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<概要>
 昭和57年4月以降、昭和58年3月末までに発生した放射性同位元素に係る事故は、紛失2件であった。なお、いずれの事故についても周辺公衆への影響はなかった。
<更新年月>
1998年05月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 昭和57年4月以降、昭和58年3月末までに発生した放射性同位元素に係る事故等(放射線障害防止法令に基づき科学技術庁(現文部科学省)に報告のあったもの)は紛失2件で、その概要は次のとおりである。また、周辺公衆への影響はなかった。

(1)昭和57年6月、学校法人藤田学園名古屋保健衛生大学病院において、放射線治療病室に設置されているベット付オート・アフターローディング装置内に保管しておいたセシウム137線源、30mCi(1.11GBq)1個が紛失していることが判明した。
 原因は、線源カバーであるポリエチレンの容器が破損し、当該容器の中に入っていたセシウム137線源、30mCi(1.11GBq)のもの2個のうち1個が紛失したものである。
 紛失した線源については、探索を続けた結果昭和58年2月土中より発見された。発見された線源は、破損もなく、かつ、土中深く埋まっていたため、探索作業に従事した者等への放射線による被ばくは無いものと思われる。

(2)昭和57年12月、学校法人東京女子医科大学病院においてラジウム処置室内にある貯蔵箱内に保管していたラジウム226針1mCi(37MBq)20本のうち1本が紛失していることが判明した。
 原因は腫瘍の治療終了後に線源の所在の確認を行わなかったこと等のためである。

<関連タイトル>
放射性同位元素等取扱事業所における事故等の年度推移(1998年度まで) (03-05-04-01)
放射性同位元素 (08-01-03-03)
放射性同位元素等取扱施設からの放射線(能) (09-01-02-07)

<参考文献>
(1)原子力安全委員会(編):「昭和56、57年度の放射性同位元素取扱施設の事故・故障(放射線障害防止法に基づき報告があったもの)」、昭和58年度版 原子力安全白書、436、668、(1983)
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