<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> 地球環境問題
<小項目> 地球温暖化問題と対策
<タイトル>
気候変動に関する政府間パネル(IPCC) (01-08-05-07)

<概要>
 気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)は、気候変動に関する最新の科学的知見を集約して各国政府に提供することを活動の目的としている。これまでに、気候変動に関する自然科学および社会科学の知見を、3回にわたる評価報告書にまとめている他、数多くの技術報告書、特別報告書が作成されている。今後は、第四次評価報告書作成に向けての作業が予定されている。
<更新年月>
2005年07月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
1.組織と目的
 気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、以下IPCC)は、気候変動に関する最新の科学的知見の総合評価を行い、各国政府への様々なアドバイスを提供することを目的として1988年に設立された。常設事務局は、ジュネーブの世界気象機関(WMO:World Meteorological Organization)本部内に、WMOと国連環境計画(UNEP:United Nations Environmental Program)が共同で設置している。IPCCは、全体会議および専門分野別検討を実施する作業部会等で構成されている(図1)。また、各作業部会の議長国は、設立当初は先進国から選出されていたが、先進国・途上国の共同議長方式に運営が変更されている。
2.活動と主な成果
(a)第一次評価報告書(1990年)
 気候変動に関する科学的知見の評価、地球温暖化が環境および経済・社会に与える影響、気候変動への対応戦略といった3つの作業部会で検討を実施し、それぞれ評価報告書を発表した。来世紀末までの全球平均気温上昇および海面上昇の可能性が指摘されている。また、気候変動国連枠組条約の交渉に役立てるため、1992年には科学的知見と影響評価に関する補足報告書が作成された。
(b)第二次評価報告書(1995年)
 第一次評価報告書と作業部会のカバーする範囲を若干変更し、気候変動の科学的知見、気候変動の自然と社会経済への影響および適応策ならびに緩和策、気候変動の社会的影響と政策ならびに温室効果ガス排出シナリオという3つの作業部会別の検討が実施された。成果は、政策立案者向け要約および各作業部会報告書としてまとめられている。
(c)第三次評価報告書(2001年)
 第三次評価報告書は、科学的根拠、影響・適応策・脆弱性、緩和策という3つの作業部会報告書、および各作業部会の政策立案者向け要約をまとめた統合報告書等から構成されている。
(d)特別報告書
 気候変動枠組条約締約国会議等からの要請に応じて、IPCC自体の決議を経て各種の特別報告書を発行している。
・気候変動の放射強制力とIPCC IS92排出シナリオの評価(1994年)
・気候変動の影響と適応策の評価のための技術ガイドライン(1994年)
・温室効果ガス目録のためのIPCCガイドライン(1994年)
・気候変動の地域影響:脆弱性の評価(1997年)
・航空機と地球大気(1999年)
・技術移転の手法上および技術上の課題(2000年)
・排出シナリオ(2000年)
・土地利用、土地利用変化および林業(2000年)
・二酸化炭素回収・貯留技術(2005年、予定)
・オゾン層保護と地球気候システム:HFC(ハドロフルオロカーボン)・PFC(パーフルオロカーボン)に関する課題(2005年、予定)
(e)技術報告書
 気候変動枠組条約締約国が、特定分野において科学的・技術的知見を必要とすると判断された場合には、過去のIPCC評価報告書、特別報告書等をベースに、技術報告書が作成されている。過去および発表予定の技術報告書は以下のとおりである。
・気候変動緩和の技術、政策および対策(1996年)
・IPCC第二次評価報告書で使われた簡易気候モデルの紹介(1997年)
・大気中温室効果ガスの安定化:物理的、生物的、社会経済的影響(1997年)
・二酸化炭素排出制限案の影響(1997年)
・気候変化と生物多様性(2002年)
・気候変動と水(2007年、予定)
(f)温室効果ガス・インベントリー・プログラム(参考文献3)
 IPCCでは、各作業部会と並んで重要な作業のひとつに、温室効果ガス排出量算定方法の整理およびとりまとめを行っている。それらの作業を実施する「温室効果ガス・インベントリー・プログラム」の事務局は日本に設置されている。土地利用、土地利用の変化、林業に関するタスクを負い、ガイダンスは採択された。改訂版1996年温出効果ガス排出量の算定方法に関するガイドラインの見直しが進行中である。
3.今後の予定
 2001年9月の第18回総会において、第四次評価報告書の作成が決定された。第三次評価報告書以降の気候変化に関する研究や継続的に行っているモニタリング等の評価を包括的だがより短く明確な焦点をもった報告書としてまとめ、最新情報も取り入れることになった。なお、取り扱う横断的課題(7つ)は、リスクと不確実性、地域的視点、水、主要な脆弱性、適応と緩和(統合的アプローチ)、持続的発展、技術となっている。2007年完成の予定である。
<図/表>
図1 IPCCの構成(2002〜2007ビューロー・メンバー)

・図表を一括してダウンロードする場合は ここをクリックして下さい。


<関連タイトル>
IPCC第三次評価報告書(2001年) (01-08-05-08)

<参考文献>
(1) IPCCホームページ、(http://www.ipcc.ch
(2) 地球産業文化研究所ホームページIPCC情報
(3) 地球環境戦略研究機関ホームページIPCC/TSUの活動概要
JAEA JAEAトップページへ ATOMICA ATOMICAトップページへ