<大項目> 国際協力・原子力関連機関
<中項目> わが国の原子力関連機関
<小項目> 民間機関
<タイトル>
日本原子力産業協会の活動 (13-02-02-06)

<概要>
 (社)日本原子力産業会議(原産)は1956年(昭31)に発足し、法改正に伴って2012年に(一社)日本原子力産業協会(原産協会、JAIF)に移行した。原産協会は、国際社会と連携しながら原子力利用の促進に努める目的で下記の事業に取組んでいる:民間の立場から原子力利用に関する諸情報の発信、資料公開、説明努力等による原子力利用に関する社会の合意形成、内外の原子力利用状況と技術の調査等の調査研究、原子力利用に関する提言・意見の発表及び行政府への意見具申、原子力関係機関と産業界との協力、人材育成等のための連絡・提携、協会員への情報提供、など。
 2011年度からは、福島第一原発事故からの早期復興に貢献できるよう被害地域と人々の支援を継続するとともに、日本の原子力利用の再生にむけて、国民の理解促進、人材の確保と育成、国際協力の推進等に特に重点を置いた事業に取組む中期計画を遂行中である。ここでは、近年の活動とその成果等の概要を述べる。
<更新年月>
2014年12月   

<本文>
1.概要
1.1 日本原子力産業協会の目的と事業
 (一社)日本原子力産業協会(原産協会、JAIF:Japan Atomic Industrial Forum, INC.)は、1956年(昭31)に産業界が中心になって発足した(社)日本原子力産業会議を基に、2012年(平24)の法改正により(一社)日本原子力産業協会として新たな体制となった(表1)。本協会は、社会の発展における原子力利用の重要性に注目し、原子力の平和利用のため日本の原子力産業界と関連する各界が協同し国際社会と連携しながら、民間の立場からその促進に努めることを目的に以下の事業を行う。
 (1)原子力利用に関する合意形成(諸情報の発信、資料公開、説明努力など)
 (2)原子力利用に関する調査研究(内外の利用状況と技術の調査など)
 (3)原子力利用に関しての提言、意見の発表及び政府に対する建議(提言・意見の公表など)
 (4)内外の原子力関係諸機関及び産業界との連絡提携(内外事業者協力、人材育成など)
 (5)会員相互の連絡提携など(会員への情報提供など)
1.2 組織と会員
 図1に2014年の原産協会の組織を示す。原産協会は総会、理事会及び事務局で運営される。理事会には20名以内の理事が在り、理事の1名は会長、1名は副会長、1名は理事長、3名以内が常務理事(業務執行理事)である。
 事務局の運営は理事会が決定し、事務局次長(経営管理職)が事務局の経営管理部門と事業部門を合わせ統括する。経営管理部門は企画総務部が担当し、事業部門は政策・コミュニケーション部、国際部、地域交流部及び人材育成部の4部が担当する。
 原産協会の会員には、正会員と賛助会員がある。正会員(社員)は、協会の目的に賛同して入会した国内の民間企業、関係団体、研究開発機関、大学、地方自治体など443社(2014年)である。賛助会員は事業を賛助するために入会した団体である。会員は年会費を納める。
 社員総会は、正会員で構成され、1)会員の入会・退会・除名、2)理事と監事の選任・解任、その報酬等、3)決算の承認、4)基本財産の処分と除外、5)定款の変更、6)解散、などを検討・決定する。
1.3 原産協会の原子力産業安全憲章と経営理念
 1)原子力産業安全憲章
 原子力利用の有用性とその潜在的な危険性に注目し、原子力事業者の安全確保の経営理念を検討し、2006年(平18)に安全・使命・責任、安全性向上、職場環境、情報公開と学習、事業運営等に関する五カ条の「原子力産業安全憲章」を制定した(表2)。
 2)経営理念
 本協会は前述した「目的」と「安全憲章」を基に、以下の経営理念を表明している。
・使命(Mission):原子力の平和利用の促進と社会の持続的な発展への貢献。
・構想(Vision):原子力利用の安全性の確保・向上と社会的な利益共有。
・意義(Value):会員の多様性、国際性及び客観性による協会の第三者的存在意義。
2.活動の概要
 原産協会は、協会の目的に沿い年度毎に事業計画を立てそれを遂行する。以下に主な活動を記す。
2.1 地域・社会の理解促進に関する活動
 表3に活動項目と概要を示す。原産年次大会、シンポジウム、提言発信、次世代層へのアプローチ、放射線利用の理解促進、放射線の基礎知識、JAIF地域ネットワーク、エネルギー政策の説明などの活動が有り、原発事故の被災者の支援活動も含まれている。
2.2 人材育成に関する活動
 表4に活動項目とその概要を示す。人材育成の促進について、産官学連携による活動、原子力人材育成ネットワーク、原子力教育情報ポータルなどが有る。人材確保の支援については、原子力産業セミナー、向坊隆記念国際人育成事業、近畿大学原子炉研修支援等の活動が有る。
2.3 海外との交流に関する活動
(1)国と国際機関
 表5に二国間協力、多国間協力、国際機関との協力(IAEAとの協力など)、国際的な企業交流支援などの活動概要を示す。対象国は原子力開発先進国からアジア地域の原子力発電計画国まで多岐にわたる交流がある。
(2)(一財)原子力国際協力センター(JICC:JAIF International Cooperation Center)
 原産協会は、2009年(平21)に原子力関係各方面と連携し、原子力発電の新規導入計画のある国々の協力要請に応えるJICCを設立した。JICCは、ベトナム、インドネシア、モンゴル、マレーシア等において原子力発電の円滑で適切な導入に必要な人材の育成、原子力の知識の普及、原子力発電導入に関する法制度整備等に協力するワークショップや研修会の開催、専門家の派遣、関係者の招聘等の活動を行っている(図2)。原産協会はその活動に協力している。
2.4 原子力情報の発信(表6表7
(1)国内への情報の発信
 国内に向けての活動には、原子力産業新聞、福島第一原子力発電所の状況報告、過去のJAIF・TV動画の配信、原産協会メールマガジンの発行がある。また、「ニュークレオニクス・ウィーク」は、米国マグローヒル社が毎週発行する原子力専門情報誌「platts Nucleonics Week」の日本語訳版である。「プレスリリース(プレスキット)」は、日本や世界の原子力事情、発電所の立地・運転状況、協定等のニュース性のある事柄をまとめメディアに提供している。
 また、日本の原子力事業を取り巻く産業の経済規模や技術者の規模、業界の現状と課題等を年毎に調査している。この調査報告書「原子力発電に係る産業動向調査報告書」は有料頒布されており、原子力産業のデータベースとして利用されている。
(2)海外への情報発信
 毎週発信する「Atoms In Japan」は、英語で日本の原子力関係情報をまとめたものである。適宜、福島第一原発事故情報などの特集記事も発信している。
(3)福島第一原発事故の情報(表7
 適時に地域情報、福島復興・支援情報、福島第一原子力発電所の状況等を発信している。
<図/表>
表1 日本原子力産業協会の歴史概要
表2 日本原子力産業協会、「原子力産業安全憲章」の概要
表3 地域・社会の理解促進に関する活動
表4 人材育成に関する活動
表5 海外との交流に関する活動
表6 原子力情報の発信に関する活動
表7 福島第一原発事故情報に関する活動
図1 日本原子力産業協会の組織
図2 原子力導入計画国と日本行政府・関係機関とJICCの役割

・図表を一括してダウンロードする場合は ここをクリックして下さい。


<関連タイトル>
日本原子力産業協会の事業 (13-02-02-05)
環太平洋原子力協議会(1998年バンフ会議まで) (13-01-03-09)
アジア原子力協力フォーラム(FNCA) (13-01-03-22)
日本政府のアジア地域協力 (13-03-02-04)
日本の原子力に関する国際協力 (13-03-03-01)
アジアにおけるエネルギー動向 (01-07-02-10)

<参考文献>
(1)(一社)日本原子力産業協会 概要、http://www.jaif.or.jp/about/overview/
(2)(一社)日本原子力産業協会 定款、http://www.jaif.or.jp/about/articles/
(3)(一社)日本原子力産業協会 原子力産業安全憲章、http://www.jaif.or.jp/about/charter/
(4)(一社)日本原子力産業協会 経営理念、http://www.jaif.or.jp/about/philosophy/
(5)(一社)日本原子力産業協会 協会のあゆみ、http://www.jaif.or.jp/about/history/
(6)(一社)日本原子力産業協会 主な活動、http://www.jaif.or.jp/about/activity/
(7)(一財)原子力国際協力センター 事業概要、http://www.jaif-icc.com/activities.html
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