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<概要>
 平成10年度(1998年度)に、法律に基づき報告されたトラブルは9件で、いずれのトラブルも、原子力発電所の周辺環境への放射能の影響はなかった。
<更新年月>
2002年01月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 平成10年度(1998年度)に電気事業法及び原子炉等規制法に基づき、電気事業者から通商産業大臣(現経済産業大臣)に報告されたトラブルは、9件であった。9件の内訳は、運転中(試運転中及び調整運転中を含む)に自動停止したもの3件、手動停止したもの4件、定期検査中に発見されたもの2件となっている。なお、いずれの事象についても、原子力発電所の周辺環境への放射能の影響はなかった。
 これら法律対象として報告されたトラブルの概要を 表1-1 および 表1-2 に示す。表中の第4欄の「尺度」とは「国際原子力事象評価尺度(INES:International Nuclear Event Scale)」のことで、難解な原子力発電所の事象を専門家も一般の人々も共通して理解できるように、国際原子力機関(IAEA)と経済協力開発機関(OECD/NEA)によって策定された尺度である。この評価尺度は、
(1)放射性物質の発電所外への影響
(2)放射性物質の発電所内への影響
(3)発電所の安全確保の機能の劣化
の3つを基準にして、レベル0から7までに分けられている通商産業省(現経済産業省)は、1992年8月からこの国際評価尺度を採用している。
 日本でのトラブルは、ほとんどがレベル0になるので、これを
・レベル0+(プラス):安全に影響を与え得る事象
・レベル0−(マイナス):安全に影響を与えない事象
に細分化している。
<図/表>
表1-1 1998年度原子力発電所におけるトラブルの概要(法律対象)(1/2)
表1-1  1998年度原子力発電所におけるトラブルの概要(法律対象)(1/2)
表1-2 1998年度原子力発電所におけるトラブルの概要(法律対象)(2/2)
表1-2  1998年度原子力発電所におけるトラブルの概要(法律対象)(2/2)

<関連タイトル>
日本の原子力発電所における事故・故障・トラブルの推移(2005年度まで) (02-07-01-01)
日本におけるBWR原子力発電所の主要な事故・故障・トラブル(2005年度まで) (02-07-01-02)
日本におけるPWR原子力発電所の主要な事故・故障・トラブル(2005年度まで) (02-07-01-03)
原子力施設の故障・トラブル・事故の国際評価尺度 (11-01-04-01)
平成10年度試験研究用原子炉および研究開発段階炉における事故・故障 (12-03-01-19)
平成10年度〜平成11年度放射性同位元素等取扱施設における事故・故障 (12-06-01-17)

<参考文献>
(1) 原子力安全委員会(編):原子力安全白書 (平成10年版)、大蔵省印刷局、(1999年8月)p.298-299
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