放射性固体廃棄物の管理状況は以下のとおりで、全ての原子炉施設において放射性固体廃棄物を貯蔵設備容量を超えて保管している施設はない。
(1) 実用発電用原子炉施設
 実用発電用原子炉施設の平成12年度の低レベル放射性固体廃棄物の発生量は、ドラム缶換算で約44,700本相当であった。一方、累積保管量は低レベル放射性廃棄物埋設センターへの搬出および焼却等の減容の効果から、約18,000本相当の増加となった。これにより
平成12年度末の実用発電用原子炉施設における保管量は、ドラム缶換算で貯蔵設備容量845,600相当に対し約519,800本相当となっている。貯蔵設備容量に対する貯蔵割合は、61.5%となった( 表3-1表3-2 および 表3-3 )。
 蒸気発生器保管庫は加圧水型原子力発電所における蒸気発生器取替えおよび原子炉容器上部ふた取替により発生した放射性固体廃棄物を保管する専用の保管庫であり、平成12年度には、3発電所で原子炉容器上部ふた取替により保管容器計362m3が発生した( 表4 )。
 使用済燃料プール、サイトバンカ、タンク等のは、使用済燃料棒、チャンネルボックス、使用済樹脂、シュラウド取替により発生した廃棄物の一部等が保管されている( 表5-1表5-2 )。
 固体廃棄物貯蔵庫では放射性固体廃棄物をドラム缶等に封入し保管管理されている。
 放射性固体廃棄物のドラム缶本数は、200リットルのドラム缶換算本数である。その他の種類の放射性固体廃棄物は、ドラム缶に詰められない大型機材等であり、その発生量および累積保管量等は200リットルのドラム缶換算本数で示した。
 発電所内減容とは、焼却および圧縮減量を合算したもので、発電所外減量とは、低レベル放射性廃棄物埋設センターへの搬出による減量を示す。
 蒸気発生器保管庫の放射性固体廃棄物については、取り外した蒸気発生器の保管基数および保管容器の容量で示した。
(2) 研究開発段階にある発電の用に供する減隘路施設
 ふげん発電所における平成12年度の低レベル放射性固体廃棄物の発生量は、ドラム缶換算で約700本相当であった。一方、累積保管量は焼却等の減容の効果から、約500本相当の増加となった。これにより、平成12年度末の保管量は、ドラム缶換算で貯蔵設備容量21,500本に対し約18,100本相当となっている。また、「もんじゅ」では低レベル放射性固体廃棄物が200本発生した。これにより、平成12年度末の保管量は、ドラム缶換算で貯蔵設備容量23,000本相当に対し、約1,900本相当となっている( 表6 )。
<図/表>
表1-1 平成12年度気体、液体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設)(1/2)
表1-1  平成12年度気体、液体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設)(1/2)
表1-2 平成12年度気体、液体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設)(2/2)
表1-2  平成12年度気体、液体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設)(2/2)
表2 平成12年度気体、液体廃棄物の管理状況(発電の用に供する研究開発段階炉)
表2  平成12年度気体、液体廃棄物の管理状況(発電の用に供する研究開発段階炉)
表3-1 平成12年度固体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設の固体廃棄物貯蔵庫)(1/3)
表3-1  平成12年度固体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設の固体廃棄物貯蔵庫)(1/3)
表3-2 平成12年度固体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設の固体廃棄物貯蔵庫)(2/3)
表3-2  平成12年度固体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設の固体廃棄物貯蔵庫)(2/3)
表3-3 平成12年度固体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設の固体廃棄物貯蔵庫)(3/3)
表3-3  平成12年度固体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設の固体廃棄物貯蔵庫)(3/3)
表4 平成12年度固体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設の蒸気発生器保管庫)
表4  平成12年度固体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設の蒸気発生器保管庫)
表5-1 平成12年度固体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設の使用済燃料プール、サイトバンカ、タンク等)(1/2)
表5-1  平成12年度固体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設の使用済燃料プール、サイトバンカ、タンク等)(1/2)
表5-2 平成12年度固体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設の使用済燃料プール、サイトバンカ、タンク等)(2/2)
表5-2  平成12年度固体廃棄物の管理状況(実用発電用原子炉施設の使用済燃料プール、サイトバンカ、タンク等)(2/2)
表6 平成12年度固体廃棄物の管理状況(発電の用に供する研究開発段階炉)
表6  平成12年度固体廃棄物の管理状況(発電の用に供する研究開発段階炉)

<関連タイトル>
原子力発電所における放射性廃棄物管理の動向(2005年度まで) (02-05-03-01)
平成11年度PWR型原子力発電所における放射性廃棄物管理の状況 (12-01-03-41)
平成11年度BWR型原子力発電所における放射性廃棄物管理の状況 (12-01-03-42)

<参考文献>
(1) 経済産業省原子力安全・保安院原子力保安管理課(編):平成13年版(平成12年度実績)原子力施設運転管理年報、(社)火力原子力発電技術協会(平成13年11月)p.701-747
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