<本文>
原子力発電の安全性に関する意識調査
1)安全性確保の可能性
問13 あなたは、現代の科学技術は、原子力発電の安全性を確保することができると思いますか。あなたのお気持ちに最も近いものを1つだけお選びください。(1つだけ○印)
| 全国 | サイト |
1 十分出来ると思う | 11% | 12% |
2 ある程度できると思う | 54% | 53% |
3 あまりできないと思う | 23% | 20% |
4 全く出来ないと思う | 7% | 10% |
5 わからない | 5% | 5% |
無回答 | 0% | 0% |
現代の科学技術は、原子力発電の安全性を確保することができるかどうかについて「十分確保できる」と思う人は、全国、サイトともに約1割となっている。また「ある程度はできる」と考えている人は、全国、サイトともに半数以上おり、二つの意見を合わせて全国、サイトどちらも6割以上の人が科学技術を信頼し安全性の確保を信じている。一方「安全性の確保があまりできない」と思っている人は、全国、サイトでそれぞれ約2割いる。また「全くできない」と思っている人も、それぞれ約1割おり、全国、サイトとも3割の人が、現代の科学技術では安全性が確保できないと思っている。
安全性確保の可能性に関する意見について、今回の結果を含めこれまでの調査の結果を
図1 に示す。経年変化では、何らかのかたちで安全性の確保ができるという人の割合が、全国では、ここ4回6割台で推移している。サイトでは、1回ごとに6割台から7割台への高低を繰り返している。一方、現代の科学技術では安全性は確保できないと思っている人の割合は、90年代に入ってからは、全国、サイトともほぼ2-3割台で推移している。
2)安全性確保の理由
問14 前問(問13)で、“1”または“2”を選ばれた方のみにお伺いしますが、原子力発電が安全性を確保できると思う理由は、次のうちどれですか。最も大きな理由を1つだけお選びください。(1つだけ○印)
| 全国 | サイト |
1 故障やトラブルが全くない | 2% | 0% |
2 放射能(線)を環境に出さない | 40% | 41% |
3 放出があっても人体に影響がない | 38% | 41% |
4 わからない | 18% | 14% |
無回答 | 2% | 4% |
「安全性確保の可能性(問13)」で、何らかのかたちで安全性が確保されると答えた人(全国1,625名:サイト402名)を対象に、そう思う理由をきくと、全国で「放射能(線)を環境に出さないから」と考えている人が4割おり、「放射能(線)が放出されても人体に影響がないから」と考えている人が約4割いる。サイトでは「放射能(線)を環境に出さないから」と「放射能(線)が放出されても人体に影響がないから」がそれぞれ4割強いる。「わからない」というひとが、全国で18%、サイトで14%いる。
安全性確保の理由に関する意見について、これまでの調査の結果を
図2 に示す。経年変化では、全国の「放射能(線)を環境に出さないから」という人の割合は、ここ2回は4割台となっている。一方「放射能(線)が放出されても人体に影響がないから」という割合は、各回ごとに増減を繰り返している。サイトでは「放射能(線)を環境に出さないから」という割合は、ここ3回4割台となっているが、「放出があっても人体に影響がないから」という割合は、減少しており、前回まで接近傾向にあった二つの理由は、今回同じ割合になった。
<図/表>
<関連タイトル>
エネルギー・原子力に関する世論調査(1994年)「調査の概要」 (10-05-01-03)
エネルギー・原子力に関する世論調査(1994年)「エネルギー・環境問題(1)」 (10-05-01-04)
エネルギー・原子力に関する世論調査(1994年)「エネルギー・環境問題(2)」 (10-05-01-05)
エネルギー・原子力に関する世論調査(1994年)「電力・原子力」 (10-05-01-06)
エネルギー・原子力に関する世論調査(1994年)「エネルギー・原子力の情報」 (10-05-01-08)
エネルギー・原子力に関する世論調査(1994年)「核燃料リサイクル」 (10-05-01-09)
エネルギー・原子力に関する世論調査(1994年)「国際比較」 (10-05-01-10)
<参考文献>
(1) 社団法人エネルギー・情報工学研究会議:エネルギー・原子力に関する世論調査と国際比較<報告書> 1995年1月