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<概要>
 1998年4月から2000年3月までにおける放射性同位元素および放射線発生装置に係わる事故は1998年度における線源紛失2件と被ばく2件であり、1999年度における線源紛失2件、放射性廃液の漏出1件とその他4件であった。また、いずれの事故も周辺公衆への影響はなかった。
<更新年月>
2000年02月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 1998年4月(平成10年度)から2000年3月(平成11年度)までにおける放射性同位元素および放射線発生装置に係わる事故は、1998年度における線源紛失2件および放射線被ばく2件と1999年度における線源紛失2件、放射性廃液の漏出1件と管理区域外からの線源発見などのその他4件であった。1998年度線源紛失の1件は、線源管理上の問題点が明らかになり3ヶ月間の放射性同位元素の使用停止処分となった。放射線被ばくの1件は医療機関における放射線治療装置の不具合に伴う被ばくであったが、健康上の異常は認められなかった。これらの概要を 表1 に示す。1999年度における線源紛失2件は、カリホルニウム線源とセシウム線源でいずれも治療用の線源であった。また、放射性廃液の漏出については廃液約1立方メートルが排水設備の周辺にしみこんだが、土壌の分析では汚染は認められなかった。その他の4件はいずれも医療機関におけるラジウム線源に関するものであった。これらの概要を 表2 に示す。1999年(平成11年)11月に判明した放射性同位元素の所在不明事故等を踏まえ、放射性同位元素等の使用者、販売業者、賃貸業者および廃棄業者に対し、放射性同位元素等の取り扱いに関する安全管理を徹底するため、RIの保管管理状況の点検を行い、結果を報告するよう科技庁(現文部科学省)が通知した。また、医療機関に対し、管理区域の外も含めたRIの保管所持がないかどうかの点検を行う指示があった。
<図/表>
表1 平成10年度における放射性同位元素等取扱事業所における事故等
表1  平成10年度における放射性同位元素等取扱事業所における事故等
表2 平成11年度における放射性同位元素等取扱事業所における事故等
表2  平成11年度における放射性同位元素等取扱事業所における事故等

<関連タイトル>
放射性同位元素等取扱事業所における事故等の年度推移(1998年度まで) (03-05-04-01)
放射性同位元素 (08-01-03-03)
放射性同位元素等取扱施設からの放射線(能) (09-01-02-07)

<参考文献>
(1)原子力安全委員会(編):平成10年版 原子力安全白書、大蔵省印刷局(平成11年8月)
(2)原子力安全委員会(編):平成11年版 原子力安全白書、大蔵省印刷局(平成12年9月)
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