原子番号92の元素で、記号Uで表示される。天然元素の中では原子番号が最も大きい。地殻中に広く分布し、百種以上の鉱物に含まれる。核燃料またはその親物質として用いられ、原子力発電の世界的な普及・拡大とともに重要なエネルギー資源となってきている。金属ウランは密度19.05g/cm3、融点1132度Cである。融点以下に結晶構造の異なるα、β、γの3相があり、転移点はそれぞれ668度C、774度Cである。これら転移点での体積の急変、また燃焼が進んだ時の体積膨張のため、金属ウランはおもに研究炉の燃料として用いられてきた。使用温度及び燃焼度の高い発電炉の燃料としては、より安定な二酸化ウランの状態で、また精錬、再処理においては、ウラニルイオンの状態で使用される。