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<概要>
 昭和54年度に「電気事業法」及び「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の規定に基づき、報告された故障・トラブル等の件数は26件であった。一基当たりの報告件数は 1.2件であり、ほぼ平年並みであった。
<更新年月>
1998年05月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 昭和54年度に「電気事業法」及び「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の規定に基づき報告された故障・トラブル等の件数は26件であった。一基当たりの報告件数は1.2 件であった。 表1 に故障・トラブル等報告件数(法律対象)を、 表2 に内容別報告件数を、 表3原子力発電の事故・故障等の報告件数一覧を示す。26件の内訳は、運転中(試運転中及び定期検査における調整運転中を含む)に自動停止したもの 7件、運転中に手動停止したもの 6件、原子炉停止中に発見されたもの10件となっている。
 なお、いずれの事象についても、原子力発電所の周辺環境への放射能の影響はなかった。

原子力発電所の故障・トラブル等の概要(法律対象)
発生年月日発電所名概要
54. 4. 4関西電力美浜発電所 2号機定期検査中、燃料取替クレーン調整作業時に発生した中性子源の破損を発見。
54. 4.17関西電力高浜発電所 2号機定期検査中、制御棒クラスタ案内管支持ピンの損傷を発見。
54. 4.18中部電力浜岡原発電所 1号B−補助ボイラー蒸発管の損傷を発見。
54. 4.27関西電力美浜発電所 2号機定期検査中、制御棒クラスタ案内管たわみピンの損傷を発見。
54. 5. 7関西電力大飯発電所 1号機特別保安監査による機能試験中、余熱除去ポンプ入口電動弁の故障を発見。
54. 5.11関西電力高浜発電所 1号機定期検査中、充てん高圧注入ポンプの軸損傷を発見。
54. 5.22四国電力伊方発電所 1号機定期検査中、制御棒クラスタ案内管支持ピンの損傷を発見。
54. 7.14関西電力大飯発電所 1号機「冷却材ポンプしゃ断機トリップ」の誤信号の発信により原子炉自動停止、その時、主蒸気逃し弁が作動し主蒸気管相互の圧力不平衡により安全注入系が作動。
54. 7.18関西電力高浜発電所 1号機定期検査中、制御棒クラスタ案内管たわみピンの損傷を発見。
54. 7.20東京電力福島第一原子力発電所 1号機潤滑水の流量検出リレー不良により海水循環ポンプが停止したため原子炉出力を手動で降下中、「スクラムディスチャージ・ボリューム高」の信号により原子炉自動停止。
54. 7.22日本原子力発電東海第二発電所蒸気管の予備計装配管弁のフランジ部分からの蒸気漏れを発見、調査のため原子炉手動停止。
54. 7.24東京電力福島第一発電所 3号機タービン制御系の制御油用小口径配管接続部からの油漏れを発見、調査のため原子炉手動停止
54. 9. 3日本原子力発電敦賀発電所 1号機主蒸気系サンプリング配管からの蒸気漏れを発見、調査のため原子炉手動停止。
54. 9.27関西電力大飯発電所 1号機体積制御タンクガス試料採取時に、放射性ガスが一部漏えい。
54. 9.27関西電力大飯発電所 1号機体積制御タンクガス試料採取時に、放射性ガスが一部漏えい。
54.10. 9関西電力大飯発電所 1号機点検中、 B−余熱除去ポンプのインペラ損傷を発見。
54.10.17東京電力福島一原子力発電所 1号機定期試験中、圧力調整装置の不調による圧力変動のため、原子炉自動停止。
54.10.24関西電力美浜発電所 2号機調整運転中 B−蒸気発生器細管からの漏えい、調査のため原子炉手動停止。
54.11. 3関西電力高浜発電所 2号機調整運転中、一次冷却材温度測定用配管から冷却材が漏えい、調査のため原子炉手動停止。
54.11. 4東京電力福島第一原子力発電所 2号機復水流量変換器の故障により高圧復水ポンプが止まり、原子炉水位が低下したため原子炉自動停止。
55. 2. 3日本原子力発電東海発電所原子炉安全保護系の定期試験中、「原子炉内ガス減少率高」の誤信号により原子炉自動停止。
55. 2. 9東京電力福島第一原子力発電所 4号機格納容器内空調用冷却水の漏えい、調査のため原子炉手動停止。
55. 2.13関西電力大飯発電所 1号機定期検査中、制御棒クラスタ案内管の支持ピン(リーフ部)の損傷を発見。
55. 3. 8東京電力福島第一原子力発電所 1号機定期検査中、ジェットポンプ計装ノズルセーフエンドのひびを発見。
55. 3.15中部電力浜岡原子力発電所 1号機A−補助ボイラーの点検中、蒸気管からの水の漏えいを発見。
55. 3.16関西電力美浜発電所 3号機タービンステムフリーテストのため出力降下中、C−給水制御器の不調のため原子炉自動停止
55. 3.27日本原子力発電敦賀発電所 1号主蒸気隔離弁5%閉試験中、テスト用パイロット弁の不調により主蒸気隔離弁 1個が全閉したため原子炉自動停止。

<図/表>
表1 故障・トラブル等報告件数(法律対象)
表1  故障・トラブル等報告件数(法律対象)
表2 内容別報告件数
表2  内容別報告件数
表3 原子力発電所の事故・故障等の報告件数一覧(電気事業用)
表3  原子力発電所の事故・故障等の報告件数一覧(電気事業用)

<関連タイトル>
日本の原子力発電所における事故・故障・トラブルの推移(2005年度まで) (02-07-01-01)
日本におけるBWR原子力発電所の主要な事故・故障・トラブル(2005年度まで) (02-07-01-02)
日本におけるPWR原子力発電所の主要な事故・故障・トラブル(2005年度まで) (02-07-01-03)
昭和53〜55年度放射性同位元素等取扱施設における事故・故障 (12-06-01-01)

<参考文献>
(1)原子力安全委員会編(1989):原子力発電所における故障・トラブル等の概要( 昭和54年 4月?平成元年 8月) 、平成元年版原子力安全白書、98-111.
(2)(社) 火力原子力発電技術協会(1981): 事故・故障の状況(法律対象)、昭和54年度・昭和55年度版(昭和54年度実績) 原子力発電所運転管理年報、35-213.
(3)科学技術庁原子力安全局(1989): 昭和54年度の原子力発電所における故障・トラブル等について、原子力安全委員会月報4号(第12巻第4号)、通巻第127号、12-15.
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