β壊変してβ線を放出する核種。一般的にはβ線のみを放出する核種を指し、代表的なものとして3H、14C、32P、35S、90Sr、99Tc等が挙げられる。Β線と同時にγ線を出す核種も含めると放射性核種の多くがβ線放出核種である。核分裂で生成した核種は陽子数に比べて中性子数が多いためほとんどがβ線放出核種であり、安定核種に至るまでβ線の放出を繰り返す。Β線はγ線に比べて透過力が小さいので外部被曝よりも内部被曝に注意が必要であり、したがって空気中や水中のβ線放出核種の濃度が問題となる。原子力施設では、施設から排出する気体及び液体中のβ線放出核種による被曝線量についての線量目標値が定められており、施設者のモニタリングはもちろん、国及び地方自治体による第三者監視も行われている。