<概要>
100万kWe規模の
汽力発電所の燃料投入量(質量)は、原子力が桁違いに少なく濃縮
ウランで年間21トン程度、それに対して石炭火力では石炭236万トン、石油火力とLNG火力ではそれぞれ石油138万kl(130万トン)、天然ガス97万トンが必要である。
<更新年月>
2005年08月 (本データは原則として更新対象外とします。)
<本文>
汽力発電所の燃料必要量は、発電設備容量と
設備利用率が同じ(発電量が同じ)であれば、発
熱量べースでは各々の発電所の発電効率のみに依存する。つまり、発電効率が高くなれば必要な燃料は少なくてすむ。なお、汽力発電とは
火力発電における原動機の種類による発電方式の一つで、火力発電の主流を占めている。
一般の汽力発電所では、発電(端)効率は約41%(平成15年度)で燃料種によって大きく変わらない(
表1)。しかし、燃料の質量当たりでみると、燃料種によって発熱量が異なるため燃料必要量は質量当たりの熱量が一番小さい石炭が最大で石油、天然ガスと続く。
原子力発電では、ウランの
核分裂によって生ずる熱を利用するため化石燃料と比較すると濃縮ウランの必要量は桁違いに少なくてすむ(
表2)。すなわち、100万kWe規模の汽力発電所の燃料投入量(質量)は、原子力が桁違いに少なく濃縮ウランで年間21トン程度、それに対して石炭火力では石炭236万トン、石油火力とLNG火力ではそれぞれ石油138万kl(130万トン)、天然ガス97万トンが必要である。このことの概略を
図1に示す。
最新の火力発電所では、スチームタービンだけでなく燃焼排ガスタービンを利用した複合サイクル発電によって発電効率を40%以上に上げている例もあり、効率の向上によっても投入燃料を減らすことができる。
<図/表>
<参考文献>
(1) 電気事業連合会統計委員会(編):電気事業便覧 平成16年度版(社)日本電気協会(2004年10月)
(2) 電気事業連合会:「原子力・エネルギー」図面集 2004-2005(2004年12月)、p.69