原子力施設の安全対策が多段階にわたって設けられていることをいう。深層防護は、次の3段階からなる。第一段階は、安全確保のための設計で、異常の発生を防止するため、安全上余裕のある設計、誤操作や誤動作を防止する設計、自然災害に対処できる設計が採用されている。第二段階は、事故拡大防止の方策であって、万一異常が発生しても事故への拡大を防止するため、異常を早く発見できる設計、原子炉を緊急に停止できる設計が採用されている。第三段階は、放射性物質の放出防止の方策で、万一事故が発生しても放射性物質の異常な放出を防止するための原子炉格納容器やECCS(緊急炉心冷却装置)が備えられている。多重防護ともいう。