<概要>
平成15年度実用発電用原子炉(
原子力発電所)および研究開発段階炉における
放射線業務従事者の被ばく状況についてまとめた。
原子力発電所における従事者一人当たりの平均
線量は1.4ミリシーベルトで従事者の総線量は96.41人・
シーベルトであった。また、発電用研究開発段階炉における従事者一人当たりの平均線量は0.3ミリシーベルトで従事者の総線量は0.46人・シーベルトであった。
平成15年度の原子力発電所および発電用研究開発段階炉における従事者の線量は、全ての事業所において規定の
線量限度を下回っている。
<更新年月>
2005年04月 (本データは原則として更新対象外とします。)
<本文>
1.はじめに
原子炉設置者等は、
原子炉等規制法に基づき
原子力施設における
放射線業務に従事する者の線量が同法に基づく告示に定める線量限度を超えないように管理することが義務付けられている。
平成15年度の原子力施設における
放射線業務従事者の線量は、全ての事業所において、この線量限度を下回っている。
<放射線業務従事者の線量限度>
ICRPの1990年勧告を受けて関係法令を改正し、平成13年度から次のようになった。
・5年間につき100ミリシーベルト(mSv)および1年間につき50ミリシーベルト
・女子(妊娠不能と診断された者、妊娠の意思のない者および妊娠中の者を除く):前述の規定のほか3月間につき5ミリシーベルト
2.平成15年度における線量管理の状況
(1)実用発電用原子炉施設(原子力発電所)
放射線業務従事者数は延べ人数で約66,600人(前年度約63,800人)、放射線業務従事者の総線量は96.41人・シーベルト(前年度84.03人・シーベルト)であった。また、放射線業務従事者一人当たりの平均線量は1.4ミリシーベルト(前年度1.3ミリシーベルト)であった(
表1-1および
表1-2)。
(2)発電用研究開発段階炉
研究開発段階にある発電の用に供する原子炉施設(発電用研究開発段階炉)のうち、新型転換炉「ふげん発電所」における放射線業務従事者一人当たりの平均線量は0.5ミリシーベルト(前年度は1.1ミリシーベルト)、高速増殖原型炉「
もんじゅ」における放射線業務従事者一人当たりの平均線量は0.0ミリシーベルト(前年度は0.0ミリシーベルト)であった(
表2)。
また、「ふげん発電所」における放射線業務従事者の総線量は0.46人・シーベルト(前年度は1.12人・シーベルト)、「もんじゅ」における放射線業務従事者の総線量は0.00人・シーベルト(前年度は0.00人・シーベルト)であった(
表2)。
さらに、発電用研究開発段階炉全体における従事者一人当たりの平均線量は0.3ミリシーベルトで従事者の総線量は0.46人・シーベルトであった(
表2)。
(3)線量分布(原子力発電所および発電用研究開発段階炉)
年間の放射線業務従事者の線量分布を
表1-1、
表1-2および
表2に示す。また、女子の放射線業務従事者について、四半期ごとの線量分布を
表3-1、
表3-2および
表4に示す。
<注記>
Sv:「シーベルト」で、放射線が人体に及ぼす影響を考慮した線量の単位。1Svの1000分の1は 1ミリ・シーベルト(mSv)、100万分の1は 1マイクロ・シーベルト(iSv)である。
<図/表>
<関連タイトル>
日本の原子力発電所における従事者被ばく状況の推移(2005年度まで) (02-05-04-01)
平成14年度実用発電用原子炉および発電用研究開発段階炉における従事者被ばく状況 (12-01-04-23)
平成15年度試験研究用原子炉および研究開発段階炉における従事者被ばく状況 (12-03-03-25)
<参考文献>
(1)独立行政法人原子力安全基盤機構(編):原子力施設運転管理年報平成16年版(平成15年度実績)(平成16年9月)p.596-606
(2)独立行政法人原子力安全基盤機構:原子力施設運転管理年報平成16年版(平成15年度実績)