<大項目> 海外情勢
<中項目> 旧ソ連・東欧各国
<小項目> ブルガリア
<タイトル>
ブルガリアのPA動向 (14-06-06-08)

<概要>
 ブルガリアでは、原子力平和利用委員会(CUAEPP)がPAを担当し、安全性と放射線防護の現状を国民に知らせ、また、監督・規制の当局として透明化を図り、平和目的のために原子力の利用に関連するすべての内容を国民へ提供することが同委員会の情報サービスとされている。コズロドイ原子力発電所にはインフォメーション・センターがあり、原子力発電の安全性、信頼性を一般大衆に周知させる主要なセンターとなっている。センター内には、ロシア型PWRであるVVER−440(44万kW)およびVVER−1000(100万kW)の実物模型があり、原子力発電所の運転に関するビデオを見ることができる。またフォトギャラリーもあり、多くの子供、生徒、学生および原子力の専門家も訪れている。2004年の訪問者は、2003年の2倍になったことから、公衆の原子力への興味が高くなりつつあることを確認できる。発電所は各種の広報用印刷物を発行し、ホームページではコズロドイ原子力発電所の運転に関する様々な情報を発信することによる広報活動も行っている。
<更新年月>
2006年02月   

<本文>
1.原子力平和利用委員会のPA活動
 1996年に実施された世論調査によると、ブルガリア国民は原子力の安全性と放射線防護に関して高い関心を示しているという結果が得られた。原子力PAを担当しているのはブルガリア原子力平和利用委員会(CUAEPP:The Committee on the Use of Atomic Energy for Peaceful Purposes)で、マスメディア、各種機関等へ情報を提供している。また、同国内外の原子力の安全性に関する話し合いに積極的に参加し、ジャーナリストのためのセミナーも開催している。1996年におけるセミナーのテーマは“原子力発電所の運転をいかに国民へ知らせるか?”で、これはIAEAとの共催で実施した。
 コズロドイ原子力発電所は1997年、欧州復興開発銀行、欧州投資銀行、欧州委員会との間で、1〜4号機の運転期間の延長、補強・出力向上策、安全性に関して報道されたため、再度ブルガリア国内外の注目をあびている。CUAEPPからブルガリア情報局、新聞、テレビ、ラジオへのプレス発表、共同記者会見によって問題点が国民に知らされた。また、非政府組織、科学者グループ、環境保護団体との関係を深めることも主要な業務である。CUAEPPインターネットでは、NucNet、ウラン研究所、国際機関での活動が紹介されている。次にCUAEPPのPA政策の目標を紹介する。
 ・ブルガリアと諸外国における原子力の安全性、原子力施設の放射線防護、イオン化放射線源の状況を公衆に知らせる。
 ・原子力の平和利用に関する法律からのCUAEPPの監督と規制の活動の情報を提供する。
 ・ISUAE、ブルガリアの有力筋、NGO、メディアへの原子力の安全性の高揚のための措置を世界に知らしめるため、メディアへ情報を提供する。
 ・原子力の平和利用の目的に関する活動と措置を広範な公衆に提供する。
 ・CUAEPPと原子力の安全性に関連した関連機関の活動の内容をCUAEPPのメンバーに提供する。
 図1にCUAEPPの組織図を示す。
2.原子力平和利用委員会の刊行物によるPA活動
 ブルガリア原子力平和利用委員会(CUAEPP)の年報はブルガリア語と英語で紹介され、公衆とのコミニュケーションの手段として利用されている。また、省庁、研究所、国会議員、政党、NGO、メディア等へ情報が提供されている。CUAEPPの代表者が参加する会議とセミナーでは、英語の年報によってCUAEPPの活動状況を紹介している。
3.コズロドイ原子力発電所にあるインフォメーションセンターでのPA活動
 インフォメーションセンターは、ブルガリアで最初のPA施設で、原子力発電の安全性、信頼性を一般大衆に周知させる主要なセンターとなった。ここには、ブルガリアや外国からのグループ訪問者、子供達や学生達が訪れており、これらの訪問者は発電所内を見学できる。インフォメーションセンターの開館時間は午前8時から午後4時である。
3.1 展示内容と見学
 ロシア型PWRであるVVER−440(44万kW)およびVVER−1000(100万kW)の実物模型を近くで見たり、原子力発電所の運転に関するビデオを見ることができる。原子力発電所における発電の歴史や技術プロセスを知ることは興味深い。訪問者は、発電所が集めた多くの写真や絵画、また安全性に関する移動型展示物に興味を示している。訪問者はコズロドイ原子力発電所についての各種の広報用の印刷物を受け取ることができる。
3.2 対外的PA活動およびインターネットを利用したPA活動
 最近、客観的で中立の情報を求める傾向が増大している。これに応えるため、コズロドイ原子力発電所も広報活動を支援している。この原子力発電所では、2004年も従来通りの情報公開や正しい情報および信頼できる情報を提供することを決定した。新聞記者会見および報道関係者への簡単な説明や会議の際、コズロドイ原子力発電所の管理や運転についての情報が提供されている。発電所の情報に関するプレス発表では、発電所の特別イベントや活動を発表している。
 コズロドイ原子力発電所1号機が運転を開始したのは1974年で、2004年は発電所にとって記念すべき30周年であり「クリーンエネルギー」のモットーのもとに各種の活動を行い、記念祝賀会では各種のスポーツや文化イベントを開催した。2004年におけるコズロドイ原子力発電所のインフォメーションセンターへの来館者数が2003年の2倍になったことから、公衆の原子力への興味が高くなりつつあることが確認された。来館者の大部分は、公開日(Open Door Days)に来館している。来訪者の約60%は、若い世代の代表者である生徒や学生であった。また、多くの政治家や外交官および国際機関であるWorld Nuclear Association(旧ウラン協会)の代表者およびIAEAの原子力部長や欧州議会のメンバーなどが来訪した。
 公衆の関心が高まった結果、コズロドイ原子力発電所のウェブサイトへの2004年のアクセス数は、2003年より45%増加した。このウェブサイトには、コズロドイ原子力発電所に関する各種イベントや発電所の運転状況の要約が掲載されている。インフォメーションセンターでは、年報、隔月発行の「Parva Atoma」、印刷物、パンフレットなどを発行しており、ブルガリアや外国にある国の研究所、国際的研究所、非政府組織、単科大学や高等学校などに送っている(図2図3図4)。
<図/表>
図1 ブルガリアの原子力平和利用委員会(CUAEPP)の組織
図2 コズロドイ原子力発電所のインフォメーションセンターの正面
図3 コズロドイ原子力発電所のインフォメーションセンター
図4 コズロドイ原子力発電所のインフォメーションセンターにあるフォトギャラリー

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<関連タイトル>
ブルガリアの国情およびエネルギー、電力事情 (14-06-06-01)
ブルガリアの原子力政策および計画 (14-06-06-02)
ブルガリアの原子力発電開発 (14-06-06-03)
ブルガリアの原子力開発体制 (14-06-06-04)
ブルガリアの原子力安全規制体制 (14-06-06-05)
ブルガリアの核燃料サイクル (14-06-06-06)

<参考文献>
(1)COMMITTEE ON THE USE OF ATOMIC ENERGY FOR PEACEFUL PURPOSES,ANNUAL REPORT 1995
(2)COMMITTEE ON THE USE OF ATOMIC ENERGY FOR PEACEFUL PURPOSES,ANNUAL REPORT 1996
(3)COMMITTEE ON THE USE OF ATOMIC ENERGY FOR PEACEFUL PURPOSES,ANNUAL REPORT 1997
(4)コズロドイ原子力発電所発行の年報(2004年)
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