<概要>
平成3年度の
原子力発電所における
放射線業務従事者個人の受けた線量当量の実績は、いずれの原子力発電所においても法令「
核原料物質、核燃料物質及び
原子炉の規制に関する法律」に定める線量当量限度(年間50ミリシーベルト)を下回っている。放射線業務従事者の総線量当量は57.86人・
シーベルト(前年度は81.94人・シーベルト)であった。また、放射線業務従事者一人当たりの平均線量当量は1.0ミリシーベルト(前年度は1.5ミリシーベルト)であった。
<更新年月>
1998年05月 (本データは原則として更新対象外とします。)
<本文>
「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」に基づいて実用発電用原子炉施設の設置者から報告された平成3年度の放射線業務従事者の線量当量の実績は、いずれの原子力発電所においても、法令に定める線量当量限度(年間50ミリシーベルト)を下回っている。
なお、平成3年度の原子力発電所における放射線業務従事者の総線量当量は57.86人・シーベルト(前年度は81.94人・シーベルト)であった。また、放射線業務従事者一人当たりの平均線量当量は1.0ミリシーベルト(前年度は1.5ミリシーベルト)であった(下記の概要を参照)。
放射線業務従事者の線量当量の概要従事者数(人) | 総被曝線量(人・Sv) | 平均被曝線量(mSv) | 原子炉数(基) |
55,477 | 57.86 | 1.0 | 41 |
(53,651) | (81.94) | (1.5) | (40) |
( )内は平成2年度の値 |
これまでに採用された
被ばく線量の主な低減対策として
(1) 作業の自動化、遠隔化の採用
(2) 本設、仮設遮蔽の設置及びその範囲の拡大
(3) 復水濾過器の改良による
クラッドの低減
(4) 低コバルト材の採用によるコバルトの低減、耐蝕性鋼の採用
(5) 製造技術の向上に伴う溶接線の削減
などが挙げられる。
各発電所における放射線業務従事者の線量当量状況は
表1-1 および
表1-2 に示すとおりである。表においては、シーベルトをSv、ミリシーベルトをmSv、放射線業務従事者を従事者と表す。
資源エネルギー庁としては、原子力発電所での放射線業務従事者の
被ばく管理についてその重要性に鑑み、今後とも作業の自動化、遠隔化及びクラッド低減化のための水質管理等からなる軽水炉技術高度化の推進により、線量当量の一層の低減化を進めるとともに、
放射線管理の徹底により、被ばくの低減をより一層図るよう電気事業者を指導していくこととしている。
<図/表>
<関連タイトル>
日本の原子力発電所における従事者被ばく状況の推移(2005年度まで) (02-05-04-01)
平成2年度原子力発電所における従事者被ばく状況 (12-01-04-11)
平成3年度試験研究用原子炉における従事者被ばく状況 (12-03-03-13)
<参考文献>
(1) 科学技術庁原子力安全局(編):平成3年度実用発電用原子炉施設における放射性廃棄物管理の状況及び放射線業務従事者の被曝状況について、原子力安全委員会月報、通巻第165号