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<概要>
 昭和55年度においては、原子力発電所の時間稼働率は65.0%、設備利用率は60.8%であった。
<更新年月>
1998年05月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 昭和55年度における我が国の原子力発電所の設備利用率は60.8% に達した。( 表1 参照)昭和54年度の設備利用率54.6% に比べると6.2%の伸びであり、60% を越したのは実に 8年ぶりのことである。このように設備利用率が向上した要因としては様々なものがあるが、基本的には、米国スリー・マイル・アイランド原子力発電所事故を契機として、官民挙げて取り組んできた原子力発電所の安全対策の充実が成果を表したものと考えられる。特に設備利用率の向上に資すところが大であった要因としては、
 1.初期故障に伴う点検、改修作業がほぼ終了したため、定期検査期間が短縮化されたこと。
 2.作業工程の綿密なチェック等により定期検査の効率的実施が図られたこと。
 3.運転管理専門官を各原子力発電所へ派遣し電気事業者の保安規定遵守状況を常時監視する等事故の未然防止体制、トラブル時の迅速な処理体制の整備を行なったこと。等を挙げることができる。また、昭和55年12月には、蒸気発生器のトラブルで長期間停止していた美浜 1号機が運転再開した。
 また時間稼働率については 表2 及び 表3 に示すように平均で65.0% であった。
<図/表>
表1 設備利用率
表1  設備利用率
表2 時間稼働率
表2  時間稼働率
表3 我が国の原子力発電所の時間稼働率及び設備利用率(昭和55年度)
表3  我が国の原子力発電所の時間稼働率及び設備利用率(昭和55年度)

<関連タイトル>
日本の原子力発電所の時間稼働率の推移(2004年度まで) (02-05-02-01)
日本の原子力発電所の設備利用率の推移(2004年度まで) (02-05-02-02)
昭和55年度原子力発電所の事故・故障 (12-01-02-02)

<参考文献>
(1)原子力委員会編(1982):我が国の原子力発電所の時間稼働率及び設備利用率(過去10年間)、昭和56年版原子力白書、334-335.
(2)(社)火力原子力発電技術協会(1981):原子力発電所の運転状況、昭和54年度・昭和55年度(昭和55年度実績)原子力発電所運転管理年報、11-33.
(3)(社)火力原子力発電技術協会(1981):プラント別設備利用率、プラント別時間稼働率、昭和54年度・昭和55年度原子力発電所転管理年報、30-31.
(4)科学技術庁原子力安全局編(1981):我が国の原子力発電の設備利用率、我が国の原子力発電の時間稼働率、原子力安全委員会月報.
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