放射強制力

放射強制力 ほうしゃきょうせいりょく

 radiation forcing. 圏界面(対流圏と成層圏の境界)で測った地球の正味の放射平衡の変化。単位はW/m2。地球の大気中の温室効果ガスやエアロゾルなどの濃度が変化した場合に、地表気温等への影響を定量的に示す概念として導入された。正値は温暖化に、負値は寒冷化に寄与する。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)では、温室効果ガス濃度等が変化した際に、全球平均放射平衡の状態に成層圏が再調整された後の、地表面・対流圏システムのエネルギー収支の変化と定義している。放射強制力は、フロンのような微量ガスの濃度増加に対しては線形に変化するが、二酸化炭素のようにすでに大気中濃度の高いガスに対しては濃度増加比の対数に比例して変化すると考えられている。なお、地球の表面気温の変化(ΔT)は放射強制力(ΔF)に比例し、ΔT=λΔFが成り立つ。ここで、λは気候感度と呼ばれ、現在の放射平衡の下では0.8K/(W/m2) 程度とされている。大気中の二酸化炭素濃度が産業革命前の2倍になった時にはΔF=3.7W/m2となり、地表気温の上昇は約3Kと推定されている。


<登録年月>
2012年01月




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