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<概要>
 原子炉等規制法に基づき、平成10年度(1998年度)に報告された事故・故障の件数は4件で、4件とも運転中に発生したものである。このうち3件は定格運転中に、1件は計画停止のための操作の過程で発生した。周辺環境への放射能の影響はなかった。
<更新年月>
2003年03月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 平成10年度(1998年度)に原子炉等規制法に基づき報告された事故・故障の件数は4件(前年度は4件)で、4件とも運転中に発生したものである、このうち3件は定格運転中に、1件は計画停止のための操作の過程で発生した。周辺環境への影響はなかった( 表1 参照)。
 また、科学技術庁(現文部科学省) 長官通達に基づき、平成10年度(1998年度)に報告された事故・故障の件数は2件(前年度は2件)である( 表2 参照)。
表1の(注1)について>
 難解な原子力発電所の事象を専門家も一般の人々も共通して理解できるように、国際原子力機関(IAEA)及び経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)において、1989年以来、原子力施設等の事故・故障等に係る国際的な評価尺度(International Nuclear Event Scale:INES)について検討がなされ、その後、1992年3月にウィーンで開催された技術委員会において発電用原子炉について正式な運用の開始が合意された。また、発電用原子炉以外の原子力施設等(試験研究炉、再処理施設、加工施設、使用施設、廃棄物管理施設、廃棄物埋設施設)および核燃料物質等の輸送については試験的運用を開始することとなった。
 これを踏まえて我が国においては、1992年8月1日以降に発電用原子炉において発生した事象についてINESを導入するとともに、発電用原子炉以外の原子力施設等については試行的にINESを導入してきている。
 この評価尺度は、(1)サイト外への影響:放射性物質の発電所外への影響、(2)サイト内への影響:放射性物質の発電所内への影響、(3)施設の深層防護への影響:発電所の安全確保機能の劣化、の3つを基準にして、レベル0から7までに分けられている。 通商産業省(2001年1月6日から経済産業省)は、1992年8月からこの国際評価尺度を採用している。日本でのトラブルは、ほとんどがレベル0になるので、このレベルを安全に影響を与え得る事象レベル0+(プラス)と安全に関係す事象レベル0−(マイナス)に分けている。
<図/表>
表1 平成10年度の試験研究用原子炉施設及び研究開発段階にある原子炉施設におけるトラブルの概要(原子炉等規制法に基づく報告)
表1  平成10年度の試験研究用原子炉施設及び研究開発段階にある原子炉施設におけるトラブルの概要(原子炉等規制法に基づく報告)
表2 平成10年度の試験研究用原子炉施設及び研究開発段階にある原子炉施設におけるトラブルの概要(科学技術庁
表2  平成10年度の試験研究用原子炉施設及び研究開発段階にある原子炉施設におけるトラブルの概要(科学技術庁

<関連タイトル>
原子力施設の故障・トラブル・事故の国際評価尺度 (11-01-04-01)
平成11年度試験研究用原子炉および研究開発段階炉における事故・故障 (12-03-01-20)

<参考文献>
(1)原子力安全委員会(編):原子力安全白書(平成10年版)、大蔵省印刷局(1999年8月30日)p.308-310
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