nuclear fission。核反応の一種で、ウランやプルトニウムなどの重い原子核がほぼ同等の質量をもつ二つ(まれには三つ以上)の原子核(核分裂片)に分裂する現象をいい、中性子、陽子、γ線、β線の吸収などによって誘起される誘起核分裂と自然に起きる自然核分裂とがある。中性子の吸収による核分裂では1核分裂当たり2億電子ボルト(=200 MeV)程度のエネルギーを放出する。このとき、新たに2〜3個の中性子の放出を伴う。この核分裂によって生まれる中性子により次々に起こる核分裂の連鎖反応を利用して莫大なエネルギーを取り出すのが原子炉である。