<本文>
1990年代後半、世界規模の電力市場の自由化や脱原子力政策などにより原子力産業界は低迷し、国際市場を睨んだ事業の合理化および原子燃料産業の統合が進んだ。その結果、発電機器の供給から保守・修理を手がける
原子炉メーカーや原子燃料の主要事業(
ウラン生産、転換、濃縮、燃料加工)を広範囲に掌握する少数の大企業が成長した(
図1参照)。
近年、エネルギーの安定供給、地球温暖化対策等を背景に、欧米各国での原子力発電の見直し、リプレース建設、あるいは途上国での原子力発電の新規導入が加速し、国境を越えた受注競争が進んでいる。ここでは日本を除く世界の代表的な原子力関連民間企業の名称、所在地、原子力関連の主要業務等を記載する。なお、一部企業は原子力関連以外の業務も行っているが、ここでは原子力関連に限定した。
1.ヨーロッパ
1.1 フランス(
表1参照)
アレバ(AREVA)、アレバNP(AREVA NP)、アレバNC(AREVA NC)、コミュレックス(COMURHEX)、ユーロディフ(EURODIF)、フランス電力公社(EDF)、GDFスエズ(GDF Suez)、CERCA、NOVATOME、SGN。
1.2 ドイツ(
表2参照)
アルゲマイネ電気会社(AEG)、バブコック・ブラウン・ボベリ(BBR)、ドイツ原子燃料
再処理会社(DKW)、GWK、インターアトム社(INTERATOM)、シーメンス社KWU、DBE、ニューケム社(NUKEM)、エネルギー・バーデン・ビュルテンベルク(EnBW)、ハンブルグ電力会社(HEW)、RWE、エーオン(E.ON)。
1.3 イギリス(
表3参照)
原子力
廃止措置機関(NDA)、英国原子燃料会社(BNFL)、英国原子力公社(UKAEA)ブリティッシュ・エナジー(BE)、ゼネラル・エレクトリック社(GEC)、ナショナル・ニュークリア(NNC)、AEAテクノロジー(AEA)、ウレンコ(URENCO)、ETC、リオ・ティント (RioTinto)。
1.4 フィンランド(
表4-1参照)
テオリスーデン・ボイマ・オイ社(TVO)、ポシバ社(Posiva Oy)、フォルトム社(Fortum Power and Heat Oy:Fortum、旧IVO社)。
1.5 スウェーデン(
表4-1参照)
アセア・ブラウン・ボバリ(ABB)、アセア・ブラウン・ボベリ・アトム社(ABB Atom)、SKB、スタズビック社、シドクラフト社、バッテンフォール社(Vattenfall)、スウェーデン
核燃料供給会社(SKBF)。
1.6 スペイン(
表4-1参照)
ENRESA、ENUSA、IBERDROLA社、ENDESA社、CNAT社、ANAV社、Union Fenosa Generacion(UFG)。
1.7 スイス(
表4-2参照)
放射性廃棄物管理協同組合(NAGRA)、アクスポ(AXPO)、BKW FMBエネルギー社、KERNKRAFTWERK GOESGEN-DAENIKEN AG社(KKG)、KERNKRAFTWERK LEIBSTADT社(KKL)、アセア・ブラウン・ボバリ・コンバッション・エンジニアリング社(ABB-CE)。
1.8 オランダ(
表4-2参照)
EPZ社。
1.9 イタリア(
表4-2参照)
アンサルド・ヌクレアーレ社(ANSALDO)、エネル社(Enel)、新型炉開発公社(NIRA)。
1.10 ベルギー(
表4-2参照)
エレクトラベル社(Electrabel、ベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)、ベルゴニュークリア社(Belgonucleaire)。
2.北米
2.1 カナダ(
表3参照)
カナダ原子力公社(AECL)、カメコ(CAMECO)、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)、ニューブランズ・ウィック・パワー社(NB Power )、ハイドロ・ケベック社、ウラニウム・ワン(Uranium One)、カナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)。
2.2 米国(
表5参照)
アトミックス・インターナショナル、バブコック&ウィルコックス(B&W)、ベクテル社(Bechtel)、コンバッション・エンジニアリング社(CE)、ゼネラル・アトミックス社(GA)、ゼネラル・エレクトリック社(GE)、ニュークリア・フューエル・サービス(NFS)、ウェスティングハウス・エレクトリック(WH)、USEC社、ユニオン・カーバイド社、ニュークリア・アシュアランス(NAC)、UXコンサルティング(UXC)、アトランティック・ニュークリア社、ラドラム社(LMI)、電力会社33社。
3.アジア(
表6参照)
3.1 韓国
韓国電力公社(KEPCO)、韓国水力原子力発電(KHNP)、斗山重工業(DOOSAN)、韓国電力エンジニアリング社(KOPEC)、韓国プラントサービス・エンジニアリング会社(KPS) 、韓国放射性廃棄物管理会社(KRWM)、韓国原子燃料会社(KNFC)。
3.2 中国
大亜湾原子力運転管理会社(DNMC)、秦山核電公司(QNPC)、中核集団核電秦山聯榮有限公司(NPQJVC)、原子炉設備製造業者:上海電気集団(一次系、二次系設備製造)、中国一重(CPR1000一次系設備、EPR1700一次系設備製造)、山東各設備廠、ハルビン電気集団(AP1000用一次系、二次系設備製造)、東方電気集団(仏アレバと提携、CPR1000用圧力容器、蒸気発生器等製造)、中国二重。
3.3 台湾
台湾電力公司(Taipower)。
3.4 インド
インド原子力発電公社、バラティア・ナビキヤ・ビデュト・ニガム社(BHAVINI)。
3.5 オセアニア・オーストラリア(
表6参照)
Energy Resources of Australia Ltd.(ERA)、ウラン情報センター。
4.CIS・東欧諸国(
表7参照)
4.1 ロシア
アトムエネルゴプロム(AEP) 、ロスエネルゴアトム(ROSENERGOATOM)、TVEL社、テフスナブエクスポルト社(Tenex)、アトムエネルゴマシ社、アトムストロイエクスポルト社(Atomstroyexport)、ARMZ社。
4.2 ウクライナ
エネルゴアトム社(ENERGOATOM)。
4.3 カザフスタン
MAEK社、カザトムプロム社(Kazatomprom)、ウルバ冶金工場(ULBA、ボルコフジオロジー社(VOLKOVGEOLOGY)。
4.4 ルーマニア(SNN)
4.5 ブルガリア(NEK)
4.6 ハンガリー(MVM)
4.7 チェコ(スコダ社(SKODA)、チェコ電力会社)
4.8 スロバキア(JAVVYS社、Decom Slovakia社)
5.中南米(
表6参照)
5.1 ブラジル(エレクトロ・ニュークリア社(ELETRONUCLEAR))
6.アフリカ(
表6参照)
6.1 南アフリカ(エスコム社 (ESKOM))
(前回更新:2004年9月)
<図/表>
<関連タイトル>
世界の原子燃料産業の再編 (04-01-01-03)
海外の主な原子力機関一覧 (13-01-03-08)
米国のエネルギー関連研究機関と原子力学会 (13-01-03-20)
英国の研究・開発に関する主な機関 (13-01-03-06)
カナダの研究・開発に関する主な機関 (13-01-03-03)
フランスの研究・開発に関する主な機関 (13-01-03-05)
ドイツの研究・開発に関する主な機関 (13-01-03-04)
西欧の主な研究機関と原子力学会(英、仏、独を除く) (13-01-03-17)
<参考文献>
(1)(社)日本原子力産業協会:原子力年鑑 2010年版(2009年10月)、p.439-466
(2)(社)日本原子力産業協会世界の原子力発電開発の動向 2010年版(2010年4月)
(3)(社)日本原子力産業会議:原子力年鑑 2000−2001年版(2000年10月)、p.230
(4)(社)日本原子力産業会議:原子力年鑑 2003年版(2002年11月)
(5)(社)日本原子力産業会議:原子力ポケットブック2003年版(2003年8月)
(6)原子力委員会:平成21年度 原子力白書 (2010年3月)、第5章5-3 原子力産業の国際展開、
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/hakusho/hakusho2009/5.pdf、p.181