<大項目> 放射線影響と放射線防護
<中項目> 原子力施設に係わる放射線防護
<小項目> 放射線防護用の測定
<タイトル>
文部科学省分析マニュアル (09-04-03-24)

<概要>
 本マニュアルは核爆発実験に伴う放射性降下物の測定や原子力施設周辺の環境モニタリング等に関連して環境中の放射線放射能を測定するさいに全国的に統一された方法で実施するため、科学技術庁によって制定されたものである。1957年に「全ベータ放射能測定法」が制定され以来、2002年1月現在文部科学省放射能測定法シリーズとして26種類のマニュアルが整備されている。
<更新年月>
2002年01月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 本マニュアルは核爆発実験に伴う放射性降下物の測定や原子力施設周辺の環境モニタリング等に関連して環境中の空間放射線量率や試料中放射能濃度を測定するさいに全国的に統一された方法で実施するため、文部科学省によって制定されたものである。1957年に「全ベータ放射能測定法」が制定されて以来、その後の分析手法及び測定機器の進歩開発等に伴う改訂がなされ、現在では、 表1 に示すような文部科学省放射能測定シリーズとして26種類のマニュアル(2002年1月)が整備されている。以下に代表例を紹介する。
 平常時に環境中の放射線を計測するものとして、空間γ線の線量率を連続モニタにより測定するためのマニュアルと熱ルミネセンス線量計を用いて積算線量(通常、3ヵ月間)を測定するためのマニュアルがあり、連続モニタや熱ルミネセンス線量計として 表2 および 表3 にそれぞれ示す機器が揚げられている。
 環境試料中の放射能濃度を測定するためのマニュアルとしては、食品のように人の被ばくに直接関係し内部被ばく線量の評価に役立つもの(日常食、穀類、野菜、牛乳等)、また、食用に供されないが環境における蓄積状況の把握に役立つもの(土壌、海底土)や間接的に内部被ばく線量の推定に役立つもの(指標生物と呼ばれ、松葉、ホンダワラなど)などの環境試料の採取法、前処理法及びゲルマニウム半導体等の検出器を用いた機器分析法などのマニュアルがある。日常取り扱う試料量でのゲルマニウム半導体検出器による分析レベル(検出下限値)として 表4 の値が示されている。
 放射性ストロンチウム、放射性セシウム、放射性ジルコニウム、放射性コバルト、放射性セリウム、プルトニウム、ウランなどの放射性核種を化学的に分析する方法も個々に定められている。これらの化学分析法はゲルマニウム半導体等の検出器を用いた機器分析法の短所(複合核種の存在による核種弁別の困難さ、α線及びβ線放出核種を検出できない)を補うと共に、ゲルマニウム半導体を用いた機器分析法の検出下限値より小さい値を検出することができる。しかし、ゲルマニウム半導体を用いた機器分析法に比べて迅速性に欠ける短所を有している。
 原子力施設から排出されるトリチウムの分析法については、試料の採取法、蒸留や電解濃縮などの前処理法、液体シンチレーションカウンタによる測定法などが定められている。
<図/表>
表1 文部科学省放射能測定法シリーズ
表2 連続モニター用検出器の概要
表3 環境γ線のモニタリングに用いられている熱ルミネセンス線量計
表4 ゲルマニウム半導体検出器による分析レベルの一例

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<関連タイトル>
環境集中監視システム (09-04-03-15)
スペクトロメトリ(α線、β線、γ線、中性子) (09-04-03-19)
環境放射線モニタリング (09-04-08-02)
緊急時環境放射線モニタリング (09-04-08-04)

<参考文献>
(1) John H. Harly : ”HASL Procedures Manual” HASL-300. U.S.Atomic Energy Commissi on 1972
(2) 科学技術庁(監修):科学技術庁 放射能測定法シリーズ No.1-No.26、日本分析センター
(3) 日本分析センターホームページ:放射能測定法シリーズ(2002年1月31日)
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