<大項目> 原子力の行政・制度・政策
<中項目> 原子力行政開発政策
<小項目> 原子力開発利用基本計画(年度計画)
<タイトル>
平成18年度原子力研究開発利用基本計画(2) (10-02-01-17)

<概要>
 我が国の原子力の研究、開発及び利用に関する施策が計画的に遂行されるように原子力委員会は「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」を策定し、これに基づいて、関係行政機関の原子力研究開発利用に関する経費の見積及び配分計画について企画、審議し、「原子力研究、開発及び利用に関する計画」として決定してきた。平成18年度の計画は、平成17年10月に取りまとめられた「原子力政策大綱」に掲げている5つの分野ごとに原子力政策大綱の概要とそれに対応した主要な取組がまとめられている。具体的な施策では、各取組に対応した各省庁機関の施策と平成18年度及び前年度予算額が示されている。ここでは平成18年度計画に基づき、原子力政策大綱及び「原子力研究開発の推進」、「国際的取組の推進」及び「原子力の研究、開発及び利用に関する活動の評価の充実」分野の主要な取組の概要と省庁別に区分された原子力関係予算を示す。
<更新年月>
2006年05月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
1.はじめに
 原子力委員会は、「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」(原子力長期計画)を策定し、これに基づいて「原子力委員会及び原子力安全委員会設置法」第2条第3号に従って、関係行政機関の原子力研究開発に関する経費の見積及び配分について、企画、審議及び決定している。原子力委員会は平成17年に以下の文書をとりまとめた:「平成18年度の原子力関係施策の重点化の方向性」(4月)、「平成18年度の原子力関係施策の基本的考え方」(6月)、「原子力政策大綱」(10月)、「平成18年原子力関係費の見積りについて」(10月)。「原子力関係経費の見積りについて」は、関係行政機関が計画している施策の必要性や期待される成果が原子力政策大綱と「原子力関係施策の基本的考え方」に照らして妥当であるか、また、重点化・合理化・効率化が適切であるかについて評価したものである。平成18年度原子力研究、開発及び利用に関する計画」(原子力研究開発利用基本計画)は、上記の「原子力関係経費の見積りについて」の内容に関して政府部内調整が行われ、国会で成立した予算に基づき、原子力委員会によって配分計画として決定された。
 同計画では、I.平成18年度における取組において、原子力政策大綱に掲げられている5つの分野ごとに原子力政策大綱の概要とそれに対応した主要な取組がまとめられている。II.具体的な施策では、個々の具体的取組が示され、III.予算総表では原子力関係予算の全体が示されている。表1に「平成18年度原子力研究、開発及び利用に関する計画」の目次を示す。また、表2-1表2-2表2-3表2-4表2-5表2-6表2-7表2-8表2-9に同計画において、各分野の取組の前にまとめられている原子力政策大綱の概要を示す。

2.平成18年度における取組
 「平成18年度原子力研究、開発及び利用に関する計画」に述べられた上記の5分野のうち、「原子力研究開発の推進」、「国際的取組の推進」及び「原子力の研究、開発及び利用に関する活動の評価の充実」分野の主要な取組内容の概略を以下にまとめて示す。

3)原子力研究開発の推進(表1の第3章に対応するため、3)とした。以下同様)
3-1)原子力研究開発の進め方
3-1-1)基礎的・基盤的な研究開発
(文部科学省)「原子力の重点安全研究計画」に基づく安全研究を実施。安全規制に係る指針・基準類の策定に必要なデータ整備。軽水炉燃料の高度化に対応した燃料安全研究、原子炉長期利用による炉材料等の高経年化に関する安全研究を継続実施。Tキューブレーザーを用いた陽子加速の最適化等の光量子ビーム利用研究、ERL放射光源の要素技術開発等の先端光源開発研究の実施。放射光利用技術の高度化を目指した研究開発による原子力利用の新たな領域を開拓。将来の原子力の萌芽となる未踏分野の開拓、新原理、新現象の発見、新物質の創成、新技術の創出を目指した先端基礎研究の実施。
(経済産業省)原子力施設の規制に必要な技術及び国民に対する安心の醸成に資する調査研究を継続実施。
3-1-2)革新的な技術概念に基づく技術システムの実現可能性を探索する研究開発
(文部科学省)国際熱核融合実験炉(ITER)計画の推進:我が国が分担する装置・機器の製作、ITER国際核融合エネルギー機構(仮称)の運営支援。臨界プラズマ試験装置(JT-60)等により定常核融合炉の経済性・環境適合性の向上及びITER燃焼プラズマ制御のための研究開発を大学等と連携して実施。核融合人材の育成。高温工学試験研究炉(HTTR)の運転・保守により炉心燃料特性、ヘリウム純度管理等に関するデータを取得・評価、異常事象を模擬した試験運転、高温熱化学プロセスによる水素製造研究開発を実施。極短パルス高強度レーザーなどの光量子源利用の新たな領域を開拓。より効率的・効果的な次世代重粒子線がん治療として3次元スキャニング照射法に着手
3-1-3)革新的な技術システムを実用化候補まで発展させる研究開発
(文部科学省)高速増殖炉もんじゅ」については、発電プラントとしての信頼性実証とナトリウム取扱技術の確立のため、国民の理解を得ながら運転再開に向けて計画推進。実用化戦略調査研究は第2期の取りまとめ結果を踏まえ、研究開発対象と研究資源配分の重点化を図り、研究開発を実施。高速実験炉「常陽」では実用化戦略調査研究に反映するための材料燃料等の照射データを取得、酸化物分散型被覆管材料の照射等の各種照射試験を実施。MOX燃料製造技術及び関連技術(分析、保障措置、廃棄物管理等)の開発実施、製造条件確認試験を継続実施。
3-1-4)革新技術システムを実用化するための研究開発
(文部科学省)東海再処理施設では、新型転換炉「ふげん」の使用済燃料の再処理、運転・保守に関する技術開発を実施、知見を民間再処理施設に反映。放射線利用研究については、バイオ技術研究、新規機能性材料開発、半導体、高分子材料の耐放射線研究、環境・産業応用技術に関する先導的研究開発、工業農業分野等への技術移転による産業振興を図る。RI・研究所等廃棄物の処分に関する検討。
(文部科学省・経済産業省)深地層研究施設の建設を進め、地層処分技術の信頼性向上、安全評価手法の高度化に向けた研究開発を継続。
(経済産業省)高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関して、地層処分技術の信頼性向上技術開発継続、最終処分地選定のための地質等調査技術開発を重点化して実施。ウラン廃棄物の処分に向けたクリアランスレベル相当への除染技術、検認技術及び低レベル放射性廃棄物の余裕深度処分に関する技術調査継続。2030年頃に始まる国内既設原子力発電所の大規模な代替需要に備え、世界市場を視野に入れた次世代軽水炉開発のためのフィージビリティ調査に着手。大間原子力発電所に置いて実用化予定の全炉心MOX炉技術開発を着実に推進:特性確認試験用設備の設計及び資材発注、原子炉系の一部製作開始。提案公募方式により新たなシーズ発掘に資する革新的原子力技術開発への支援。原子力発電所の給水流量計の高精度化のための技術開発推進。
3-1-5)既に実用化された技術を改良・改善するための研究開発
(文部科学省)ガラス固化技術の高度化について日本原子力研究開発機構は民間事業者に必要な技術協力。重粒子線がん治療の臨床試験の実施。
(経済産業省)民間MOX燃料工場で採用する各種技術の適合性の確証のための試験について平成19年度まで補助。ウラン濃縮技術について国際的に比肩しうる技術レベルの新型遠心分離機の開発を平成21年度まで補助。
3-2)大型研究開発施設
(文部科学省)高速増殖原型炉「もんじゅ」については、安全確保を大前提に改造工事を進め、運転再開に向けて計画推進。高速実験炉「常陽」では実用化戦略調査研究に反映するための材料燃料等の照射データを取得、酸化物分散型被覆管材料の照射等の各種照射試験を実施。高温工学試験研究炉(HTTR)の運転・保守により炉心燃料特性、ヘリウム純度管理等に関するデータを取得・評価、異常事象を模擬した試験運転、高温熱化学プロセスによる水素製造研究開発を実施。大強度陽子加速器(J-PARC)の建設・整備。
3-3)知識・情報基盤の整備
(文部科学省)日本原子力研究開発機構において、内外の原子力科学技術情報の収集・整理及び提供。
(経済産業省)原子力安全に係る基盤情報の整備やネットワーク化等。
3-4)日本原子力研究開発機構における原子力研究開発
(文部科学省)原子力の基礎・基盤研究からプロジェクト研究開発までを実施。事業の見直し、研究施設の合理化を進めつつ、安全研究、高速増殖炉サイクル研究開発、核融合研究、高レベル放射性廃棄物処理処分研究開発、量子ビームテクノロジーの研究開発等を実施。
4)国際的取組の推進(表1の第4章に対応するため、4)とした。以下同様)
4-1)核不拡散体制の維持・強化
(文部科学省)包括的核実験禁止条約(CTBT)の実施に係る研究開発。IAEA保障措置協定等の着実な履行、国際的核不拡散体制の強化への貢献、IAEAへの技術支援。ロシアの核兵器解体による余剰兵器プルトニウム管理・処分への協力。核不拡散体制の確立・強化に向けた各不拡散政策研究、遠隔監視技術、微量放射性物質の分析技術開発等。
4-2)国際協力及び原子力産業の国際展開
(原子力委員会)アジア原子力国際フォーラム(FNCA)の体制充実、原子力の役割に関する検討会合開催。
(原子力安全委員会)原子力安全確保に係る情報を関係各省と連携して収集。
(外務省・文部科学省・経済産業省)IAEA、OECD/NEA等の国際機関の活動への協力。
(外務省)旧ソ連諸国の原子力安全関連プロジェクトの支援。
(外務省・文部科学省)アジア原子力国際フォーラム(FNCA)、原子力科学技術に関する研究、開発及び訓練のための地域協定(RCA)等の枠組みを活用、アジア地域の原子力利用、安全性向上に資する協力を実施。
(文部科学省)国際的な安全確保のため、専門的識見に基づく技術的基盤を提供する会合等へ関与。第4世代原子力システムに関する国際フォーラム(GIF)の原子力研究・開発の国際的な協力の枠組みに参画。国際熱核融合実験炉(ITER)計画の推進:我が国が分担する装置・機器の製作、ITER国際核融合エネルギー機構(仮称)の運営支援。
(文部科学省・経済産業省)アジア諸国の原子力安全規制当局職員等を対象とした安全管理等に関する国際研修を継続実施。アジア諸国及びロシア、中東欧諸国の原子力発電所運転管理者等を対象とした国際研修継続実施。
(経済産業省)中国、韓国との間に創設された地域協力枠組みにおける規制機関間の連携強化。原子炉導入を行うアジア地域の国に対する制度整備支援。
5)原子力の研究、開発及び利用に関する活動の評価の充実(表1の第5章に対応するため、5)とした。以下同様)
(各府省)政策評価法に基づく原子力施策について政策評価を実施。
(文部科学省・経済産業省)主要な研究開発施策について事前評価、中間評価、事後評価等を実施、結果を実施計画に反映。独立行政法人通則法に基づき、日本原子力研究開発機構、原子力安全基盤機構、放射線医学総合研究所等の評価を適切に実施。
(原子力委員会)原子力政策大綱の妥当性を定期的に評価、施策の実施状況を適時適切に把握。

3.各省庁における原子力関係予算の概要
 表3に平成18年度の原子力関係の省庁別予算総表を示す。
<図/表>
表1 平成18年度原子力研究、開発及び利用に関する計画の目次
表2-1 原子力政策大綱の概要(1/9)
表2-2 原子力政策大綱の概要(2/9)
表2-3 原子力政策大綱の概要(3/9)
表2-4 原子力政策大綱の概要(4/9)
表2-5 原子力政策大綱の概要(5/9)
表2-6 原子力政策大綱の概要(6/9)
表2-7 原子力政策大綱の概要(7/9)
表2-8 原子力政策大綱の概要(8/9)
表2-9 原子力政策大綱の概要(9/9)
表3 平成18年度一般会計原子力関係予算総表

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<関連タイトル>
原子力開発利用長期計画(平成12年策定)総論 (10-01-05-03)
原子力開発利用長期計画(平成12年策定)各論 (10-01-05-04)
平成16年度原子力研究開発利用基本計画 (10-02-01-14)
平成17年度原子力研究開発利用基本計画 (10-02-01-15)
平成18年度原子力研究開発利用基本計画(1) (10-02-01-16)

<参考文献>
1)原子力委員会:平成18年度原子力研究、開発及び利用に関する計画(2006年3月)
2)原子力委員会:原子力政策大綱(2005年11月)
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