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<概要>
 平成2年度、我が国の原子力発電所の時間稼動率及び設備利用率は、営業運転中の全発電所(39基、総発電設備容量3,148.0万キロワット)平均で、時間稼動率は73.6%、設備利用率は72.7%であった。
 平成3年2月9日、関西電力(株)美浜発電所2号機において、定格出力運転中、2系統のうちのA系統の蒸気発生器の伝熱管1本が、低温側第6管支持板上端部において円周方向に破断した。原子炉は直ちに停止され、10日には、プラントは安定状態に保たれ、周辺環境への放射線の影響はなかった。この原因調査及び対策措置等は次年度引きつづいて実施された。
<更新年月>
1998年05月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 平成2年度、我が国の原子力発電所の時間稼動率を 表1-1表1-2 に、設備利用率を 表2-1表2-2 に示した。これらの表によれば、営業運転中の全発電所(39基、総発電設備容量3,148.0万キロワット)平均で、時間稼動率は73.6%、設備利用率は72.7%であった。全プラントの運転状況を見ると、前年度に比べて定期検査による停止期間が減少し、その分が設備利用率の増加に寄与し、故障・トラブルによる停止期間は前年度並であった。BWRが好調であった要因としては、前年度と比べて定期検査の件数が減少したこと、及び本年度新たに運開された東京電力(株)柏崎・刈羽原子力発電所5号機(平成2年4月10日)及び2号機(平成2年9月28日)がほぼ100%の設備利用率を確保したこと等が考えられる。
 またPWRが低下した要因としては、定期検査期間が伸びたこと等が考えられる。平成2年度中に定期検査を終了したプラントの平均検査期間は177日(5.9月)となり、平成元年度と比較して22日(0.7月)増しとなっている。なお、平均運転期間はここ数年同じ程度で推移している。
 全般的に、故障・トラブルによる運転停止頻度及び故障・トラブルの件数は、ここ数年低い水準で推移している。しかし、平成3年2月9日、関西電力(株)美浜発電所2号機において、定格出力運転中、2系統のうちのA系統の蒸気発生器の伝熱管1本が、低温側第6管支持板上端部において円周方向に破断した。原子炉は直ちに停止され、翌日の10日には、プラントは安定状態に保たれ、周辺環境への放射線の影響はなかった。この原因調査及び対策措置等は次年度引きつづいて実施された。
 平成2年度の新規運転プラントは次の2機である。
  東京電力(株) 柏崎・刈羽原子力発電所5号機(BWR 110.0万キロワット)
          (平成2年4月10日運開)
  東京電力(株) 柏崎・刈羽原子力発電所2号機(BWR 110.0万キロワット)
          (平成2年9月28日運開)
<図/表>
表1-1 我が国の原子力発電所の時間稼動率
表1-1  我が国の原子力発電所の時間稼動率
表1-2 我が国の原子力発電所の時間稼動率
表1-2  我が国の原子力発電所の時間稼動率
表2-1 我が国の原子力発電所の設備利用率
表2-1  我が国の原子力発電所の設備利用率
表2-2 我が国の原子力発電所の設備利用率
表2-2  我が国の原子力発電所の設備利用率

<関連タイトル>
日本の原子力発電所の時間稼働率の推移(2004年度まで) (02-05-02-01)
日本の原子力発電所の設備利用率の推移(2004年度まで) (02-05-02-02)
美浜発電所2号機蒸気発生器伝熱管損傷事象の概要 (02-07-02-04)
美浜発電所2号機蒸気発生器伝熱管損傷事象の原因調査 (02-07-02-03)

<参考文献>
(1) 科学技術庁原子力安全局編(平成3年):我が国原子力発電所の設備利用率、原子力安全委員会月報、通巻第159号
(2) 科学技術庁原子力安全局編(平成3年):我が国原子力発電所の時間稼動率、原子力安全委員会月報、通巻第159号
(3) 科学技術庁原子力安全局編(平成3年):関西電力(株)美浜発電所2号炉蒸気発生器伝熱管破損事故について(決定)、原子力安全委員会月報、通巻第162号
(4) 科学技術庁原子力安全局編(平成5年):平成4年度の原子力発電所における設備利用率について、原子力安全委員会月報、通巻第175号
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