<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> 省エネルギー
<小項目> エネルギーの使用の合理化に関する法律
<タイトル>
省エネルギー関連法の概要 (01-06-02-01)

<概要>
 石油危機を契機とし昭和54年(1979年)に「省エネルギー法」が施行されたが、その後の内外のエネルギーをめぐる経済的、社会的環境の変化に対応するため、平成5年(1993年)に「省エネルギー法」が改正され、「省エネ・リサイクル支援法」(時限立法)も施行された。また、省エネルギー法は平成10年6月に、平成9年12月京都で開催されたCOP3を受けて改正された。
 省エネルギー法は、工場、建築物及び機械器具についてのエネルギー使用の合理化(省エネルギー)を総合的に進めるために、各分野で事業者が取り組むべき内容とそれを支援する施策を定め、省エネルギー対策を積極的に進めようとするものである。また、「省エネ・リサイクル支援法」は、エネルギーの使用の合理化や再生資源の利用などの事業活動等、省エネルギー対策に積極的に取り組む事業者を財政的に支援できるようにするものである。平成15年10月改正され、1R(リサイクル)から3R(リサイクル、リデュース、リユース)への拡充、海外で行う省エネ・代エネ事業が追加された。
 原油の中東依存度が石油危機当時の水準を超え、2001年のマラケシュ合意(COP7)をうけ国会で京都議定書の批准を目指しているなどの情勢のなか、わが国のエネルギー消費の増加傾向に歯止めがかからない状況が続いたので、民生業務部門等における省エネルギーの強化を図ることとし、2002年6月に「省エネルギー法」を改正し、2003年4月から施工された。さらに、エネルギー消費の伸びの著しい運輸分野における対策を導入し、工場・事業場及び住宅・建築分野における対策を強化する等の措置を講ずるため、2005年3月に「省エネルギー法」の一部改正(案)が国会に提出された。
<更新年月>
2005年08月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 省エネルギー関連法としては、昭和54年(1979年)に施行された「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネルギー法)があるが、その後のエネルギーをめぐる内外の経済的、社会的環境の変化に対応するため、省エネルギー法を改正する「エネルギー需給構造高度化のための関連法律の整備に関する法律」(改正省エネルギー法)が平成5年(1993年)8月(一部同年4月)に公布された(平成5年改正省エネルギー法)。また、同年6月には、「エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法」(省エネ・リサイクル支援法)が10年間の時限立法として施行された。平成15年10月「改正省エネ・リサイクル支援法」が施工され、これまでの支援に加えて、企業等の事業者が行うリデュース、リユース事業への支援、海外で行う省エネ・代エネ事業が追加された。
 平成5年に改正された省エネルギー法は、平成9年12月京都で開催された気候変動枠組み条約の第3回締約国会議「COP3」の結果を受けて、平成10年に一部改正され、同年6月に公布、平成11年4月に施行された(平成10年改正省エネルギー法)。
 原油の中東依存度が石油危機当時の水準を超え、2001年11月のマラケシュ合意(COP7)をうけ第154回国会で京都議定書の批准を目指しているなどの情勢の中、わが国のエネルギー消費の増加傾向に歯止めがかからない状況が続いた。このような状況を踏まえ、民生業務部門等における省エネルギーの強化を図ることとし、2002年6月に「省エネルギー法」を改正し、2003年4月から施工された。さらに、対策を強化する等の措置を講ずるため、「省エネルギー法」の一部改正(案)を第162回国会に提出された。
 これらの法律の概要等は以下のとおりである。
1.平成10年改正省エネルギー法
 エネルギー使用の合理化に関する法律の体系を図1に示す。
(1)目的
 本法は、内外におけるエネルギーをめぐる経済的、社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため、工場、建築物及び機械器具についてのエネルギー使用の合理化に関する所要の措置、その他エネルギー使用の合理化を総合的に進めるために必要な措置等を講ずることとし、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とするものである。
(2)本法の対象となるエネルギー
 本法において「エネルギー」とは、石油、可燃性天然ガス、石炭等の燃料及びこれを熱源とする熱並びに電気(太陽光発電、風力発電等新エネルギーによって得られる電気を除く)をいうものとしている。
(3)基本方針
 経済産業大臣は、各分野に係るエネルギーの使用の合理化を総合的に進める見地から、基本方針を定め、公表することとし、一般のエネルギー使用者を含め各主体は、基本方針に留意してエネルギーの使用の合理化に努めなければならない、としている。
(4)工場に係る措置等
(イ)工場に係る措置
 わが国におけるエネルギー消費構造の特徴は欧米に比べ産業部門の比重が高く、全体のエネルギー消費量の約5割を占めている。したがって、工場または事業場におけるエネルギー使用の合理化を積極的に進めることは重要で、そのため次の諸規定がある。
a)事業者の判断の基準:経済産業大臣はエネルギーを使用して行う全ての事業者が取り組む際の目安となる基準を公表する。新たな基準は平成11年1月に告示され、平成11年4月から適用されている。b)指導および助言:経済産業大臣および工場の事業所管大臣は、事業者に対し事業者の判断の基準となるべき事項を勘案して、エネルギーの使用の合理化に関し指導および助言を行うことができる。c)第1種エネルギー管理指定工場:工場のうち製造業、鉱業、電気・ガス・熱供給業に属し、年間のエネルギー使用量が一定量以上の事業所は、エネルギー使用の合理化を特に推進する必要があるとして指定される。年間の燃料等の使用量が原油換算で3,000kl以上のところは第1種熱管理指定工場に、年間の電気の使用量が1,200万kWh以上の工場は第1種電気管理指定工場にそれぞれ指定される。これらの事業者には、エネルギー管理員を選任し、燃料等の使用状況等を経済産業大臣および事業所管大臣へ毎年報告する義務が課せられている。d)合理化計画の作成等の指示、公表および命令:エネルギーの使用の合理化が判断の基準に照らして著しく不十分であると認められる第1種エネルギー管理指定工場に対して、経済産業大臣および工場の事業所管大臣は合理化計画の作成等を指示でき、指示に従わない場合には公表や審議会の意見を聴き措置命令できる。e)第2種エネルギー管理指定工場:第1種エネルギー管理指定工場以外の工場であって、年間の燃料等の使用量が原油換算で1,500kl以上のところは第2種熱管理指定工場に、年間の電気の使用量が600万kWh以上の工場は第2種電気管理指定工場にそれぞれ指定される。これらの事業者には、エネルギー管理員を選任し、燃料等の使用状況等を経済産業大臣および事業所管大臣へ毎年報告する義務が課せられている。f)勧告:エネルギーの使用の合理化が判断の基準に照らして著しく不十分であると認められる第2種エネルギー管理指定工場に対して、経済産業大臣および工場の事業所管大臣はエネルギーの使用の合理化に関し必要な措置を講ずべき旨の勧告をすることができる。
(ロ)指定試験機関
 エネルギー管理士試験の実施に関する事務(試験事務)については、経済産業大臣の指定する者(指定試験機関)に行わせる。昭和59年4月に財団法人省エネルギーセンターが指定試験機関として指定されている。
(ハ)指定講習機関
 エネルギーの使用の合理化に関し必要な知識および技能に関する講習ならびにエネルギー管理員の資質の向上を図るための講習の業務については、経済産業大臣の指定する者(指定講習機関)に行わせる。平成11年4月に財団法人省エネルギーセンターが指定講習機関として指定されている。
(5)建築物に関する措置
 経済産業大臣及び国土交通大臣は、「建築物の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止のための措置」を適切・有効に実施するため、建築主が具体的にどんな措置をとればよいかの指標として、判断基準を定めることにしている。それまでの基準が見直され、新たな基準が平成11年3月に告示されている。
(6)機械器具に関する措置
 エネルギー消費機器のうち一定の要件を満たすものについては政令で指定し、エネルギー消費効率の向上に関し製造事業者等の判断の基準となるべき事項を定めて公表することとし、特定機器ごとの判断基準が見直され、新たな基準が平成11年3月に告示されている。ガソリン乗用車、エアコンディショナー、蛍光灯器具、テレビ、複写機、電子計算機、磁気ディスク装置、ガソリン貨物自動車、ビデオテープレコーダ、ディーゼル乗用車(新規)、ディーゼル貨物車(新規)、電気冷蔵庫(新規)が指定されている。
2.省エネ・リサイクル支援法
 「エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法」(省エネ・リサイクル支援法)の趣旨は、エネルギー使用の合理化や再生資源の利用などの事業活動に自主的に取り組む事業者を支援するための措置を講じるものである。
(1)努力方針
 主務大臣は、事業者または建築主が行うエネルギー使用の合理化に関する自主的な努力の指針を定める。
(2)特定事業活動
 イ)特定の業種(エネルギー管理指定工場制度の対象業種は省エネルギー法第6条第1項と同じ製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業)に属する工場または事業場においてエネルギー使用の合理化に資する設備の設置または改善等を行うこと、ロ)建築物の建築に際しエネルギー使用の合理化に資する建築材料の使用または設備の設置もしくは改善を行うこと、ハ)エネルギー使用の合理化に資する工業製品の製造技術の改善を行うこと、の3類型を「特定事業活動」と位置づけ、これらを行おうとする事業者等は、事業計画を作成し、主務大臣に提出して承認を受けることができる。
(3)事業計画の承認
 主務大臣は、事業計画が(1)の努力方針に照らして適切なものである等の要件に適合すると認めるときは、承認をする。
(4)支援措置
 承認事業計画に従って行われる特定事業化活動については、イ)超低利融資、ロ)産業基盤整備基金による債務の保証、ハ)課税の特例、といった支援措置が講じられる。
(5)特定設備
 大規模コージェネレーション地域熱供給システム、カスケード熱利用型工業団地等の地域レベルでのエネルギー有効利用システムの構築に必要な熱供給設備等を「特定設備」と位置づけ、その設置または改善に必要な資金の借り入れに対し、産業基盤整備基金が債務の保証を行う。
(6)法の施行
 本法は平成5年6月に施行された。また、本法は10年間の時限立法である。
3.改正省エネ・リサイクル支援法
 企業等が行う省エネルギー、リサイクル、フロン使用等の事業に対し、承認された事業について関係機関を通じた資金調達等のこれまでの支援に加えて、企業等の事業者が行う(1)リデュース、リユース事業(1R→3R)への支援、(2)企業が海外で行う省エネ・代エネ事業(京都メカニズムによるCDM/JI)への支援が追加され、平成15年10月「改正省エネ・リサイクル支援法」が施行された。詳細を図2に示す。
4.平成14年改正省エネルギー法
 原油の中東依存度が石油危機当時の水準を超え、2001年11月のマラケシュ合意(COP7)をうけ第154回国会で京都議定書の批准を目指しているなどの情勢の中、わが国のエネルギー消費の増加傾向に歯止めがかからない状況が続いた。このような状況を踏まえ、民生業務部門等における省エネルギーの強化を図ることとし、2002年6月に[平成14年改正省エネルギー法]が成立し、2003年4月に施行された。改正に係る「エネルギー管理指定工場の区分と法改正事項」を図3に、また、「建築物に係わる措置の法改正事項」を図4に示す。
 本改正案の内容概略は次のとおりである。
(1)第1種エネルギー管理指定工場の対象業種限定の撤廃
 従来、相当のエネルギーを使用する製造業等5業種の工場に限定されていた第1種エネルギー管理指定工場の指定対象を、業種で限定することを止めて、全業種に対象を拡大する。この結果として、大規模オフィスビル等にも指定を拡大し、将来的な省エネ計画(中長期計画)の作成・提出、定期の報告等を義務づける。
(2)エネルギー管理者選任義務についての例外規定の創設
今回の改正により第1種エネルギー管理指定工場の指定対象に追加される大規模オフィスビル等については、そのエネルギー需要の実態を踏まえ、エネルギー管理士資格を有する専門家を事業所毎に選任する代わりに、中長期計画の作成時のみエネルギー管理士資格を有する者が参画すればよいこととする。
(3)第2種エネルギー管理指定工場についての定期報告
工場・事業場におけるエネルギー使用量等の状況について国が定期的に把握し、より適切な措置を講ずることができる仕組みを構築するため、近年の電子政府化により申請者の負担が軽減されつつある状況等も踏まえ、第2種エネルギー管理指定工場に対し、従来のエネルギー使用量等に関する記録義務に代えて、主務大臣に対しエネルギー使用量等を定期的に報告させることとする。
(4)特定建築物の省エネルギー措置の届出の義務づけ等
 特定建築物(2000m2以上の住宅以外の建築物)の建築主に省エネルギー措置の届出を義務づけるとともに、国土交通大臣から所管行政庁(建築基準法に基づく建築主事を置く市町村長等)に建築物に係る指導及び助言等に関する権限を委譲することとする。
5.平成17年改正省エネルギー法(案)
 地球温暖化防止に向けた京都議定書の発効を踏まえ、各分野におけるエネルギー使用の合理化を一層進めるため、エネルギー消費量の伸びの著しい運輸分野における対策を導入するとともに、工場・事業場および住宅・建築物分野における対策を強化する等の措置を講ずることとし、第162回国会に「省エネルギー法」の一部改正を提出した。詳細を図5に示す。
<図/表>
図1 エネルギーの使用の合理化に関する法律の体系(2004年4月)
図2 省エネ・リサイクル支援法の体系(2005年10月)
図3 エネルギー管理指定工場の区分と法改正事項(2004年4月)
図4 建築物に係わる措置の法改正事項(2004年4月)
図5 エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部改正(2005年3月)

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<関連タイトル>
国際エネルギー事情と日本の立場 (01-02-03-01)
石油危機と日本 (01-02-03-04)
日本の地域別・国別原油輸入量の推移 (01-07-04-03)
日本の省エネルギー政策 (01-09-08-02)
国連気候変動枠組条約第5回、第6回および第7回締約国会議(COP5・COP6・COP7) (01-08-05-20)
京都議定書(1997年) (01-08-05-16)

<参考文献>
(1)資源エネルギー庁省エネルギー対策課(監修):第2章/エネルギーの使用の合理化に関する法律の概要、第3章/省エネルギー・リサイクル支援法の概要、省エネルギー便覧2001年版(2001年11月30日)p.118-172
(2)(財)省エネルギーセンターのホームページ:省エネ実績・政策・表彰、法令「省エネ法の抜本的改正(平成11年2月)」http://www.eccj.or.jp/summary/revise/index.html(2002年2月)
(3)経済産業省資源エネルギー庁のホームページ:インフォメーション、総合資源エネルギー調査会省エネルギー部会第5回省エネルギー部会(平成14年2月5日)資料3「省エネルギー法の改正について」(2002年2月)
(4)(財)省エネルギーセンターのホームページ:省エネ実績・政策・表彰、法令「省エネ法改正案の主な内容(平成14年2月)」http://www.eccj.or.jp/summary/revise/0202.html(2002年2月)
(5)資源エネルギー庁省エネルギー対策課(監修):省エネルギー便覧 1998年度版、省エネルギーセンター(1999年3月)p.110-148, p.153-157
(6)資源エネルギー庁(監修):1999/2000 資源エネルギー年鑑、通産資料調査会(1999年1月)p.80-86
(7)経済産業省ホームページ:省エネ・リサイクル支援法による支援措置
(8)(財)省エネルギーセンターのホームページ:政策・制度(法令集目次)省エネルギー法令集(2005.3.17)
(9)経済産業省:エネルギー使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律案について(平成17年3月15日)
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